形成外科の診察に入ると
いつも通り教授を囲んで沢山居る
今日のメンバーは
教授と形成外科の医師たちと
他院からの応援の医師(女医)と看護師......か.....
『術式と時期を決めかねていたね.....』
と教授がカルテを見ながら言う
自分は
とりあえず仕事が来年3月までは忙しいということがハッキリしたこと
そこまでは手術は出来ない事を伝えた
『いつでもできる手術だからそれは良いけれど
だからやろうっていう決断がなかなか出来ないよね
まぁ診察しようか』
と、手術をしたそうな教授が
なーんだつまらないな....的に言ったのがなんとなく可笑しかった
上半身裸になり
カーテンを開けて診察を受ける
もう皆に見られる事はなんとも思わない
教授『筋肉の萎縮が進んでる.....インプラントだとこれはキツいかもしれないな』
自分『自分で毎日みていても萎縮がわかります。筋トレしても良いですか』
教授『あぁ、もちろんそれはやって問題ないよ
むしろやった方が良いと思う』
他院からの医師『インプラントだと筋肉の下に入れるから筋トレしても良いけれど、自家組織だと筋肉の上に持って来るから筋トレしても大丈夫ですか』
教授『大丈夫、どっちにしても筋肉はあった方が良いから。』
この他院からの女医はいつもなかなか良い質問を教授に投げかけてくれる
教授的には
・乳がんによる乳房摘出術後のあの余計な壊死があったから傷もT字になっていて
更に筋肉の萎縮もあるから出来れば自家組織が良いと思う
・自家組織を持って来て、皮膚も乗せてしまえば傷も綺麗になる
・痩せている身体にインプラントをいれて
そこから更に萎縮が進むと、見るからに『入れました』という状態になって、見た目が良くないという
それならお腹から脂肪を血管ごと持って来てそれを繋いで再建した方が自然ではある
・やはり自家組織での二次一期再建がいいんじゃないかな
・迷っていたから今までは二次二期再建で、インプラントを進めていたけれど
この状態ならやはり自家組織再建で一期再建でも良いと思う
と言っていた
他院から来た女医は
更にそれに付け加えて
今はまだ保険適用ではないけれど、脂肪注入が保険適用になればインプラントを入れて、不自然な部分を補正出来るから
それを待つ事もひとつだという事を教えてくれる
ただ、いつ保険適用になるかは今はまだ全くわからない
再建手術は乳房摘出術と同時にやるつもりだったのだが(一次再建)
思いがけずセンチネルリンパ節へのガンの転移があり、一次二期再建(エキスパンダー挿入後インプラント)の予定は脆くも崩れた
術式がややこしいので一度整理しよう
『一次再建』とは乳がんの手術と同時に行うもので
『二次再建』とは乳がん術後に改めて行うもの
『一期』とは一回の手術で完成させる事で
『二期』とはまずエキスパンダーを入れて皮膚と筋肉をのばし、その後インプラントに入れ換えるか、自家組織にするかとにかく二回で完成させる事をいう
自分は乳がん手術の時にエキスパンダーを入れ、(一次一期術)その後しばらくしてインプラントを入れる予定だったのだが(一次二期術)、センチネルリンパ節に転移があり、エキスパンダーを入れる手術は中止になったのだ
転移があった為に一次再建は不可能になったのだ
二次再建は確定だけれども
その後の術式は好きなように選べる
一期でも二期でもインプラントでも自家組織でもどうにでも出来るからと教授はずっと言ってくれるので
自分の中で迷子になっている
でも
ぼんやりだけれども
自分の中で思っていることは
迷いに迷ったけれど、最初に考えていた二期再建のインプラントにしようとほぼ確定している
そんな風に確定しているのに
今日教授に進められたのは自家組織だった.....ふりだしに戻る的な......
術式については
病院からもらった冊子にもわかりやすく書かれている
こうやって真剣に考えるのも良いと思うし
なんだかんだと楽しい
だって大切な自分の身体だもの
失くした部分をまた作ってもらえるのだもの
充分に考えて再建手術はしたいと思っている
なので、今日も充実した形成外科の外来だった········と、締めくくりたいところだが
またハプニングというかなんというか
診察の時に服を脱いだ自分の身体をみて
教授と他院から来た女医が口をそろえて······
長くなったので続きます