明日から日本での個展が始まる。
そのための準備はしてきた。
入り口の大きなパネルにおいらは筆を取り力強く、
且つ優雅に<感謝>の文字を書く。
どれだけの人が来てくれるんだろう。
チケットはアッと言う間に売り切れたとは聞いているがほんとなんだろうか。
<感謝>と書いた文字の前で考えていると
背中をふわっと抱きしめられた。
『出来たんだ。』
『うん。』
この手は翔くん。
もう抱き締める手と温もりと匂いでわかる。
『綺麗な字だね。
智くんそのものって感じがする。』
『そお?うふふ…ありがとう。』
二人の目が合う。
『おい!!
俺らもいんだかんな』
背後から少し荒げた声を上げる潤くん。
『そうそう、
潤としげ、岡田っちも連れて来た。』
振り向くと3人がニタニタおいら達を見てた。
『おーっ、すげー』
『超やっべー』
『お前天才だな。』
おいらの絵を食い入るように見てのそれぞれの反応。
『これなんか、超こまけえー』
とおっさんの絵の前で岡田っちが足を止めた。
「気づくかなー」とおいらはドキドキ。
『ふーんん』
顎を手で擦りながら唸った。
『これ……
城島先輩に似てね?』
『『えーっ?!』』
おいらは思いもしないことを、
翔くんと潤くんは「そっちかい」という意味で、
叫んだ。
『あっ!ほんとだー』
シゲも相槌を打つ。
『マジで?』
3人でもう一度覗き込むと
『『ほんとだー』』
『おもしれー』
おいらはモデルがいないと思っていたけど
自然と誰かがモデルだったのかもなー
と考えてたら
『これなんて翔くんそのまんまじゃん。』
なんかヤバくないか?
個展でおいらの内部が暴かれそうだ。