『おい。
ここにお前らがいるじゃん。』
また岡田っちが見つける。
「お前、凄いな」とおいらは呟いた。
『どれどれ』
とあいつらが走っていく。
『ここ、ほら
これお前らだべ』
2メートルはある油絵の前で岡田っちが指を差す。
大きなパグの目の中
「見つかった。」
そこにはハワイのパイナップル畑の道路で5人座ってる姿が……逆さまに描いてある。
『何度も見たのに気付かなかった。』
と潤くんが関心しきり。
俺らは智くんの絵の前で記念写真を撮り、
それは次の日に新聞に載った。
当日の朝
『智くんの除幕式何時?』
翔くんが出掛ける準備をしながら
ゆっくりコーヒーを啜るおいらに声をかけた。
『1時からだよ。』
『ならまだ時間あるね。』
『うん。
ウルフが迎えに11時頃来るんだ。』
『そっか。じゃー俺もう行かなきゃ』
そう言うと翔くんはおいらの事を抱き締めて
『頑張ってね。』
と額にちゅっとキスをして出掛けた。
海外の反応は凄いものだったとは聞いているが、
日本ではどうだろう。
おいらのドキドキは半端ない。
さてとおいらも用意しようかな…と
杖を付いて立ち上がる時に杖が滑ってしまい
勢いで床に倒れてしまった。
「痛ったー」
参ったなーと打った顎を触ると血が出ていて切ったんだと分かった。
椅子にしがみついて立ち上がろうとしたが……
動かない。
『えっ?
さっきまでは……』
そう翔くんがまだ家にいるとき
おいらは自分の脚でトイレにも行けてたのに。
『うそだろー』
携帯、携帯どこだっけ?
そうだテーブルの上……と見上げる。
どんなに伸ばしても手が届かない。
『う…、動けよ……
動けよ。この脚!!』
おいらは自分の脚を叩いたが全然動く気配がない。
まるで操り人形の糸がプッリと切れたみたい。
這って家電まで行こうかと考えたが
結局そこも手が届かない。
『あーあ。
最近調子よかったのに……今日かよ…』
自分の脚を叩き続けた。