「あ………あ……………
なんで……………
なんで忘れていたんだろ…………
なんで……………
なんで………………
あれは………………
………さ……と…………し……君。
俺の大好きな
俺の恋人の
智君だ。」
俺の悲鳴は、大きな花火の音でかき消された。
『おい。大丈夫か?
櫻井?!』
横山達が俺の様子がおかしのに気付いて
走り寄ってきて
『お前、やっぱり体調悪いんじん。』
と、俺を立たせてくれた。
『違う。
違うんだ。
俺が………………
俺が………………智を忘れたのがいけないんんだ。
ごめん。
ごめん。
…………行か………なきゃ………………
…………俺……………行かなきゃ…………
智を探しに行かなきゃ…………
智が待ってる。』
俺は走り出した
あいつらが叫んでいるのも忘れて。
智と、最後にバイバイした場所に走った。
俺達の最寄りの駅を出て駐輪場に
一年前のこの日
ここで、潤達を待ってたんだ。
いつまでも別れたくなくて
ずーっと話をしてた
くだらない話をして笑ったり、拗ねてみたり
いろんな顔を俺に見せてくれた。
お互い好きだって確認しあって
幸せだった。
明日っからが楽しみだった。
皆には、まだ内緒にしておこうねって
でも、多分すぐにバレてたと思うよ。
だって俺が我慢できない。
皆が、智にちょっかい出すのを
黙ってられなかったと思うから…………
しばらくしゃべっていたら、智の家から電話が来て
「じゃあ……
また明日ね。」
って、小さくバイバイと手を振って
智は自転車に乗って帰っていった。
俺の家はここで、右に曲がるんだけど。
智の家は真っ直ぐ行く。
だから、その道を俺は歩いてみた。
あの日の智が自転車で誘導する。
智の家まで自転車で5分から7分
歩いてみると20分ぐらいの道のりを歩いた。
なんで…………
なんで、こんな大事なことを忘れてたんだろう………
俺の智が泣いていたのに………
俺の智が、俺を呼んでいたのに…………
俺は……………
俺ってば…………
君を忘れて…………
のほほんと生きてきた。
君の苦しみも悲しみも……………
俺は知らずに…………
本当に……………
智…………………ごめん………………
謝っても謝りきれない。
後悔してもしきれない。
心のなかで謝罪と懺悔を繰り返す。
心が押し潰されそうだ。
俺は泣きながら、ひたすら智の家に向かって歩いていた。
今………………智は……………どこ?
『あっ。
しょ………う………ちゃん?』
と、言う声に驚いて顔を上げると
そこには懐かしい顔が並んでいた。