私の娘、紅梨(クリ)は脊髄小脳変性症の

DRPLA(歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症)

という病気を患っています。

 

脳が萎縮していく病気で、遺伝性・進行性・治療法はありません。

現在は寝たきりの状態です。

 

夫、千秋さんは4年前に、クリに薬が間に合う事だけを祈りながら亡くなりました。

 

現在はCureDRPLAという団体で

治療法開発活動をしています。

 

どうか、DRPLAの治療法が

見つかりますように。

 

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二週間前

クリの車椅子のタイヤが

外れそうになりました。

 

一大事です。

 

クリを施設に預ける前に

絶対に修理しなければなりません。

 

修理の会社に写真を送った所

スタッフが来れるのは今日(19日)と

言われました。

 

右のタイヤが広がっています。

(クリの足が可愛いです)

 

 

この2週間

恐る恐る使っていました。

 

(クリの車椅子はこんな感じ。

これは前回壊れた時の映像です)

 

 

朝、修理の会社から

「必要な部品があるのでメインランドに取り寄せます。

修理はその後になります」と電話がありました。

 

「え、これから取り寄せるんですか?」

 

「はい」

 

またまた泣きそうになりました。

 

もしクリを施設に預ける日までに

車椅子が修理されなかったら

クリを預ける事はできません。

 

「私は5月14日から日本に行きます。

クリは13日に施設に預けなければなりません。

それまでに修理できないと

日本に行かれなくなります」

 

どうして写真を送った2週間前に

部品を取りよせてくれなかったのでしょう。。

 

私が余りに困った声を出していたのか

電話の向こうでゴソゴソ声がして

 

「では一応スタッフが伺ってみます」

 

 

朝からまた心臓がドキドキしてきました。

 

スタッフが来るまでの時間が

永遠のように感じられます。

 

 

2時間ほどすると

男性スタッフから電話がありました。

 

声からして若そうです。

 

「君のコンドにはゲストパーキングはないんだよね?

車椅子を外まで持ってきてくれないかな」

 

なんで外に持っていくのか

意味がわかりませんが

渋々外に車椅子を持っていきました。

 

現れたのは全身タットゥーの

ロコ兄ちゃん。

 

車椅子を歩道の真ん中で

調べ始めました。

      

 

多分路上に駐車した自分の車から

離れたくなかったのでしょう。

 

それにしても

もう少し端で作業したほうが、、

 

歩く人たち全員に迷惑をかけています。

 

でも、そこはハワイと言いましょうか

誰もがニコニコして

ちゃんと避けて通ってくれます。

 

中には「Good job!」

褒めてくれる人もいて

ハワイ、、懐広すぎます。

 

ロコ兄ちゃんが

タイヤを外したりつけたりして5分。

 

「直したよ」

 

「本当!?」

 

「タイヤの接続部分にヘアーが絡まっていたんだ。

よくあるんだよね」

 

「え、髪の毛なの?」

 

自慢そうに歩道の真ん中で

見せてくれるロコ兄ちゃん。

 

 

「だけどさ、タイヤが摩耗しているから

やっぱり部品はオーダーしておこう」

 

「5月中はこのまま使っていても大丈夫?」

 

「大丈夫だよ。

君が日本から帰ってきてから、部品を取り替えよう。

僕は日本が大好きなんだ。

行った事はないけどね。

行きたいんだ〜」

 

何だか拍子抜けしてしまいました。

 

 

兄ちゃんは

最後まで歩道で作業して

ニコニコして帰っていきました。

 

まあ、一時はどうなるかと思いましたが

良かったです。

 

ロコ兄ちゃんに

日本からお菓子でもお土産に買ってこよう。

 

 

明日はもうドキドキする事がありません様に。

 

 

 

  私たち家族のことを書いた著書「OHANA : 家族」の

        オーディオブックはこちら

 

 

明日もいい日になります様に。