少しの間調子が良かった自分だが、先週の木曜日の夕方頃より右下腹部に鈍痛を感じ、更に全身の倦怠感も酷かった
その数日前から激しい下痢もしていたので、こうなる事は想定内ではあったのだが、まさかここまで酷い症状に襲われる事になるとは微塵も思っていなかった
先週の金曜日────
右下腹部の痛みが、右脇腹、さらに右背中まで広がっていった
しかし、まだどうにか真っ直ぐ座っていることができた
循環器内科の先生から以前もらっていた、お腹の漢方薬を二種類と、痛み止めの漢方薬を飲むが、痛みで寝付けない
札幌の婦人科から出してもらっていたカロナール500を飲み、ようやく痛みが緩和し眠ることができた
先週の土曜日────
朝から右下腹部に同じ痛みがある
どうにかぴのの世話と掃除・洗濯を終わらすが、どうにもこうにも立っている事が出来ない
起き上がっていること自体キツい
吐き気と冷や汗も出る
右下腹部───手術をする羽目になった病気がわかったときと同じ場所が同じように痛みが出ているため、かかるべき病院は札幌だ
しかし、起き上がっていることすら困難な自分が札幌に行くことは不可能だ
うずくまった状態のまま、どうするべきか考える
まずは、この症状を取り合ってくれた旭川循環器内科の先生が出してくれたお腹の漢方薬をのみ、様子をみる
更に吐き気もあるので、吐き気止めも服用し、痛みを和らげるYouTubeの音楽をイヤホンで聴き、じっと検定のテキストとにらめっこをする
痛くない、痛くないと、脳に言い聞かせる
検定の勉強に集中したら痛みを忘れるかと思ったが、やはり痛い
便が出る気配があり、その度に右下腹部に激痛が走る
トイレに行くと右下腹部の激痛と共にほんの少しの下痢便が出る
そして、うずくまるようにしてお腹を押さえて検定のテキストとにらめっこをする
冷や汗が出て吐き気もする
この繰り返しがエンドレスに続く
さっぱり治まらない痛みに
これはまずいかも・・・
と思い始め、やはりどこか病院にかかるべきだな・・・・
と考えた
今までの事もあるので、札幌の婦人科にかかるのが一番だと思ったが、この状態で札幌まではとうてい無理だ。万が一行けたとしても、入院になることは間違いないだろうと判断し、次の候補を考えた
家から近い内科のクリニックはかかったことがない。イチからの説明はしんどいし、婦人科の手術の事を言ったときに、はたして受け入れてくれるのかもわからない
リハビリ訓練でかかっている内科の先生は
「僕はわからない」と言うだろうし、どのみち土曜日は当直の先生が診ることになるだろう・・・そして以前の経験から、その先生はおそらく、
「担当の先生と相談してね」
と言うことだろう・・・だめだ・・・
やはりここは今まで親身になり、手術後の対応の事をおかしいといってくれ、でも、そんなことより辛い症状に対してしっかり話しを聞き、対応してくれている旭川循環器内科へかかるべきだと思ったが、そこは車で30分ほどの距離だ
しかも、その時、車は母親が美容室に行くのに朝早くから使用中だった
病院は土曜日は午前中で診察が終わってしまうのでそれに間に合う感じでもない
もし車があったところで、はたしてまともに運転出来たのかどうかはわからないので、車がなくて良かったのかもしれない
勉強する事をやめ、横になり痛みをやり過ごすしかなかった
横になった途端、気が抜けたのか更に痛みが増していった
病気が発覚した時のことがまた頭をよぎる
あの時も激痛が同じ右下腹部に走り、痛みで気を失いかけていた
後で救急車を呼んでも良いレベルだと先生に言われた事を思い出す
今は救急車を呼んでもいいのだろうか?・・・いや、意識があるからまだ呼ばなくても大丈夫だ
昼過ぎに治療院の先生が母親の訪問施術に来たのが遠くに聞こえた先生の声でわかったが、起き上がる事も出来ずにいた
対処療法として、以前の経験から温める事が有効だとわかっていたので、部屋の気温が30℃もあったけれど、右下腹部と背中にカイロを貼り、頭には保冷剤をのせた
ぴのが構って欲しくてぎゃっぎゃと騒いでいる声が遠くに聞こえていた
痛みを我慢しすぎて疲れたせいなのだろうか、お腹を温めたから楽になったのだろうか
少し眠ったようだった
一時間ほど眠ったあと、右下腹部を誰かにぎゅーっと握られてるような痛みは続いているものの、さっきよりは少し楽になっている
まだ右下腹部を捕まれている痛みの感覚はあるが、どうにか立って歩けている
その後17時からの予約の治療院へ向かう
治療院の先生は様子を一目見て具合が悪い事を察し、お腹の症状にあった灸と鍼をしてくれる
一気に楽になり、更にその後のマッサージでかなり楽になる(軽く触られただけだったが、身がよじれる痛さだった)
施術が終わり、大分楽にはなっていたが、やはり右下腹部から横っ腹、背中にかけて、ぎゅーっと握られてる感じの痛みがある
痛みを我慢し続けるということは体力を消耗するものだ、もう体はヘロヘロだ
なのにお腹は痛い
痛み止めのカロナール500を飲んだ
あれだけ痛みが続いていたお腹から、すーっと痛みが消えていった
その瞬間眠りについたようだった
次の日の日曜日───
起きた瞬間おならが出る
右下腹部の痛みはまだあるが昨日よりは楽になっている
痛みを我慢し続けたせいか、とにかく体がしんどいが、もうすぐ開催される展示会の準備をし始める
座って作業をしていたのだが、起き上がっていること自体がしんどい
どうにか午前中で区切りのいいところまで終わらせ、検定のテキストを広げてみたが、しんどいので横になる
歴史の暗記をしていたのだが、
どうやらそのまま寝てしまったらしい。
便を漏らす夢を見て起きた自分は、寝ぼけて
「シャワーを浴びなきゃな・・・」
と思いながら、右下腹部の痛みと体の怠さでしばらく動けずにいた
頭がはっきりして、便を漏らしていたのは夢だったことにホッとする
右下腹部の痛みを我慢したときに力が入っていたためか、左側の頭が痛く左目の眩しさもあり、偏頭痛の症状がでてきた
夜中に今度は頭の痛みで寝付けなく、カロナール500を飲む、わかってはいたが偏頭痛には効かない
それでも痛みで疲れ切っていた自分は痛みを止めるYouTubeを聴きながらいつの間にか眠ってしまう
週が明けた今日───
右下腹部のずっと握られているような異常な痛みは緩和したが、体がこわい
昨日からの偏頭痛は相変わらずで、吐き気と左目の眩しさもある
ぴのの世話と、掃除・洗濯を終わらせて、まずは車で30分ほどの旭川循環器内科へ向かう
問診の看護師に数日前のお腹の痛みの事を伝え、編み物をしながらしばらく順番がくるのを待つ
相変わらず混んでいて、70過ぎた医師は忙しそうに走り回っている
その多忙な医師は、2カ月ぶりに診察室にはいった自分の顔をみるなり
「おお、あんたか、誰かと思ったが、嬢ちゃんだったか・・・」
と、まるで自分を娘か孫のような感じで呼ぶ
ここ数日のお腹の痛みの事を言うと
「それはつらかったなぁ・・」
と、いつものように独特のイントネーションで返してくれる
昭和な作りのクリニックの70過ぎたこの医師のところにはいつも患者でいっぱいだ
患者に寄り添う医師の人柄がそうさせているのだろう
もともとの性格なのか、70過ぎた年齢からなのか、前に言っていたことをよく忘れていたり勘違いする事も多いが、こちらがちゃんと言えばそうかそうだったか、といって対応してくれる
もちろん、時々みられる患者の緊急時の対応もしっかりしている
医師としても人としても信頼できる
ちょっとお茶目な感じのところもとっても好ましい
札幌の婦人科から送られてきていたホルモンの検査結果を見せると、コピーし、お腹に効くと出してくれている漢方薬は更年期にも効く薬
だから、それでしばらく様子をみようと言ってくれる
市販のガスピタンが効いた事をいうと、ガスを出す薬も出してくれた
一人の患者のひとつの症状だけではなく、体全体で捉えてくれる
それが自分の専門分野外の事であっても、そうかそうかと耳を傾けてくれる
昔はこんな町医者が沢山いたものだ
この医師にどれだけ救われたことだろう
この時代に出逢えた事に感謝したい
70過ぎのこの医師の健康を願わずにはいられない
循環器内科のあとは車を走らせていつもの整骨院へ行く
整骨院では左側の偏頭痛をとにかくどうにかして欲しいと言う自分に、いつも以上に丁寧に全身の施術をしてくれる
悪いところの施術は痛すぎて声も出ないが、首から背中にかけての異常な凝り、腰から足にかけてのむくみがこの先生の施術で楽になる
偏頭痛の芯が残っていたので、しばらく部屋でぴのと時間を過ごすが、だらだらしてしまうので勉強道具を持ってスタバに向かう
偏頭痛にはコーヒーがいい
先週からの右下腹部のあの痛みが嘘のようだ
体の怠さと若干の腹痛はあるが、いつものスタバに座っていることができる
いつもの平和で幸せな時間が流れていく
人生はいつなにが起こるか誰にもわからない
だから毎日精一杯生きる
大切な時間をごきげんな笑顔で過ごしたい
お腹が痛かったあの日の美しい夕空
時間は皆に平等に流れていく────