心も体も温かく さいたま市の純米酒専門店「池田屋酒店」の店長、三平の酒飲み徒然草 -5ページ目

激安オーガニックワイン

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先日、東京で開かれた、けっこう大きな規模のワインの試飲会があって、取引のあるインポーターさんも出てらっしゃるので出かけてきた。
 
ヴィナイオータさんとか、トレジャー、eVinoさんなんかのワインを日常的に飲んでいると、もう、いわゆる普通のワインはのどを落ちていかないというか、口に含んだ時点でアウトになってしまうことが多いもんで、この手の試飲会はあまり行く気にもならないし、かつての日本酒の試飲会と同じで、年に1つか2つ、これは! と思えるようなのに出会えたらラッキー、くらいに思っていた。
 
とはいえ、あるインポーターさんは事前に紹介されていて、ここだけは外さないでチェックしておいた。
 
紹介していただいた方の言葉通り、そこはかなりコストパフォーマンスの良い自然派ワインを多く扱っていて、気になるワインも多くあって、それだけでこの試飲会に来たかいはあったんだけど、全く期待していなかったブースのワインが目に止まった。
 
このインポーターさんもけっこうな種類のワインを展示されていたんだけど、その中に「オーガニック認証」というラベルが貼られたワインがあった。
 
ん、オーガニック認証ってことは、いわゆる自然派ワインだよね。SO2もそんなにバンバン使ってないってことだよね。
 
でも、値段が・・・
 
この価格で販売しているオーガニックワインって、ちょっとまゆつばもんだな。
 
と思いながらも、赤2種類と白1種類を試飲してみた。
 
 
 
そしたら・・・
 
良い意味で期待を大きく裏切ってくれた。飲めるじゃん、これ!
 
コクと旨味たっぷりで、香りも複雑な要素がいっぱいあって、香りだけでも楽しめる、とは言わない。それほど旨味の凝縮したタイプじゃない、正直言って。
 
でも、この値段で舌にストレスなくガブガブ飲めるワインなんて、そうは無いぜ!
 
特に赤の樽熟成なんか、やや軽めとはいえ、赤ワインの旨味をけっこう感じるし。
 
白はやや華のある香りがあってスルスルと飲める。
 
 
産地はスペイン。後で調べたらラマンチャ地方のワイナリーらしいけど、この値段で出すんだから、ある程度大規模なワイナリーなんだろうと思うけど、普段飲みのデイリーワインとしては出色の存在感。
 
これはさっそく、と思って翌日このインポーターさんに連絡したんだけど、直接の取引はやっていなくて、どこか問屋さんを介してほしいとのこと。
 
先方から提示された問屋はどこもうちじゃつきあいが無い大手ばっかり。(ってぇか、問屋との付き合い自体、ほとんど無いんだけどね)
 
というわけで、地元でワインを積極的に扱っている問屋さんに扱ってもらうことにして、ちょっと時間と手間はかかったけど、本日、無事に入荷。
 
 
じゃあ、ってことで早速3本栓を抜いて味見。
 
すると、想像していた通りだったけど、試飲会会場の印象とはちょっと違う。
 
そりゃしょうがないよね。純米酒だってワインだって、栓を開けた直後じゃ、まだ充実に味も香りも開いていない。
 
ってことでしばらく時間を置いて改めて味見してみた。この間、だいたい3時間くらい。
 
赤も白も同じ大きさの、やや大きめのワイングラスを使ってぐるんぐるんと回しながらたっぷりと空気に触れさせると、どんどんと香りが立ってきた。
 
白はやや甘やかな白い花を思わせるよな香りがしてきて、味もシャープな切れはありながらも軽やかさの中に旨味もある。
 
赤は柔らかいタンニンでスイスイと飲めるけど、やや軽めかな。でも樽熟成の赤はヴィンテージが違う(樽熟成は2013)せいか、味もまろやかながら旨味も詰まっていて抜群のコストパフォーマンス。
 
この値段なら、ガブガブ飲めるしね。
 
紹介してもらったインポーターさんのワインももうすぐ入荷して来るだろうし、最近は手頃な値段で飲める自然派ワインが増えてきて、一人の飲ん兵衛として有り難い限りです。
 
わざわざヨーロッパまで出かけてワイナリーを訪問してワインをお手つきしてくれるインポーターさんには本当に感謝です。
 
あたしゃ、フランス語もイタリア語も出来ないからね。日本語はなんとかなるから、日本の酒蔵なら自分でコミュニケーションとれるんだけど、ヨーロッパの人とは自分じゃコミュニケーションとれないからね。
 
有り難いもんです。