【評価】【感想】響け!ユーフォニアム3 #12 | じゅんぷーのブログ

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▼本作の評価・感想・各話リンクは以下にまとめています。

 

目次
あらすじ
評価
感想
構成

 

さいごのソリスト

 

  前置き・・・

いよいよ最後のオーディション。何も言うことはない作品に身を任せるんだよ。そうすればどんな結果になっても納得できるし、真由の真意を知ることにもなるだろう。

 

  あらすじ/スタッフ

全国大会メンバーを決めるオーディション結果が発表された。
それを受けて久美子は、顧問の滝昇にあることを申し出る。
北宇治高校吹奏楽部は実力主義。
久美子は、最後の演奏に向けてステージに立つ。

脚本:花田十輝
絵コンテ:小川太一
演出:山村卓也
作画監督:引山佳代・髙橋真梨子

 

  評価:15/15点

 *各5点満点で評価する

脚本(シナリオ+構成)

  点数:5

ポイント:

キャラクター

  点数:5

ポイント:

演出(作画+美術+音響+etc)

  点数:5

ポイント:

 

  感想

最後のオーディション、、、これまでのシリーズを追い続けた視聴者的に残念な側面ももちろんあるが、それ以上に理解と納得のできる傑作回でした。関西大会のオーディションと結果だけ見たら同じ。にもかかわらず、あの頃(#8~9)に抱いた感情と、今回抱いた感情とでは全く別物だった。あの時から3~4話ほどしか経過していないのにこうして明確な違いを生み出せるのは素直にすごいですね。
全体構成は、”オーディション結果発表→進路→ソリオーディション→奏と麗奈”といった感じ。尺の配分は”10:15:55:20”ぐらい。この4つのパートの構成がきれいな起承転結になっているにもかかわらず、物語を占う転の部分の尺が最も長くなっている。あまり見ない面白い構成だと感じました。いつもであれば、問題定義となる”起”はそこそこにして、”承”の部分に割り当てる尺が多いイメージです。しかし今話はそうではなかった。それは話を膨らませるパートはこれまでの11話の中で積み重ねてるからかもしれないですね。また、麗奈との絡みや、進路などの必須な描写のみ取り入れられていたため、テンポよく見やすかったですね。今話の場合メインの尺が長くなるのは当然として、オーディションの結果を受けての奏と麗奈とのやり取りは思いのほか長い尺を使いました。序盤展開を短くしたこと、主題歌を無しにしたことでできることですね。英断です。響け!ユーフォニアムという作品でエンディングをカットすることはこれまでいくつかありましたが、オープニングをカットすることはコンクールを除いてなかったと思います。製作者はそれだけ今話に重きを置いたということですね。恐らく次回最終回はエンディングが使われないことを想定するとすごい判断ですよね。
細かく振り返る。
***
(1)オーディション結果発表
開幕いきなりオーディションでかつオープニングがないことで視聴者はすべてを察しました。これはガチな回だと。今話の”起”のパートは本当に問題定義しかしてなくて、真由と久美子で再オーディションをするという内容しかない。まあそれがすべてなんだが。サラっと出てきた、関西大会の結果からオーディションに文句を言う部員がいなくなったという言葉も一つの定義ですね。部員での再オーディションをするけど部長とかそんなの関係ないぞと。また、真由が手を挙げないことにも触れられており、今話の内にこの件を回収するんだろうなと。
(2)進路
滝との会話は基本意味不明でした(笑)。とにかく滝は自身を未熟だと感じさせてくれるような生徒と出会えたことが幸福だったんだろうね。これが久美子の進路に何か影響を与えたのだろうか。
放課後のくみれい。改札機に阻まれる麗奈が面白すぎる。それ以外はいつも通り。麗奈の本心から自身の本心を確認することが目的だったんじゃないでしょうか。
帰宅後は、(推測ですが)自身の進路を決めた久美子が父に話をしてましたね。麻美子との姉妹中は相変わらず最高。
翌日、松本先生に進路希望調査票を提出する。顧問たちの進路予想から、久美子が教師を選んだのではないかと推察する。教師だとなんとなく面白味がないので、違いを出してほしいなと思った。本当に教師になって吹奏楽部の顧問になることです!とか言いそう。
(3)ソリオーディション
開始7分ほどでソリオーディション。早い。
奏と麗奈と目くばせなどのやり取りをすることから、今話の中では久美子真美の次点でキーパーソンであることがわかりますね。それにしてもあの奏が、デカリボン先輩と同じようなことを言うなんて誰が思っていただろうか。もうね負けフラグなんですよ(笑)。
オーディション直前の真由との掛合い。ある種、第3期の答え合わせ的なパートですね。視聴者がずっと抱いていたもやもやが解消される場面。ここ数話で気づいた自身のわがままについてまず「ごめんなさい」するところから始まりましたね。ここまでは前回の奏とのやり取りから気づいた内容(多くの視聴者も既知)。ここからが答え合わせ。まず、自身の過去の経験とプールでのやり取りから、久美子と真由が似ていること。そこは真由もわかっていました・・・が、そのうえで違うことを久美子に伝えました。ここまでも視聴者的には既知でしたが、具体的なところはわかっておらず。それは、友人の存在と、何のために吹いているのかということ。久美子については既知なので触れないが、真由はコンクールメンバーに選ばれるということは誰かが不幸になることを知っている。そしてそれがあるからこそコンクールとか金賞とかっていう目標よりも楽しく音楽することが大事なんです。ただし、真由の本質として、演奏に嘘はつきたくない。これらの思いがあるからこそ、オーディションを受けるからには手を抜くことはなかったし、吹かないという選択肢もあった。府大会の時に真由がソリストを落選したのにほっとしていたのもこれで納得できますね。音楽に嘘はついていなくて、かつ部内も循環する。まさに望んだ形だったわけです。でも関西大会で選ばれて、部の雰囲気にあてられていろいろとよぎったんでしょうね。いくら合宿で久美子にきつく言われたとしても自身の中のポリシーを簡単に曲げることはできないですから。こういうことがあっての今回のオーディション、真由はどんな状態で吹いても変わらないクオリティで演奏できそうですが、そこにプラスの感情はあまりなかったかもしれないですね。だからこそ久美子の「同情も、心配も、遠慮もいらない。真由ちゃんも自分の信じるもののために吹いてほしい。」という一言は彼女に響いたんでしょうね。またこの時の回想がずるい。つばめの「演奏してる真由ちゃんが、本当の真由ちゃんな気がするから。」とかいう言葉、正解が過ぎる。今度から回答に困ったらこれを使うことにします。冗談はさておき、これまでずっと真由と付き添ってきたつばめだからこそ、彼女の本質を見ることが出来たのかもしれないですね。
さてオーディション。滝先生には「違いが判らなかった人は挙手を」という第3択を提示してもらいたかった。恐らくこんなくそみたいな選択肢を作ってしまったら、久美子票が大きくなくなるんだろうな。というのも久美子に票を入れている部員に占める身内は結構な数だった。つまり久美子の演奏だとわかったから入れたものと考えられて、上手下手が判断基準となってなさそう。なので第3択を用意した場合、身内以外で久美子に入れた人の多くは流れそう。ちなみに最中経験組は真由を選んでいました。その一方で鈴木さを除く低音メンバーや、秀一は久美子に入れてましたね。明らかに分かってそう。また、奏は久美子の演奏と明らかに分かっていながら2番に手を挙げるのを渋っていました。これはオーディション前の久美子とのやり取りからでしょうね。その結果、久美子との約束より自身のわがままが勝ったんでしょうね。そしてこれが麗奈との対比になっていました。麗奈は麗奈で、久美子の演奏と分かっていながら1番に手を挙げました。これが奏と麗奈との差でしょうね。どちらも間違ってない。だからこそこうして面白い展開になってるんですよね・・・。それにしても細かいキャラクターの動きから感情を読むことが出来るのは、さすがは京都アニメーションという感じですね。
結果は麗奈の1票により真由がソリストになりました。残酷な結末です。真由も含めてこの結果は重かったです。ですが、この後の久美子のセリフによりすべてがリフレッシュした気がしました。その前に職員室での回想がワンクッションありましたね。”正しい人”になりたい。”正しい人”とは皆に平等である人のこと。久美子は全員に平等であったと思います。久美子の口から”ベストメンバー”という言葉が出てきて、そこのソリストに自身の名前がないのはあまりに残酷ですが、これを言うことですべての部員がこの結果に納得することが出来るんだと思います。
(4)奏と麗奈
2年前、田中あすかが手遅れだった世界線であり、香織と優子のその後のやり取りもこんな感じだったのかなと考えてしまう。あの生意気小娘な奏がこんなに久美子大好きになるなんて…。それでいてこの結果をしっかりと受け入れている。まあちょろっと本音オブ本音が出てましたが(笑)。「私だって…最後に久美子先輩と…吹きたかった。」存外に黒江とかいう邪魔がいなければと言ってるようなものだけど、久美子のベストメンバーという発言によって前を向くしかないんですよね。なぜなら奏は久美子の口からベストメンバーには入らないと言われたわけですから。”正しい人”とは決して良い言葉ではなくこうした残酷な面も持ってるんだと突き付けられましたね。
大吉山。久美子と麗奈が真の意味で初めて会話した場所ですね。オーディションの時の演出からわかってましたが、麗奈の口から”真由と久美子の演奏がわかっていたけど、その上で真由の演奏を選んだ”というセリフが出てくるのは辛いですね。そのうえで久美子からの質問。そして「やっぱり…久美子は性格悪い。」おそらく今期初めて耳にする名物のセリフがこんな形になるなんて思いもしなかった。自分が不幸になるとわかっていて、自身のポリシーを貫くことは普通の人はできることじゃないと思います。でもそれが出来たのは、2年前の誓いがあったからなんでしょうね。
麗奈「裏切らない?」
久美子「もしも裏切ったら殺していい。」
これが2年越しに回収された。こんな展開予想もしてなかった・・・。最後に死ぬほど悔しい思いをした久美子でしたが、それを受け入れて誇りとするよう頑張る姿は見事ですね。全国大会でこの思いをしないように頑張ってほしい!
***
長々書き連ねてしまった。3年間積み上げてきた部はしっかりと実力主義の形になったが、その結果、当事者たちは涙を流す結末でした。本来なら、主人公が不幸になることで視聴者的には詰まらんと思ってしまうと思います。事実関西大会の時は、理解しているが納得はできていませんでした。だがしかし、今回はすっと受け入れられましたね。久美子、真由、奏、麗奈の4人の目線でしっかりと描かれたのが大きいですね。合宿の時は麗奈の目線しかなかったと思います。そこに4話ほど重ねるうちに、久美子の本質が見えたり、奏がわがままになったり(笑)、真由の真意がわかったりと状況は大きく変わりました。久美子の変化に進路というテーマを掛け合わせたのは秀逸でしたね。なんだかんだ久美子が落選すると視聴者は「うっ」ってなるところですが、進路(音大)の迷いがあったことが原因となると、納得感につながりますよね。
さて、最後のコンクールメンバーが決まったところで残すところあと1話。つまり次回が最終回。全国大会の演奏が果たして披露されるのかとかいろいろ注目点が多いです。もはや金賞を取ることは確定しているも同然なので、久美子の進路や卒業とか、部の今後とかはどうなるのか気になるところ。また、次回の内容ではないけど、「響け!ユーフォニアム」がこれにてきっぱり終わってしまうのか、それとも何かしらの展開がされるのかとか。そういう面でも次回は注目です。
文句なしに面白かった、次回への期待値も相当高い。
以上。

 

  構成

【起】オーディション結果発表

オーディション。
真由の番から久美子に。
 /
【さいごのソリスト】
翌日、オーディションの結果発表。
関西大会の成果を経てオーディションの結果に文句を言う部員はいなかった。
ユーフォニアム奏者は3年生メンバー。
ユーフォニアムのソリストは黄前久美子と黒江真由が発表された。
後日、全部員の投票による再オーディション。
本当に辞退したいなら、ここで手を挙げればいいが、手を挙げることはしない。

【承】進路

職員室にて久美子と滝。
オーディションの結果については甲乙つけがたくどちらも十分ソリが務まる、ただし久美子が部長である以上皆が納得する必要があるのも事実。
久美子は、音だけで判断できるようどちらが吹いているのか分からない形にしてほしいというお願いをする。
滝「自身の未熟を感じ、自身の理想に到達することを難しく感じる。そう感じさせる生徒と出会えたことを幸運に思う。」
何かを言いかける久美子。
 /
放課後、駅にて久美子と麗奈。
改札機に阻まれる麗奈。
久美子「もし私が負けたら・・・嫌?」
麗奈「嫌。私は最後は久美子とソリ吹くって決めてるから。私に追いついたって言った。だから、頑張って。」


 /
帰宅。
進路について?久美子に何か言おうとする父を制して何かを言う久美子。
自室の進路希望調査票には麻美子からのメモ書きが貼ってあった。

何書いても
味方してあげる!
がんばれ妹!
   まみこ

進路調査票を持ってデスクに向かう久美子。
 /
翌日、進路調査票を松本に提出する。
松本と滝は、久美子がこの進路を選択することを予想していた。
久美子「お、大人ってすごいですね」
松本「心配するな、大人になったらすぐ思うようになる、”子供ってすごい”とな。」

【転】ソリオーディション

オーディション。
会場の準備をする部員達、真由と久美子は演奏の準備。
両者とも麗奈と目くばせをする。
奏「久美子先輩、ソリとってください。」
久美子「奏ちゃん、ちゃんと聞いてほしい。それで、良いと思った方に入れてほしい」
奏「はい」


 /
トランプカードによる奏者の順番決め。松本から。
真由「久美子ちゃん、これが最後。高坂さんとソリ吹きたいよね」
 /アイキャッチ
真由「大丈夫、誰にも言わない。」
久美子「私、真由ちゃんに謝らないといけない。怖かったんだと思う、上手な子が転校してきて。焦った。だから真由ちゃんの気持ち 見て見ないふりしてたかもしれない。転校してきたばかりの子が困らないはずないのに。実力主義って言って押し付けて。ごめんなさい。だから、投げかけてくれてたんだよね、本当にいいの?って。」
真由「買いかぶりだよ。」
久美子「あのね、オーディションで嫌なこと あったんじゃない?。」
真由「どうして?」
久美子「私 中学の時オーディションで下級生なのにコンクールメンバーに選ばれて、嫌な思いをしたことがあった。プールで話した時思ったの、真由ちゃんってどこかその頃の私と、ううん、もっと根っこの部分…似てるなって。」
真由「そっか。私も同じこと考えてた。やっぱり似た者同士なのかな。」


 /
真由「でもね、やっぱり違うよ。高坂さん…なんだね。」
久美子「麗奈を知って、私は変わった。」
真由「そっか、でも私はそれが正しいとは思わない。私の場合は、私のせいで友達が音楽辞めちゃったから。いつもコンクールメンバーに選ばれるのが私で、その子はいいって言ってくれてた。けど結局…辞めちゃった。だから、本当に心の底からみんなと楽しく吹きたい。そう思ってる。そのためならどうでもいいの、オーディションとか金賞とか。」
久美子「コンクールメンバーじゃなくてもみんなと楽しく吹ければいい。でも、わざと下手には吹けない。頼まれて辞退はできても自分から降りることはしたくない。演奏に嘘はつきたくない。知ってるよ、少なくとも真由ちゃんの演奏は…どうでもいいって思ってる人の演奏じゃないよ。ここはね、2年前麗奈がソロをかけてオーディションした場所なんだ。私と麗奈はその時誓った、音で決めるべきだ、うまい人が吹くべきだって。あの時の気持ちを、3年間信じてきたことを裏切りたくない。これは私のわがまま。だから今日、私は私のすべてで吹くだけ。同情も、心配も、遠慮もいらない。真由ちゃんも自分の信じるもののために吹いてほしい。」


 /
真由とつばめの回想。
なぜ、真由に吹いてほしいのか。
つばめ「演奏してる真由ちゃんが、本当の真由ちゃんな気がするから。」
 /
真由「そんなに塩送っていいの?。」
久美子「いいよ。負けるつもりはないから!」
 /
ユーフォニアムソリパートの再オーディション。
1番目の演奏。
演奏中、目を開く奏。
2番目の演奏。
演奏終了後、ステージの前に立つ真由と久美子。



 

 /
滝「1番がソリにふさわしいと思った人は挙手を。」
葉月、つばめ、沙里…。
滝「続いて、2番と思った人は挙手を。」
梨々花、みどり、秀一、みれい、奏…。
数を数える弥生「えっと・・・1番と2番同数です。」
麗奈の票がまだだった。
滝「決まりましたか?」


 /
麗奈の中の回想。
麗奈「裏切らない?」
久美子「もしも裏切ったら殺していい。」
 /
麗奈「1番です。」
滝「わかりました。では、1番の方は前へ。」


 /
前に出たのは真由。
滝「では全国大会のソリは・・・黒江真由さんに決定します。」
涙をこぼす奏。みどりらも久美子を気遣う独り言が出る。
手を震わす真由。
部員を見渡す久美子。


 /
職員室でのやり取りの続き。
久美子「先生にとっての理想の人ってどういう人ですか?」
滝「そうですね…”正しい人”でしょうか。本当の意味での正しさは皆に平等ですから。黄前さんはどんな大人になりたいですか?。」
久美子「私は…私もそんな人になりたいです!」
 /
久美子「これが…今の北宇治のベストメンバーです。ここにいる全員で決めた、言い逃れの出来ない最強メンバーです。これで全国へ行きましょう。そして…一致団結して…必ず、金を、全国大会金賞を取りましょう!」
部員が拍手を送る裏で、涙を流す真由、奏、松本。

【結】奏と麗奈

事後、片付け中に麗奈を探す久美子。麗奈は先に「ごめん」というセリフを残して帰った。
奏「何してるんですか!いつもいつもいつもいつも…どうして!貧乏くじばかり引きたがるんですか!?悔しくないんですか!?どうしてそんな…。先輩に吹いてほしかった。」
久美子「奏ちゃんは実力主義派じゃなかったの?」
奏「それとこの気持ちは別です。私だって…最後に久美子先輩と…吹きたかった。でもあんなの見せられたら、前向くしかないじゃないですか…。」
久美子「ありがとう、奏ちゃんは強い子だね。」
奏「強いでまとめないでください。」


 /
麗奈からの”大吉山で待ってる”というメッセージに従い山を登る久美子。
久美子は、山頂で泣きながらうずくまる麗奈を見つける。
麗奈「ごめん・・・ごめん…なさい。」
久美子「どうして…謝ることなんて何もないじゃん。」
麗奈「違う、違う私…」
久美子「1番目の方がうまいと思った。だから選んだ。麗奈は間違って…」
麗奈「違う、違うの!私わかってた、わかっていたの!わからないわけないでしょ・・・。久美子の…音を!」
久美子「後悔…してるの?」
麗奈「やっぱり…久美子は性格悪い。」
久美子「私も吹き終えてどこかで分かってた。音大じゃないって思い始めたときからの迷い、それがわずかでも音に出た。麗奈はきっと聞き分けるって。そして1番を選ぶ。だって…麗奈は…特別だから。きっと曲げない。麗奈は最後まで貫いたんだよ。私はそれが何よりうれしい…。それを誇らしいって思う自分に胸を張りたい。でも、そんな麗奈だから・・・実力で勝ちたかった。それで…最後は麗奈と吹きたかった・・・。私…あたし・・・こんなにも・・・。死ぬほど悔しい・・・。私…わたし、この気持ちも…がんばって誇りにしたい。どんなに離れてても…麗奈と肩を並べられるように・・・」


 /

そして、次の曲が始まるのです。