ひとしきり話を聞いて
俺は涙が止まらない…………
智さんをこんなに追い詰めてたんだと思うと
手を伸ばして触ることも
声をかけることも出来ない俺。
周りで何が起きてるのか
見ようとしない…………
感じようとしない……
あのフワッとした笑顔が………そこにはない。
『智が、この状態を打破するには
もしかしたら……あんたが必要なのかもしれない。』
と、二宮さんが俺の肩を叩いた。
『そう思うと悔しいけど
ニノと話し合って賭けたんだよ。』
『あんたが智をどう思ってるか知りたくて、
慎吾さんの取材を利用させてもらった。』
と、二宮さんが言う。
すると
『櫻井さんの事は、正直…………
恨んでました。』
と、お父さんが口を開いた。
『先の弟さんの行動で
智の背中には大きな傷が付き。
心も壊れた。』
『でも、翔さんと会って
ほんとに楽しそうだった。』
と、お母さんも涙を堪えながら話してくれた。
一人暮らしを再開して
心配で心配で、毎日電話をしていたと言う。
『犬の"さとし"が可愛いって、
翔さんの事も笑いながら喋ってくれて
安心してたんです。
だから…………こんなことになって…………』
俺は智さんの車椅子の前に立ち優しい声で
『智さん。
智さん…………俺が解る?
智さん……………
智さん…………おれだよ。
翔だよ。解る?』
と、智さんをみんなのいる前だけど関係ない
ぎゅっと抱き締めて
『あなたを………愛してる………』
と、囁いた。