出掛け際にねーちゃんが声をかけてきて
慌てて家を出たので気付かなかったんだ。
バカな俺。
『にのちゃん。』
相葉君が俺を見つけていつものキラッキラの笑顔で手を振っている。
『ごめん。待たせた?』
『うんん。俺も今来たとこ。』
『そうか。よかった。』
相葉君の目線が足元に注がれ
『……ねえ。にのちゃん………そのスニーカー…………』
と指を指された。
『え?…………あっ!』
そう。
俺は智とお揃いで買ったスニーカーと
智と初めてデートした所で待ち合わせをしてたんだ。
『おーちゃんとお揃いだったんだ……
おーちゃんよく履いてたから、よほど気に入ってるんだと思ってた。』
『…………うん。
ごめん。
考えなしだった。』
俺のバカ。
智を忘れるために来たのに…………
『なに言ってるの?
俺は気にしないよ。』
相葉君は優しい笑顔を俺に向けた。
『……………』
『それより……どこ行こうか?』
と俺の手を掴んできたから、咄嗟にその手を振り払ってしまった。
『あ!ごめんごめん。
調子に乗りすぎた。』
と舌をペロッと出した。
『そうだ。飯食べた?』
『いや、まだ』
『俺も………
まずは…なんか食べようか。
それから映画でも観よう。』
相葉君に言われるままに着いていく。
最近買ったゲームや攻略の仕方を話ながら歩いていた。
見覚えのある風景に足が止まった。
『あ!ここ…………』
そうだった。
ここは前に智と来たんだった。
『え?ここに入るの?』
と相葉君が聞いてきた。
どこにでもあるファーストフードのお店。
窓際のあの場所で隣に座っていた事を思い出す。
そうだ。あの日初めて………
『にのちゃ~ん……オーイ。
一人の世界に入らないで~』
相葉君が俺の目の前で手を振っている。
『ここに入るの?』
『いや。いい。』
と言うと相葉君の腕を取って歩きだす。