『………しょ……う…………ちゃん?』
俺を呼ぶ声に顔を上げると
そこには懐かしい顔が並んでいた。
手の甲で涙を拭い
『………雅紀。』
と、声を掛けた。
俺の言葉に驚いて目を丸くして
次の瞬間、顔面崩壊させて
『え?
翔ちゃん?
わかるの?
……俺が……………わかるの?』
と、泣き出した。
俺は「うん。うn。」と頷いて抱き締めた。
『今さら……………おせーんだよ。』
と、潤君が
『…………翔さん。』
と、ニノが
俺に近づいてきて抱き締めてくれた。
どいつもこいとも…………
……………泣いていた。
俺がなんで智の事を忘れて
なんで群馬に引っ越したのか
潤君が教えてくれた。
『翔君の体が、精神が
忘れなければ、もたなかったんだよ。
あのままだったら翔君が壊れてた。』
と、潤君が言う。
『俺は、
今でも堪えられない。
智が今、どうしているか
考えるだけで狂いそうだ。』
思い出したら
思い出したで
苦しい。
『俺達だって、同じ気持ちだよ。
俺だって、翔君に負けないぐらい
智が好きだ。』
そうだった。
潤君も、雅紀も、ニノだって
智の事を好きだったんだ。
『ごめん。
俺ばかり……………
逃げて。』
『ここが、智の拉致られた現場なんだって』
と、ニノが教えてくれた。
あの、花火大会の日。
ここで何が起きたかなんて
誰も知らない。
『あれから何件かの
身元不明の遺体が出たんだけどね。
智じゃなかった。
だから、智はまだ
ちゃんと生きてる。
絶対に生きてるはずだから……』
と、潤君が希望を棄てていないと話す。
『どんな智でも、受け入れるから
早く帰ってきてほしい。』
それが俺達の願いだった。