コーヒーを飲みたがる男の子の話 | 受験コーチ池田潤が教える参考書学習法

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今日、カフェでブログを書いていた

ときのこと。


斜め左前方に、家族連れがいました。


パパ、ママ、男の子、そしてベイビー。


今日の主役は、男の子。


この子が、面白い。


この子の名を、勝手にケースケと名付けよう。


実物の人で、いるような、いないような。


ケースケは、みるからに「わんぱく小僧」。


全然、落ち着かない。


そわそわキョロキョロしている。


ママが「ダメでしょ!」と言っても、


聞かない。


クールな顔をしてMacに向かってブログを書いている私も、


ケースケの動向がすごく気になっていた。


ケースケは言う。


「こーひーが飲みたい!」


おいおい、しぶいお子ちゃまもいたもんだな。


ブラックのコーヒーをすすりながら、そう思った。


「飲めるわけないでしょ!にがいのよ!」


ママは必死の説得を試みる。


でも、ケースケは一歩も引き下がらない。


「こーひーが、飲みたい!」


「オレンジジュースにしときなさい!」


こーひーVSオレンジジュースの激しい攻防は、その後1分程度続いた。


店員は、困ったような顔をしてケースケを見ている。


私は、Macを見ているフリをしながら目の端でケースケを捉えている。


ケースケは、何を言われても


「こーひーを飲む」という決意を曲げない。


見上げた男だ。


そこまで固い決意を持って戦える男は、そうはいない。


ついに、ママも、この一言を漏らす。


「どうなってもしらないからね!」


ママの敗北宣言。


そう、ケースケは勝利を収めたのだ。


揺るぎない信念と、曲げることのない決意を武器に、


ケースケは、己が心の底から欲するものを手に入れた。


『こーひー』を、手に入れた。


そのときのケースケの誇らしげな表情を、私は忘れられないだろう。


数分後。


「お待たせしましたー」


勝利の美酒を持った女の店員が、ケースケの元にやってきた。


ケースケはおもむろに姿勢を正し、


「ふーふー」し始める。


合計、5回はしただろうか。


ケースケは意外にも、猫舌だったのだ。


そして、こーひーのカップに手をつけ、


勝利の美酒に口をつける。


さぞかし、満足だったのだろう。


ケースケは、ひと呼吸おく。





「にげえーーー!!!!!!」


苦悶の表情を浮かべ、天国から地獄へと落とされ絶望した人間のような顔をしながら、


ケースケは叫ぶ。


「まずいーー!!!!!!」


ブラックのコーヒーは、ケースケに

はまだ早かった。


ケースケは、そのことを身を持って学んだ。


こーひーは、にがいのだ。


その後、パパが角砂糖を2個入れて、なんとかケースケはちょびちょびとこーひーを飲んでいた。


私はそのとき、思った。


ああ、これでママが『正しい』となって、これからはママの言う通りにするのだろうな。


これからはオレンジジュースを頼むようになり、


自分がそうしたいと思ったことも、


ママの意見を聞いてから、やろうとするのだろうな、と。


少し複雑な心情になって、


私はケースケから目を逸らす。


その気持ちから目を背けるように、


目の前のMacに向かって記事を書き始めた。


集中して記事を書いていると、


ケースケが、何やら騒いでいるのが聞こえた。


何やら、「デザート」のことでママと言い合いになっているらしい。


ケースケの言葉に、耳を傾ける。


「抹茶パフェが食べたい!!!!」


「…抹茶、か」


なぜか嬉しくなって、


来たときよりも明るい気持ちになって、


私は店を出た。


という話。


この話から、何が学べるでしょうか?


実は、最後の「抹茶」のくだり、これは作り話です。


それまでは、実話。


実際には、彼らが来たのは私が来てかなり経ってからで、


コーヒーのくだりが終わった後、私は店を出ました。


だから、その後どうなったかは分かりません。


抹茶のくだりは、私の希望です。


私が「そうなって欲しい」と思う姿です。


つまり、


失敗を怖れず、飛び込んでみろ!


ってことです。


一回失敗したって、自分の思いを無視するな!


ってことです。


失敗しながら、体感して、どんどんぶつかっていけ!


ってことです。


自分の身で、経験すればいい。


いつだって何かをしようとする人には、


「やめておけ」


「こちらにしておけ」


そんなことを言う人が現れます。


しかし、自分で実際に体験してみなければ分からないことがたくさんあるのです。


体験すること、体感すること。


自分の肌で確認すること。


自分が「そうしたい」と思ったことが、できること。


それは、すごく大事なことだと思うんです。


失敗することだって大事なことで、


そこで体感レベルで経験するからこそ、


分かることがある。


自分の思いを、どれだけ大事にできるか。


失敗することを怖れず、興味あるものに飛び込んでいけるか。


それはすごくすごく、大事なことのように思います。


最後までお読みいただきありがとう

ございます。


今日は、このへんで。


新刊「未来の自分をつくる勉強法」各書店で展開されているので、まだお読みでない方は、よければお読みください。


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