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フィルムカメラのジャンク品をウォッチング

月山弥陀ヶ原


E-410に遅れること2カ月。オリンパスは、初の手ぶれ補正機構を搭載したE-510を発売します。
私は、望遠やマクロを多用していたので、半分以上は手ぶれを起こしていて使い物になりませんでしたから、この手ぶれ補正機構は魅力でした。

性能的にはE-410とほぼ同等で、それに手ぶれ補正を追加し、少しサイズを大きくした、非常にオーソドックスな形のデジタル一眼でした。
「手ぶれ補正はいいよね」などと、息子と話していたのですが、そうしたら私の誕生日に息子がこのカメラをプレゼントしてくれたんですね。うれしかったなあ。


形は平凡でどこと言って特徴のないカメラでしたが、E-410ほどチープな感じもなく、大きさと言い、重さと言い、ホールド感や操作性などどれもちょうどいい、と言う感じなんです。
こう、手にした時のバランスがいいというか、いかにもフォーサーズの一眼レフと言う感じです。

また、これには、18-180mmの10倍ズームがよく似合うんですね。
すっかり気に入ってしまって、ちょっとした散歩や買い物などに出かけるときは、いつも持ち歩いていました。
18-180mmのズームは、これ一本装着しておけば、大概の写真が撮れるので便利。しかも非常にコンパクトにできていて、持ち歩きもあまり苦になりません。常用レンズになっていました。


しかし、近所の干潟で野鳥を撮り始めてから、180mmでは足りないと思うようになり、もっと長いレンズが欲しくて、試しにOM-1で使っていた70-300mmのレンズを、わざわざマウントアダプターを購入して(結構高かった!)、使ってみたところ、野鳥との距離感がぴったり。しかもこの300mmというのは、野草の小さな花を撮るときにも、ボケ具合などがちょうどいいことに気が付きました。
ただ、このレンズは昔のアナログレンズなので、絞りもピンともすべて手動になってしまい面倒です。
たまたまビッグカメラでカメラを見ていたら、オリンパスに70-300mmのズームがあるではありませんか。値段もたしか5~6万だったと思います。思わず衝動買いしてしまいました。

このレンズをE-510に付けて見ると、レンズがやはり大きすぎてバランスが悪く、お世辞にもカッコいいとは言えない。しかも300mmだといくら手ぶれ補正が付いているとはいえ、手持ち撮影は無理なのではないかと思っていました。

しかしここで、このE-510の手ぶれ補正が威力を発揮するんですね。ISO400にすれば、手ぶれしていない率約70%。E-410では180mmでもうほとんど手ぶれしていたので、これは驚異的な数字です。
※フォーサーズはノイズが出やすいという弱点があるため、E-330ではISO200が、ノイズの出ない限界だったような気がします。

18-180mmに代わって、この70-300が私の常用レンズになってしまいました。
そうなると、ワイド側が留守になり、風景などは撮れなくなります。散歩に行く時なども、いちいちレンズを交換するのも面倒なので、E-410に14-42mmを着けて、E-410は首からぶら下げ、E-510は肩にかけて散歩に行っていました。


E-510_1
▲E-410をひとまわり大きくした感じ。オリンパス初、ボディ手ぶれ補正機構を搭載。

E-510_2 E-510_3

▲平凡な形だが、サイズ、重さ、持ちやすさ、操作性などちょうどいい感じで使いやすい。

E-510_5 E-510_7

▲液晶はかなり解像度が高いようできれいだ。グリップが大きめだが、ここに手ぶれ補正のメカが組み込まれているらしい。

E-510_6

▲操作ボタンはわかりやすく、操作もしやすい。液晶が固定で、ローアングルが苦しいのは残念。



ところが、これが結構重労働で、すっかり肩が凝ってしまい50肩(60肩?)がひどくなったので、とうとうデジタルコンパクトカメラにまで手を出すことになってしまうのですが、この話は明日また。


夏霞


キャノン、ニコン、ペンタックス、フジといった大手カメラメーカーがデジタル一眼レフ市場に出そろった頃、2006年、コニカミノルタはデジカメに遅れて参入したこともあってあえなく撤退、αシリーズはソニーに引き継がれます。
一方、オリンパスは、あくまでもフォーサーズを押し通し、パナソニックに技術を供給しながら、フォーサーズを守り通そうとしていました。

そんな中で登場したのが、E-410でした。


E-410はフォーサーズの利点を十分に生かし、世界最小、最軽量、最薄のカメラとして登場してきました。
どんどん大型化していくデジタル一眼レフの中で、その小型でまるでOMシリーズを見るようなデザインは目を引きました。


欲しかったんですねぇ。
これは絶対人気になって品薄になると思い、予約までして買ってしまいました。


たしかに小さく、薄く、軽く、カッコよかったのですが、どこか、何かが違うんですね。
画素数は1000万画素とE-330よりも多く、スペック的にはすべての面で、私が当時持っていたカメラの中では一番すぐれていました。
もしこれが昔のOM-1のように、すべて金属でできていたらまた印象も違ったのでしょうが、しかし、いかにもプラスチックという感じで、持っていてもあまり楽しくないんです。


ちょうど息子が中古のE-1を買ってきたときなので、持ち比べて見たのですが、もう、見た感じ、手触り、持った感じが全く違います。さすがにE-1は、高級感が漂っています。


小型化するためにグリップもほんのちょっと膨らんでいるだけなので、大きなレンズを付けた時には、しっかりホールドすることができず、しかも、ストラップの金具が、ちょうど手で握った時に中指にあたって、痛いのです。
長時間持っていると、指のところが赤く凹んで、痣になり痛みが数日間取れないんですねぇ。


すぐ飽きてしまって使わなくなり、その後E-510を購入した時に、妻にあげてしまいました。


初めて後悔したカメラです。


E-410_1

▲大きさ、薄さはほぼOMシリーズ並み。ボディの重さは370グラムしかない。写真のレンズはolympus zuiko digital18-180mmの10倍ズーム。レンズが大きすぎてこのカメラには似合わない。

E-410_2 E-410_3

▲ペンタ部が小さいのもOMシリーズに似ている。

E-410_4 E-410_5

▲操作ボタンもわかりやすく、画質もそれほど悪くはないのだが・・・

E-410_6

▲右側のグリップに付いているストラップ取付金具の位置が悪い、指にあたって痛くて長時間は持っていられない。



アメリカデイゴ


オリンパスデジタル一眼のE-1は、非常に魅力的なものでしたが、価格がボディだけで20万円を超え、標準ズームレンズ付けると30万円にもなる高価なカメラで、どうあがいても手が出ません。
指をくわえて見ているだけでしたが、2005年、オリンパスは、E-300というユニークな形で10万円を切るカメラを出すんです。
これなら買えるかも、と思いつつも、悩んでいたところ、その1年後にE-330というカメラを出すんですねえ。


E-330で驚かされるのは、デザインはE-300を少し丸くしたような、一眼レフなのにペンタ部がないという非常にユニークものなのですが、それよりも、世界初のライブビューが搭載されたこと。
常に液晶画面で画像を見ながら撮影できるのです。いまではまあ当たり前のようになっていますが、当時は画期的なことでした。
当時の一眼レフは、液晶は画像を確認するだけのもので、構図を決めたりピントを合わせるのはファインダーを覗きながらしかできなかったのです。
E-330は、さらに液晶画面が動くので、ローアングルやハイアングルも楽で、野草の撮影にはうってつけでした。
ダブルレンズ付きで、たしか13万円程度。迷わず購入しました。


オリンパスのデジタル一眼カメラには、とても魅力的な特徴がたくさんあります。


まず、一眼レフにフォーサーズ規格を持ちこんだこと。画質と性能を両立し、将来的にもカメラやレンズを小さくできるというメリットがあります。


また、ダストリダクションシステムも他社にはない機能で、センサーにゴミが付くのを防止するものです。
これは非常に優れたもので、他のデジタル一眼では、必ずセンサーにゴミが付いてしまって、クリーニングに出したと言う話を聞くのですが、私が持っているオリンパスのカメラでは、これまで、一度もクリーニングなどに出したことはありません。


E330_3

▲一眼レフなのにペンタ部がないデザインは、かつてのオリンパスペンFを思わせる。ペンタ部がないと何か耳のない猫のようだ。装着してあるレンズはオリンパスのズイコー35mmマクロ。

E330_2 E330_8
▲フォーサーズでペンタ部がないのにもかかわらず、意外と大きい。しかしホールド感や操作性は抜群。アイピースはE-3のものと付け替えているため、買ったときに付いていたものよりもかなり大きい。

E330_4 E330_6
▲液晶が可動式になっていてローアングルやハイアングルでの撮影が非常に楽になった。この機能も世界初とか。




デジタル一眼を使いだすと、もう、ソニーのF-707には戻れません。自然な色の表現とか画面の空間の深さ、空気感と言ったものは、比ぶべくもありません。
標準のレンズでは物足りなくなり、35ミリと105ミリの高いマクロレンズも購入し、頑丈な三脚やカメラバッグなども揃えてどんどん深みにはまり込んでしまいました。


そのうちに、E-330のノイズが多いとか、重いとか、フォーサーズなのに意外に大きいとか、画素数が物足りないとか、といった弱点も気になりはじめます。


違うボディが欲しくなり、違うレンズも欲しくなります。地獄です。


祭半纏


2001年8月、ソニーはそれまでの最高画素数を誇るCCDが2/3型524万画素のDSC-F707を発売します。

このカメラで驚かされるのは、何と言ってもそのレンズの大きさ。F値2.0の大口径カール ツァイス光学5倍ズーム<バリオゾナー>を採用、そのくせ、ボディは非常にコンパクトで、まるでレンズのお化けのようです。

さらに驚くのは、レンズが90度上下に回転すること。最近のデジタル一眼ではバリアングル液晶が当たり前のようになっていますが、このカメラは液晶を動かすのではなく、レンズを動かしてしまうという斬新な発想。

レンズを動かすカメラは、ソニーには多くて、最初の頃のサイバーショットDSC-F2とか、DSC-F505にも採用されていました。

実は、DSC-F707は、1999年に発売されたDSC-F505の後継機なので、形は非常に似ています、が、カメラとしては全く違うものに変身していました。
DSC-F505は、スペック的にもデザイン的にもあまり興味をそそられなかったのですが、新橋のキムラヤで初めてこのF707を見た時は衝撃でした。
DSC-S70で満足していたはずなのに、しかも買ってからまだ1年ちょっとしか経っていないのに、F707を見てしまった後は、もうS70の僅かな欠点でも大きな不満となって吹き出してくるんですねえ。

上を見たらきりがない、我慢我慢と自分に言い聞かせるのですが、毎日のようにキムラヤに立ち寄ってはF707を触っていました。
価格はオープン価格でしたが、キムラヤ価格で13万円ほどだったと思います。

そんなこんなで一年が過ぎて、ソニーはF707をマイナーチェンジしてF717を出したんですね。
その発売日にキムラヤを覗いてみると、なんと、前日まで13万円の値札が付いていたF707が、展示品限りで9万円になっていたのです。
もう、これは買うしかないと思いました。手にとってよく見るとカメラの底の部分の角がかすかにメッキがはがれていたので、それを指摘したら8万円でいい、と言うではありませんか。前後のことも考えず、即、カードで買ってしまいました。あとで女房に怒られたのは言うまでもありません。
罪滅ぼしにS70は女房に譲ることで、ちょっと機嫌を直してもらいました。


このF707は、写真を撮ること、カメラを持つことの楽しさを教えてくれた最高のカメラでした。もう今後、これ以上のカメラが出たとしても、これ以外は必要ないとさえ思ったほどです。
まず、レンズが大きいので、そのレンズを持つことでカメラが構えやすく、しっかりとホールドできること。レンズが90度上下に動くので、ローアングルの撮影が非常に楽で、しかも光学5倍、デジタル10倍ズーム、さらにマクロ機能付きなので、野の花の撮影には最も適しているのです。

しかも、コンパクトデジタルカメラなのにCCDが大きいので画質は抜群。
最近のコンパクトデジカメは、CCDは小さいのに画素数だけは異常に多く、1600万画素なんていうカメラもざらにありますが、画質はどうかと言えば、まったく見るに耐えません。


ちなみにこの3~4日、このブログの写真俳句に使った祭関連の写真はすべて、このDCS-F707で撮影したものです。

もちろん、ソニーですからビデオ撮影や録音もOK。暗闇でも撮影できる赤外線暗視撮影機能も付いていました。


最初は異様に感じたデザインも、使えば使うほど愛着が出てきて、素晴らしいデザインに思えてきました。


F707_1
▲ボディに比べ、レンズが異様に大きい。

F707_2 F707_3

▲撮影する時は、左手で大きなレンズをしっかりホールド。ズームなどの操作は左手の親指で、また電源スイッチや様々な機能のボタン操作は、右手親指で行うのだが、これがまた思ったよりも結構操作しやすい。

F707_4 F707_5

▲右手のグリップ部分にバッテリーとメモリースティックが入っている。指が掛かる部分には本革が使用されていて、使い込むほど貫禄が出てきた。


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▲レンズが回転する(というかボディが回転する感覚)ため、小さな野草などを撮影する時は非常に撮りやすい。左は約45度回転させたところで、右は約90度回転させたところ。

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▲メイン操作部のデザインは非常にメカっぽく、クロームカラーにマッチしてかっこいい!操作性にも優れていて、このカメラで一番好きな部分だ。

F707_7

▲この辺から見るのが一番かっこいい!

F707_8

▲今、私がメインで使用しているオリンパスE-3と、サイズを比較したもの。オリンパスはデジタル一眼では小さい方なのだが、それでもF707のボディがいかに小さいかがわかるだろう。先日掲載したAPSカメラのCanon ixyほどしかない。
ボディに比較してレンズがいかに大きいかがよくわかる。



解像度や画質には何の不満もありませんでしたが、しかし、使い込むに従って、花の写真などを撮っているときに、シャッターの僅か0.何秒かのタイムラグが気になり始めました。
小さな野の花をマクロで撮影していると、ちょっとした風で、花がフレームアウトしてしまうので、シャッターのタイムラグは致命的なのです。

そんなころ、オリンパスが日本で初めて一眼レフのデジカメ、「E-1」を出したんです。


また、キムラヤ通いが始まりました!


祭笛



1997年から2003年頃までは、さながらデジカメの高度成長期でした。
一ヶ月単位で解像度も画質もアップ、形状もコンパクトに使いやすく、さらに価格もどんどん安くなっていきます。
カメラ雑誌は新商品の紹介や比較記事で賑わっていましたが、今月のベスト1が、来月にはランク外になってしまうと言う消長の激しさです。
どのカメラをいつ買えばいいのか、いつも迷っていました。

そうした中で、いつも評判がよかったのはオリンパス、コダック、フジといったメーカーでした。特にオリンパスはもともとカメラメーカーなので、そのレンズの性能には定評があり、他社を一歩リードしていました。

2000年2月、満を持してソニーが「サイバーショットSシリーズ」を発売します。
特に「DSC-S70」は、1/1.8型の大型CCDを持つ330万画素の解像度で、記録メディアにはメモリースティックを採用し、しかもレンズは「カール ツァイス光学3倍ズームレンズ“バリオゾナー」を搭載すると言う、夢のようなカメラでした。
マビカなどというフロッピーディスクを使ったカメラを作っていたソニーとは思えない快挙です。

もうこれ以上はない、究極のデジカメだろう、と私は即、買いに走りました。

113,000円也!非常に高価なカメラでしたが、私は高いとは感じませんでした。もう夢中になっていて、マインドコントロールをかけられたようなものです。

その画質のよさ、解像度の高さ、特にマクロで接写した時のシャープさとボケ味の良さには感動すら覚えました。

ちょっと気に入らなかったのはデザインで、10万円以上もするカメラとしてはチープで軽すぎるデザインのように思えたこと。
レンズが向かって右端に出っ張って付いているおよそカメラらしくないデザインで、しかもつるっとしたボディの質感やグリップとボディ側面をぐるっと囲むブルーグレーのプラスチックが嫌いでした。



dsc-s70_1

▲10万円以上したとは思えない軽いデザイン。まあユニークといえばユニーク。


dsc-s70_2
▲銀色の部分は、一見アルミのように見えるが実はプラスチック。高級感は皆無だがそれでもCCDは、当時としてはおそらく最大の1/1.8型で、今でも通用するほど画質は非常に優れていた。

dsc-s70_3
▲いかにもソニーらしく、ビデオ撮影もでき、もちろん録音もできる。電源スイッチボタンなどは、ビデオカメラのスイッチとそっくり。ちゃんとズームと連動したファインダーも付いている。
DSC-S70のプレスリリースはこちら



それでも私は大満足で、いつもカバンに入れて持ち歩いていました。
その後すぐ、他社だけでなく、ソニーそのものからも、同じような解像度と機能を持つもっとコンパクトで低価格のカメラが続々発売されましたが、そのいずれもあまり欲しいとは思いませんでした。

ところが1年後、またもや私を惑わせるカメラが現れるのです。