行っちゃった………
新幹線は智を乗せて走っていった。
智にはこれから俺なんかよりずっと大変な事が待ってるんだ。
頑張れよ。頑張れ智!
見えなくなっても俺はずーっと見送った。
『行っちゃったね。』
と、誰かが俺の肩に手を回してきた。
我に返り隣を見ると
相葉君が俺の肩に手を回していた。
『ちょっ、やめろよ。
馴れ馴れしいな。』
その手を振りほどいてやる。
『ひゃー。怖い怖い………。
可愛い顔のわりに以外ときついのなッ』
と両手を上げて笑った。
『………俺、返事するの忘れてたから今言います。
付き合えません。
さようなら。』
と頭を下げて立ち去ろうとしたら
『ぷははは……』
と吹き出していた。
「なんなんだこの人は………」失礼なやつ。
と、思ったけど無視して歩き出した。
『俺、諦めないよ。
おーちゃんもいなくなったし
にのちゃんのこと気に入ってるんだよね。』
『ばっかじゃない?
なんも知んないくせに………』
と振り返ったら、相葉君の唇とぶつかった。
『ちょっとばか。何すんだよ。』
相葉君を押し退けると
『不可抗力でしょ、今のは……』
と、ニヤッと笑った。
「ヤバイ………」と俺の心が警告を鳴らす。
『おい。相葉!
いい加減帰るぞ。』
と怒ったような声がして振り向くと
見たことのある男の人が立っていた。
『わりい………よこ。今いくわ。
じゃあ。にのちゃん。
また連絡するね。』
と手を顔の横でヒラヒラと振って「よこ」と言う人と帰って行った。
その後ろ姿に
『迷惑なんでしないでください。』
と吐き捨てた。