スィーティー | pinocoのブログ

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巨大子宮筋腫、乳がんetc·····
何があっても自分らしく生きる七転び八起きの精神でユーモアを忘れず生きています。

形成外科の外来に入ると


ズラッと学生が座っている


3人......4人......いや、5人か·····6人か

誰が学生で誰が先生で誰が看護師か、

もはや全くわからないが



ま、良いや



若い学生たちに囲まれた教授が

医師の貫禄たっぷりで


患者にとって、この貫禄は安心の材料だなと何気に思う




手術した患部の診察は

相変わらず教授の顔が胸に近いが

それも慣れた




病院だからというのもあるが

こんなに大勢の前で裸になることに抵抗は全くない


慣れというものはおそろしいものだ素晴らしいものだ




さて、肝心の診察内容だが


やはり乳腺外科と違い

形成外科の外来は明るい気持ちになる



乳腺外科で8月にCTとマンモグラフィの検査をすると言われた事を伝えると


★そのCTをみて再建の事を具体的に考える事


★その時に癌の再発転移がないことが条件であること


それらを自分に向けて言い


学生たちには


★多発性の乳がんだったことと

★センチネルリンパへの転移があったので腋窩リンパ郭清をしている事

★本当は手術の時に同時再建するハズだったが

上記の理由で二次再建になったこと


を伝えて自分に向かって

『ねっ』と同意を求め



そしてまた自分に向かって

★肥厚性瘢痕になっている傷が

大分綺麗にはなっているが、もう少しステロイドのテープを貼り続ける必要があること


そして

★広範囲にわたった手術のあとの

筋肉の萎縮が始まっていること


★筋肉の萎縮があると再建の手術がやりにくい事


けれども

二次再建の場合


★手術したところの筋肉の萎縮の途中での再建手術はしない事


それは

患部の状態が固定してから再建するということ



★乳腺外科の先生が『もう良いよ』、とGOサインが出てから再建する事(乳腺外科の医師は再建はいつやるの?といった感じなので、ちょっと温度差を感じる)



と、いつものようにしっかりと説明をしてくれる




旭川での乳房再建手術はまだまだメジャーではない


病気を取ってしまうだけの治療が根付いているようだ




教授は

旭川ではまだまだ乳房の再建が出きる事を知らない人が多いのだよね、と言い


乳房再建は、乳房を取ってから何年後でも可能なんだとも、力強く学生たちに話している




こんな素晴らしい医療は

もっともっとメジャーになると良いなと自分も思う



そしてこの教授のおかげで今の自分がいる

この医師が術後の傷の異常を見つけて処置をしてくれたのだ




術後、あのままずっと『様子を見ましょう』、だったなら

傷の壊死が進んでいて

命もなかったかもしれない


乳ガンの手術をしたあと敗血症で死ぬという

そんなストーリーになっていたかもしれない



世の中は色々な事がある

日々、様々なストーリーが生まれている



ガンにならなければ経験出来なかった事もある


今となってはガンに感謝すら覚える





さて、今日の形成外科の外来で気になって仕方がない事がひとつあった






教授がおもむろに


『スィーティー·····』


と口にしたのだ



ん?スィーティー?


きっとあの場にいた皆の頭に?が浮かんだ事だろう



『スィーティー·····』


教授はまたその不思議な単語を口にする


そしてまた皆の頭に?が浮かび

教授の次の言葉を待つ




『スィーティーを見せてもらってからこっちも色々考えるね。

例えばね、これ術前のシーティなんだけれど』


·········真顔


『スィーティー』=『CT』か笑い泣き


なぜスィーティーと言うのか

しかも、とても言いにくそうだし

言い慣れていない感がある

しかも最後は『シーティ』だったし笑い泣き


ちょっと言ってみたかったのだろうか



自分もそこから英語で返事をしてみれば良かったのだろうか


教授の発言の前後の流れからいうと

『シーティー』という方が明らかにしっくりくるし、『スィーティー』は明らかに浮いている



前々からこの教授の発言が

ルー大柴に似ていると思っていたし、このブログでも何度も書いているが


今日もしっかりルー大柴だった



形成の外来が明るい気持ちになるのは

診察の内容もあるが


そもそもこのルー大柴チックな教授の存在がそうさせているのかもしれないなと


ぼんやり思った




入院中、同室で仲良くなった方と

病院の食堂でランチをする




次の乳腺外科と形成外科の外来は3ヶ月後



どうかガン細胞が

ずっと大人しくしていてくれますように