変な人の事ばかり立て続けに書いてしまったが
自分の周りには
素敵だなと思う人ももちろんいる
その方達の事もここに綴ろうと思う
2015年の11月
札幌の病院に入院していた時に出会った女神の様に美しい方だ
入院中は手術後に病室が変わるなんてよくある話で
彼女と自分の手術は一日違いで
手術の前は違う病室にいた
手術をしたのが自分が先だったか
彼女が先だったかはもう忘れてしまったが
自分が先に一般病棟に戻っていた
術後、自分も辛い状況だったが
彼女はもっと悲惨な状況だった
カーテン越しに
彼女の心配な様子を伺っていた
術後しばらくは
身体に色々な管がついていて
自分もそうだったが
彼女はもっと沢山の管がついていた
食いしん坊の自分は
術後順調に食事が取れる様になっていった
術後麻酔の失敗と思える原因で
足がぶらぶらだった事以外は
まぁ順調だったと言える
足元にいた彼女は
術後、何日も食べられる状態にならなかった
口からの食事が取れないと弱っていくものだ
カーテン越しに聞こえてくる看護師との会話は
彼女の回復はいったいいつになるのだろうか
もしかしたら回復しないのではないのかと
思うくらい悲惨な状況だった
それでも人の生命力は凄くて
ベッドから降りて歩ける様になり
食事も取れるようになっていった
お互いカーテンを閉めていたので
お互いまだ顔を合わす事はなかった
いつ頃だろうか
少しずつ自然に仲良くなっていった
入院中も強烈なキャラの方が多かったのだが
彼女と自分は
なんとなく通じるものがあり
化粧品が足りないと言った彼女に自分の化粧品を貸したのがきっかけだったか
なんかそんな様な事がいくつかあり
お互い
退院する頃には仲良くなっていた
病棟にいる時は
当たり前だが素っぴんだったが
彼女が外出するのに化粧をした後の顔を見て
美人だったのだ、と驚いた
朝の化粧はヘアスタイルも含めて
『どう頑張っても40分かかるのよ』
と言ったのが印象的だったが
本当に丁寧に身支度をしていた
その友人とは
その後ご縁があり今も付き合いがあるが
美人で品があり頭も良く
ユーモアもある
見た目の美しさだけでない
中から溢れ出るものもとても綺麗だ
自分もこうありたいと思える様な
人として素敵過ぎる方だ
何度目かの入院中、
彼女と自分は病院のロビーでお茶をしていた
病気で命の終わる期限を知って生きるのと
不意の事故で急に亡くなるのと
どっちが良いのだろうねと
そんな事を話しながら
二人で穏やかな時間の中にいた記憶がある
病気をした事がある方は
多かれ少なかれあるだろう
健康な方達からかけられる
言葉に傷つく事もしばしばで
そんな事もお互い共有出来る友人だった
大病のあとの仕事復帰の事も
術後の治療の事も
彼女は周りに流されず
自分の意思を持ち
自分の道を切り開いていった
術後、歩けなくなっていく自分の事も
もの凄く心配してくれていた
退院して
お互いがそれぞれの日常に戻った頃
彼女の病気の再発を聞かされた
自分の事以上に悔しい事で
それを聞いて涙を流した
彼女の
手術と治療は上手くいき
あの再発はなんだったのだろうねというような
元気な美しい彼女に戻っていった
病院の近くに住む彼女は
自分の通院の時は
可能な限り会いにきてくれる
逢うと嬉しくて楽しくて
あっというまに時間が過ぎて行き
別れるときは
お互いうるうると泣きそうになる
同じ時期に同じ病院の中で
病と戦った同士の涙だ
日常に戻る事など
考えられない状況だったのに
お互いちゃんと日常に戻っている
2022年に自分が乳がんになった事を報告した後の札幌通院の時も
飛んで来てくれた
私たち、患者力が高いから
きっと大丈夫よ
と
彼女らしい励まし方をしてくれた
私たち、頑張ったよね
今も頑張ってるよね
と言い合える女神の友人だ
自分の周りにいる
魂のレベルが高いなと思う人達の中でも
彼女はぶっちぎりの方だと思う