智がバスに乗ってきたって………
今まで、車全般に乗れなかったのに
嘘みたい。
これが櫻井の力………?
愛の力なのか…………
俺じゃ……やっぱり無理なのか。
智には、櫻井がいて
これからは櫻井先生が、智を守って支えてくれるんだろうね。
俺がもう………守ってやる事も
支えてやる事もないんだな。
智は幸せになるんだ。
………………じゃあ、俺は?
俺は?
はやく大人になって智に恩返しをするって
そんな目標がなくなった。
俺は自分のやりたいことを
やっていいのかな………
やりたいことか~………
と考えていたら頭に
和の顔が浮かんできた。
『俺たち……やっちゃったんだよな。』
昼間の事を思い出して顔が熱くなる。
和………可愛かった…………
無理矢理だったのに俺を拒まず受け入れてくれた。
苦しそうな顔して………
でも、気持ちよさそうにしてた。
そんな和の顔が忘れられない。
ベットで悶々とするなか
ゆっくり眠れず朝が来た。
『よっ。おはよう』
教室に入るとすでに大半のクラスメイトが来ていて
雅紀がちゃっかり、和の脇に座って楽しそうにしゃべってた。
『おはよう』
何事もなかったかのように二人に声をかけた。
『『おはよう』』
二人で俺を見ると答え。
すぐさま雅紀は和の手を取り
『だからさ、俺も出るから
見に来てよ。』
と言う。
『どうしたの?』
和の顔を見ると困った顔して
『それがね。
今週の土曜日、相葉君の野球部が試合で
もしかすると試合に出れるかも知れないから
見に来てって話なんだ。』
と、和が答えた。
『雅紀。
今週はまだ俺の番だろ。』
『じゃあさ、じゃあさ。
二人で見に来てよ。
俺、ホームラン打つから。』
と、屈託のない笑顔を見せる雅紀。
俺たちが返事をする前にチャイムが鳴って
話は途切れてしまった。