昼休みに弁当を持って、和を引っ張って屋上に来た。
天気もいいし
教室は煩いから
雅紀がトイレに行ってる間に和を連れ出した。
俺の弁当の中身を見て和が
『それにしても器用だよね。』
と言う。
『うん?何が?』
と言いながら、俺はチキンボールを口に入れた。
『弁当の事だよ。
どうやって作ったんだろう。』
『ああ~。』
「ほんとだよな。」
弁当の中をジーっと見つめた。
『実際、智の秘密を知ったのは
ほんの2、3年前なんだ。
それまで全然気付かなくて。』
『それだけ、気づかれないように
気を付けてたんだろうね。
智さんて凄い人だね。』
『うん。』
本当に智は凄い人だ。
智が俺に掛けてくれた愛が迫ってくる。
親がいないと言う負い目を
俺が持たないようにって
本当に色んな事をしてくれたんだ。
感謝しきれないな。
弁当をしみじみ味わって食べた。
『あー……うまかった。』
俺はごろんと横になって目を瞑った。
『こんなとこで寝たら汚いよ。』
と、和が言う。
『………和…………えっと………
その…………体調………大丈夫……だった?』
昨日、和にしたことで
体調大丈夫だったのか、ずっと心配だった。
だから朝、聞きたかったのに
雅紀がそばにいて聞けなかった………
『うん。大丈夫。
さすがに潤が帰ってからすぐ寝たけどね。』
『おばさん、心配してたんじゃない?』
『う~ん。
俺さ、体弱い子設定にしてるから
いつもの事って片付けられたんじゃない。』
『なにそれ。
本当に体弱いの?』
俺は飛び起きて和をみた。
『設定だって。
俺もさ、居候だから気を遣うわけよ。
って、そんなことはいいんだよ。
潤との事はいい経験になった。』
と言って
俺の頭を小突いた。
『ちょっと………もう終わりみたいな言い方すんなよ。』
『え?
また、やるの?』
『え?やなの?』
『ばか。あの破壊力はハンパねえんだぞ。
潤がさせてくれるならいいけどさ。』
って俺を見てニヤッって笑った。
『くー………
絶対やってやる。』
『やってやるって何?』
振り向くと雅紀が立っていた。