潤が俺を抱き締めて、優しいキスをくれる。
久しぶりのキス………
俺の心臓が煩いぐらいドキドキしてる。
潤に触れて欲しかった…………
ずっと、別れ話をされるんだって思ってたから
潤に会うのが怖かった。
今こうして確かめ合って
秘密の恋人になって………
これから、会う機会もずっと少なくなるけど
俺たちは………大丈夫だよね。
翔兄たちみたいにうまくいくよね。
潤の啄むようなキスが、徐々にディープなものに変わっていく。
『…………和………………』
潤の手が、Tシャツの裾から俺の中に入ってきて
俺の背中を背骨に沿って滑らせる。
『………あっ……ばっ………ばか………くすぐった…い……
こんなとこ……で……………やっ……』
Tシャツの中で蠢く潤の手を掴んで止めさせた。
いくら防犯カメラがないとは言え
いつ、誰が来るかわからないんだよ。
不意に店員さんが来たら困るでしょ。
『………潤………
まさか、こんなとこで………
やるなんて…………言わないよね。』
確かに、お互いの熱を感じる。
止めたくない……が本音
でも…………
俺は、潤の顔を覗きこんだ。
『……やっぱ…………ここじゃ無理……だよね?』
そう言うとガッカリした顔を見せた。
俺だって、潤と…………したいよ。
あの行為は半端ない破壊力があるんだよ。
でも、潤だから………
潤とだから、したいって思うんだ…………
『……じゃあ………俺んちに行く…………?…』
自分から誘ってるようで、恥ずかしいから
俯いて呟いた。
『…え?……いいのか?……おばさんいるんだろ………』
『うん。多分…………
でも、殆ど二階には上がってこないし………
………兎に角、ここを出ようよ。』
『うん。』
俺たちはカラオケ屋を出て、家に向かった。
『あれ?…………車がない。』
『車?』
そう、おばさんの愛車がガレージにない。
『おばさんは出掛けてるみたい。
おじさんの車もないし…………』
『じゃあ…………誰もいないってことか…………?』
『うん。』
玄関を開けると、熱の籠った家の中はサウナのよう……
直ぐ様、二階の自室に潤を招き入れてエアコンを着けた。
暑い外を歩いて来て、喉が乾いたので麦茶を取りにキッチンに行くと
テーブルの上にメモが置いてあった。
麦茶を注ぎながら目を通すと
「和くんへ
お兄ちゃんの所に行ってきます。
6時頃には戻ります。」
と、書いてある。
「………え?………これって………ちょっと
……………やばくない?」
俺は、急いで二階に上がると
エアコンの前で襟元をひらいて涼んでいる潤に
『潤。どうしよう。』
と、メモを見せた。
『………翔さんのマンションに行ったってことだよね。
今、住んでないのに…………』
『………………』
『出掛けてるって………思ってくれるんじゃないかな。』
『そ、そうだよね。』
『…………一応、翔さんに連絡入れてみるわ。』
そう言って、潤は翔兄に電話をかけた。
『………そう。
わかった。
…………うん。じゃあ……………』
と、電話を切って
『大丈夫だってさ。』
と、俺に答えてくれた。
『よかった。
もし、智さんとのことがバレたら…………』
『うん。
でも、いつかは話さなきゃいけないことだよね。
多分、二人には覚悟が出来てるんだと思う。
だから、「大丈夫」って言ったんだと思う。』
『そ、…………そうか。』
俺は、テーブルに置いた麦茶をゴクゴクと飲み干した。
潤は、智さんが心配なんだね。
今すぐにでも帰りたいんでしょ。
だって、二人きりになって
誰も邪魔する人もいないのに
潤は、考え込んで
俺に触ることも
ましてや、キスひとつしてくれないんだから………
『…………潤。
……気になるなら…………………………帰ってもいいよ。』
『え。何?』
『……………智さんが心配なんでしょ。
…だから…………俺のこと気にしないで……
…帰ってもいいよ。』
『何言ってるの?
今、来たばっかじゃない。』
『だって…………』
智さんが心配だから、俺のこと抱き締めてくれないんでしょ。
『ごめん。
ちょっとさ、俺…………
汗くさいなって思ったら……………
和に近づけなくなって……………///』
と言うと、自分の服をクンクン嗅ぎだした。
『え~。そんな理由なの…………
俺はてっきり………』
『………智の事は、翔さんがなんとかしてくれるよ。
今は、……………和とのことしか考えてない。』
と、潤が俺を抱き締めてくれた。
『うふふ……………汗くさいけど……
……お互い様ってことで………』
俺は、潤にキスをした。