俺の右目からツーっと涙が溢れ落ちた。
俺が幸せそうに微笑んでる姿に
なぜだか胸が締め付けられる。
これって…………
いつもの夢?
それとも残像?
虚像?
今にも消えてしまいそうな二人を
ただただ、見ていた。
『おーーい。櫻井?』
俺の目の前で、手がヒラヒラと踊ってる。
『どうした?
やっぱり体調悪いんじゃね?
大丈夫か?』
と、横山が心配そうな顔を覗かせた。
『あ!
ああ。
ごめん。大丈夫だから………』
と笑って見せた。
夜空には、幾つもの花火がうち上がり
「たまや~」って安田達がはしゃいでる。
『なんかさ。
村上が、女の子達ゲットしたみたいでさ。
これからカラオケに行こうってなったんだけど
どうする?』
あーそうか…………
安田のはしゃぎっぷりは女の子のせいか。
と、納得しながら
カラオケって、展開に呆れた。
女の子達が
『去年の事件から、
どこに、誰と行くか
SNSに載せることにしてるから
写真撮ってるんだけどいい?』
と、聞かれて
『いいよ。
俺達、健全な高校生だからね。
あんな事件起こすような変態じゃありませ~ん。』
って、笑ってた。
去年の事件…………
あー………駅で配ってたビラのことか。
そう言えば、去年の花火大会の日だって言ってたな。
『なっ。櫻井も行くよな。』
って、
『行かなきゃお前ら帰れないだろうが。』
『サンキュー』
しかたがない…………。
と、立ち上がって砂を払った。
「おいら、もっと花火見たかったなあ……」
その声に振り向くと男の子が立っていた。
「………来年なんて、おいらには
来なかったじゃないか。」
そう言って走って消えていった。
「あ……………
さ………とし…………くん……………
智……………君だ。」
『あっあっ。
あっ………………あー………………』
俺は悲鳴を上げた。