もう消灯の時間だ
今日はものすごく嬉しい事があった
嬉しいというか
自分の言っていた事の証明というか
自分が言い続けて来たことが
間違っていなかったことを
裏付けるような
そんな事があった
冤罪が晴れたような
霧が晴れたような
スッキリとした気持ちになった事があった
詳しい事を言うと長くなるので
簡単に書くが
麻酔科の医師の聞き取りのときに
過去の麻酔について聞かれて話した事について
医師がこう言った
『ん ····
おかしいですね
その後の症状を聞いても
打った麻酔の針の角度が悪く神経に影響を与えたとしか思えない
もっと病院側に
ミスを言い張っても良かったと思いますよ』
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7年前の手術のとき
硬膜外麻酔で足がぶらぶらになった
硬膜外麻酔を打った瞬間右の足に痛みが走り
訴えは聞かれずそのまま全身麻酔をかけられ
麻酔から醒めると右側の足がぶらぶらになっていたのだ
全身麻酔を続行されたときに
やられた·······と思いながら意識が薄れていった
手術後は院内では歩行器を
退院後は車椅子や杖を使っていた
麻酔科の医師と神経科の医師は
硬膜外麻酔のミスを否定し
気のせいだと言い張った
手術をした婦人科の主治医は
『おかしいと思うことは言い続けたほうがいい』
と、なぜか言ってくれた
その後もそれがおかしかったといい続けるも
病院側はミスを認めなかった
弁護士に相談したが
状況的に証拠が少なく不利だった
弁護士が教えてくれたが
病院側についている弁護士はあの手この手を使って病院に有利な方向へ持っていく
患者が亡くなっていたらまだ勝てる見込みがあるが
生きていると更に難しくなるのだそうだ
病院側としての戦略は
病院のミスは
患者の精神的なモノにして闇に葬るのだ
闘うにも長期的なものになるし
その分費用もかかる
そう聞いて
病院のミスを責めるより
自分の足の回復に力を注ごうと思った
弁護士のアドバイスで
カルテの開示請求をし
本気度を見せたら
病院側が急に丁寧な対応になったのを覚えている
そしてあらゆる努力を重ね
杖なしで歩けるようになり今に至っている
今は
そんなことも過去の思い出に変わり
笑い話に出来るくらいになっていた
しかし
今日
目の前にいる麻酔科の医師は
笑えないです
恐いことです
と言い
大変な思いをされましたね
と声をかけてくれ
更にその当時の医師が
今、この大学病院に関わっていないことの確認をしてくれた
そして
明日は安全に麻酔をかけますから
安心していてくださいね
と言ってくれた
7年たった今
無実の罪が証明されたような気持ちになった
変だといい続けて来たことが
間違えではなかった
麻酔科医の言葉は
涙が出るくらい嬉しいものだった
ガンは嫌だけれど
ガンのお陰で救われることもあった
全ての出来事には意味がある
そう思える入院一日目の出来事だった