智くんの規則正しい寝息が聞こえてきた。
俺はそっと腕枕を外してベットから下り、
自分の携帯を取り出して電話をかけた。
『もしもし…………おれ。
…………話があるんだけど
会えないか』
「そろそろ来る頃と思ってました。」
『…………』
「俺、今日休みなんですよ。
一日家にいるんで
翔さんのいい時間に来てください。」
『…………わかった。』
『智くん…………起きて………』
俺が智くんの耳許で囁くと
『う~んん』
と、寝返りをうち、
俺の方を向いてゆっくり瞼を開いた。
『おはよう。
どう?体調』
『おはよう………翔ちゃん………ずーっといてくれたの』
『うん。
智くん倒れたんだよ。覚えてる?』
『うーん。
覚えてない……………
でも、翔ちゃんが看病してくれたんでしょ。
ありがとう。』
一度、目を覚ましたことを智くんは覚えてないようだった。
『そろそろ起きないと……起きれそう?…』
『うん。』
『一応さっきコンビニでサンドイッチ買ってきたから食べる?』
『そう言えばおいら飯食ってないや』
『ダメじゃん。
ちゃんと食べなきゃ。』
『うん。』
リビングで遅い朝食?
いや、早めのお昼を取っているときに
『智くん…………
俺、相葉君とちゃんと別れたから…………』
『えっ!』
驚いた顔を俺に向けた。
『相葉君もちゃんと解ってくれたから
安心して………』
と微笑んだ。
『…おいら…………………おいらは……』
智くんが俯いて手首を見てその手を握り締めた。
『智くん………?…』
『………おいら、この部屋で………
ニ、ニノに……抱かれ……たんだ…………』
とうとう智くんの口から告白させてしまった。
『…………知っ………てる……』
『 !!…………なんで……』
智くんの目がゆらゆらと揺れている。
『………策略に嵌まったんだよ。俺たち……』
『策略…?……』
『……ニノが智くんを手に入れるための……
それがわかって助けに来ようとしたのに………
出来なかった。
…………ごめん』
『………………おいら…………
わからなくなってきた………………
おいらの知ってるニノって………
どっちが本物なんだろう………』
『………狭い世界で生きてきて
自分の自由を奪われて
スキャンダルを恐れて恋も出来ずに……
……愛し方がわからなくなってきたのかもしれない』