3月の半ばだというのにしばれた朝
ぴのと一緒に歩く朝
ちゅん、ちゅん、と元気な野生の鳥の声が聞こえる平和な朝
ぴのにも教えてあげた
2017年3月11日
テレビやラジオはどこも震災の報道が流れていた
震災があった日と同じ日の昨日、ぴのが亡くなった
自分の手のひらの中で息をひきとった
危篤状態から一週間、頑張っていたが、昨日の朝から様子がおかしかった
すぐにまたお店につれていき、大丈夫だよと言われ、ほっとしてかえってきた
店主の言葉に安心するも、やっぱりいつものぴのさんと何か違った
自分はいつも以上にぴののそばにいた
一時間ほど出かけて帰ってきたら、ぴのがいつものように近寄ってきたので、手のひらに乗せた
今朝から足の力がなくなっていた
自分の帰りを待っていたかのように
その30分後に手のひらの中で息をひきとった
たった二ヶ月の命だった
自分のところに来て1ヶ月だった
悲しくて、涙も鼻水もとまることなく流れ出した
鼻水がぴのに流れ落ちた
ぴのをなでながら、ずっと泣いていた
ぴのが笑った顔をしているのに、
自分はずっと泣いていた
ぴのを持ったまま何時間泣いただろうか
目が開きづらくなるくらい泣いた
途中、ぴのの魂がスッと体から抜け出したのがわかる瞬間があった
自分はぴのにさいごに何をしてあげれるだろうかと考えた
ぴのが亡くなってから顔は拭いてあげていたが、最期にあげていた栄養剤でべたべただった
ぴのはまだ水浴びをしていなかったな・・・と思い、自分でも普通じゃないということはわかっていたが、ぴのと一緒に水浴びをした
ドライヤーで乾かしてあげるともとの綺麗な蒼く光る白色のふかふかなぴのに戻った
ぴのは嬉しそうに笑っている
そして、
アクロバット状態で飛び回っていたゲージを綺麗にしてあげた
お風呂場で全部ゴシゴシ洗ってぴかぴかにした
レイアウトも全部戻した
ぴのにひとつひとつおもちゃをみせてあげるとさらに嬉しそうな顔になった
ガーゼでくるんだぴのをゲージの前にねむらせると、ぴののお気に入りの場所にあったおもちゃだけゆらゆら揺れた
しばらくゆらゆら揺れていた
ぴのが遊んでいたのだろう
夜通し起きていようと思っていたのに、うとうととしてしまった
死んだぴのが生き返る夢をみて、目が覚める
横をみると、ぴのが眠っていた
またうとうととして夢を見た
死んだぴのが生き返って、今度は元気に鳴いていた
目が覚めて横をみると、やっぱりぴのは眠っていた
笑った顔で眠っていた
ありがとう ぴの
よく晴れてきーんとしばれた3月の朝だった
ぴのの旅立ち
ありがとう ぴの
ぴのとの1ヶ月は宝物
ありがとう ぴの
大好きよ