2017年6月20日(火)
札幌の総合病院婦人科受診日
鳥たちが一番活発になる朝
早起きをして家を出た
澄み渡る夏の空
去年の今頃は入院の為にここに来たっけ
まだリハビリにもかかれていなく
どんどん歩けなくなっていっていたっけ
モンスターもみの木も
相変わらずここでみんなを見守っている
目に見えないけれど、
きっとここにはみんなの色々な想いが集まっているだろう

主治医の診察室に今日は違う医師の名前が掲げられている
なんと、それは大好きなスーパーマンS先生の名前だ
主治医のO先生のことをもちろん信頼しているし、最初、O先生をめがけてここに来た
でも
なぜか長く繰り返される入院の中で、一貫して自分の足の症状に真剣に向き合ってくれたのはスーパーマンS先生だった
手術の腕はピカイチだが性格が厳し過ぎると渋い評判のS先生だが、自分はなぜかなんでも言えたし気が合った
最後に退院した去年の7月、手を取り合って涙を流し、「ありがとう」と言ったのはО先生ではなくこのスーパーマンS先生だった
「絶対歩けるようになるから。絶対大丈夫だから」
そう言ってくれたのもここではスーパーマンS先生ただ一人だけだった
ここで知り合ったとびきり美人の友人に
「あの先生とそんなに気が合うなんて考えられない。主治医を変えてもらったら良いかもね」
と呆れられた話しでもある
もちろん主治医のO先生にもきちんとお礼の言葉は述べたが、外来でまた逢えるという気持ちがあったためか、「じゃあ、また」という感じであった
スーパーマンS先生は入院していれば回診で逢うこともあるが、退院してしまうとそういうわけにもいかない。
そのスーパーマンS先生の名前が掲げられているのだ
事件だ
診察室に呼ばれた
スーパーマンS先生の名前が掲げられているドアが開けられる
思わず
「え?ここ、S先生の部屋でしょう?」
と看護師にいうが、その看護師は不思議そうな顔で
「そのまま診察室に入って良いですよ」
という
部屋の中にはこれまた不思議そうな顔のO先生が座っていた
「あれ?S先生の名前だったから診察室間違えてるかと思ってた」
というと、O先生は、いつもの穏やかな口調で
「もう昼になるけれど、今までそれを言った患者さんはいなかったよ。すごい観察力だね」
と笑っていた
内心S先生に逢えるかとワクワクしていたことは内緒にしておいた
次の受診は9月だ
とびきり美人の友人が駆けつけてくれる
病院の中の食道で楽しいランチタイムのひとときを過ごす

お互いの近況報告をしあい、
普段はしないここでの入院を振り返る
友人は自分の編み物コーチの仕事にびっくりするも、喜んでくれる
私たちのここでの辛い闘いはもう終わりにしたいね───
いつもの同じこの言葉が出る
入院生活が終わり、お互い前に進んでいっている
1年前にはこんなことが始まるなんて思っていなかった
そんな自分の手の中にはいつも編み物があった