2017年11月21日───編み物検定授賞式
羽田空港まで横浜に住む従姉妹が会いに来てくれ、笑顔のランチタイムを過ごす
自分の恰好を見て、「寒くないの?」と従姉妹はモコモコの恰好で聞いてくる
反対に、「暑くないの?」と聞き返す
久しぶりの再会にあっという間に時間が過ぎ、
バスでホテルがある新宿へ向かう
バスタ新宿へ向かうはずだったのに、なぜか新宿西口までのチケットを購入してしまうが、新宿西口で降りてもまだ間違いに気付いていない
ホテルは新宿駅の中央東口付近だ
景色を眺め、方向だけは確認してホテルがあるだろう方向へ歩き出す
アルタが見える交差点まできて、どうやら違う場所を歩いているぞと気付く
下肢の痛みもそろそろ出てきた
さらにスマホの充電がなくなりそうになり、これはまずい事になったぞと思い、ホテルに電話をして無事にホテルにたどり着く
ここで初めて、そもそもチケットを購入する所からバスの降車場所を間違えていたことに気づくが、子供の頃からテレビでみていたアルタの前を歩けた事が嬉しくてたまらなかった
自分の体とスマホを充電し、楽しみにしていた新宿末廣亭へ向かう
ホテルから自分の足でも15分あればいける距離で、こちらは迷うことなくたどり着く事ができた
3時間ほど寄席の世界にとっぷり浸る
相撲の落語がツボにハマり、可笑しくてたまらない。さくらのようにケラケラと声を出して笑ってしまう
生の落語はやはり素晴らしい
授賞式当日
晴れた
会場に向かう前に明治神宮へ参拝へ向かうが、初めてきた明治神宮がこんなに広い事に驚く
どこまでも続く参道を歩いていると途中で下肢の痛みが強くでてきた
授賞式のリハーサルの時間も迫ってきている
これはまずいぞと思い引き返す事にする

本殿まではたどり着く事ができなかったが、神様からの歓迎のサインをしっかりと受け止める

参道の脇の道に抜ける手前の空
一礼をして、ここを抜けたあとにたいした風もないのに木々の葉っぱ達自分に向かって舞い降りてくる
下肢の痛みはあるが、大丈夫と思わせてくれる力をいただいた明治神宮でのひとときだった

さぁ、会場に向かおう
原宿駅から代々木公園駅まで電車にのり、会場はもう少しだ
あちこちに看板がちゃんと掲げられているので迷いようがないなぁ・・・と安心して歩く
東京の空は小さいけれど、いつもの癖で空を仰ぎ見ながらゆっくりと歩いて行く

途中で下肢の痛みがますます強くなり、タクシーを拾おうと探すが見当たらない
ゆっくりゆっくり歩き、たどり着く
リハーサルまで1時間
昨年この授賞式で知り合った方とここの喫茶店で待ち合わせをしている
時間は特に決めてはいなく、「授賞式の前に出逢ったカフェで逢いましょう」と約束をしていた
九州と北海道の二人は、カフェの前でバッタリと笑顔の再会をした
目からは嬉し涙が流れ出す

授賞式の最後に謝辞を述べる事になっている自分だけれども、緊張よりも再会の喜びでいっぱいだった
「受付したら洗剤いただいちゃったけれどいいのかなぁ」
といいながら笑顔の再会の
24年ぶりの友が駆けつけてくれる
旭川から日帰りする受賞者の方も無事に授賞式に間に合い、安心の笑顔
受賞者も役員の先生方も、皆、編んだものを素敵にさらりと身につけている
あっちを見てもこっちを見ても
わぁ~素敵だなぁ~!だらけの光景であった
リハーサルが終わり、いよいよ本番の授賞式の前に喘息の咳が出始めていた
吸入をして、お手洗いで用を足したときに持っていた龍角散の飴をなめようとして、包み紙のまま口に運んだり、手を洗う時に出したハンカチをなぜか蛇口の下に置き、べっしゃりと濡らしたり・・・・
緊張していないと思っていたが、実はかなり緊張しているんだな・・・・と自分の行動に可笑しくなった
授賞式が始まり、会長の中山先生のいつも変わらない凜とした清楚な可愛らしい所作と、
格好いい秦先生の斬新な出で立ちについついみとれてしまう
ぼーっとしている場合ではない、礼の順番等をしっかりおさらいしておかなければ、とハッと我に返る
授賞式の最後に謝辞を述べる
編み物検定の3年間は病気との闘いと切っても切り離せない3年間だった
そんな自分をしっかりサポートしてくれた旭川支部の池田先生への感謝の気持ちを述べるところにさしかかると、涙がでてきて一瞬声が詰まってしまう
まずい・・・、泣き崩れるかと思ったが、目の前に立っている中山先生の微笑みに励まされ、
いやいやしっかり述べきるぞ!と自分に渇を入れ、無事に(?)述べ終わり、席に戻ると、隣の席の方の目にも涙が溢れていた
その涙を見てまたさらに泣いてしまい、何で泣いているんだとお互い泣きながら笑っている
授賞式が終わり、色々な方から声をかけていただいた
自分と同じように病気と闘いながらこの検定に挑んでいたという方もいた
それぞれ皆、笑顔の裏で色々な大変な思いや苦労をしながら日々過ごしている
しかし、そんなことはいちいち口に出して周りに知らせる事などしない
したところでそれがどうにかなるものでもないからだ
そんなことは皆百も承知の上でじっと自分の身の上に起こっていることと向き合い、それぞれが闘っているのだ
自分が述べた謝辞の内容がそんな皆さん達の状況と重なり合ったようだった
声をかけて下さった方も自分も何だかわからないけれど笑いながら泣いていた
編み物をしている時、色々な事を考える
考えるうちに集中して無心になり
雑念がすーっと消えていく
編み物は坐禅と同じ効果がある、と書いてある雑誌の記事もつい最近読んだ
一枚のコインに表と裏があるように
人生は良いこと悪いことが必ずある
編み物を通してこんな素晴らしい出逢いが広がった
やっぱり編み物は素晴らしい
3日間しっかり留守番をしてくれていた
大切なぴの
ただいま
留守にしていた間郵便物に紛れて何やら荷物が届いていた
開けてみると、雑誌の懸賞に応募していた物が当選してそれが届いていたのだ
不思議だが、その葉書を出すときから「当たる」と思っていた
色々な事を諦めないで良かった
行動する事で必ず何かに繫がる─────
日々の闘いはまだまだ終わらない
生きている限り終わることはない
けれども
その闘いは誰も傷つけることのない
有益な闘いで
生きるということは
日々の学びの中にいることで
2015年に発症した巨大子宮筋腫は
自分に大きな学びの時間を与えてくれた
これからも
きっと色々なことがあり
色々な人と出会い
色々な闘いはあるだろう
どんな時もどんな状況に陥っても
自分らしさを忘れずに
生きていく
病気に負けずに
夢を忘れずに
生きていこう
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『子宮全摘術後の闘い』のタイトルで書いた138記事の最終回と致します