私のデジカメ変遷-2/儚い命の優れ物DSC-S70 | junk-camera

junk-camera

フィルムカメラのジャンク品をウォッチング

テーマ:

祭笛



1997年から2003年頃までは、さながらデジカメの高度成長期でした。
一ヶ月単位で解像度も画質もアップ、形状もコンパクトに使いやすく、さらに価格もどんどん安くなっていきます。
カメラ雑誌は新商品の紹介や比較記事で賑わっていましたが、今月のベスト1が、来月にはランク外になってしまうと言う消長の激しさです。
どのカメラをいつ買えばいいのか、いつも迷っていました。

そうした中で、いつも評判がよかったのはオリンパス、コダック、フジといったメーカーでした。特にオリンパスはもともとカメラメーカーなので、そのレンズの性能には定評があり、他社を一歩リードしていました。

2000年2月、満を持してソニーが「サイバーショットSシリーズ」を発売します。
特に「DSC-S70」は、1/1.8型の大型CCDを持つ330万画素の解像度で、記録メディアにはメモリースティックを採用し、しかもレンズは「カール ツァイス光学3倍ズームレンズ“バリオゾナー」を搭載すると言う、夢のようなカメラでした。
マビカなどというフロッピーディスクを使ったカメラを作っていたソニーとは思えない快挙です。

もうこれ以上はない、究極のデジカメだろう、と私は即、買いに走りました。

113,000円也!非常に高価なカメラでしたが、私は高いとは感じませんでした。もう夢中になっていて、マインドコントロールをかけられたようなものです。

その画質のよさ、解像度の高さ、特にマクロで接写した時のシャープさとボケ味の良さには感動すら覚えました。

ちょっと気に入らなかったのはデザインで、10万円以上もするカメラとしてはチープで軽すぎるデザインのように思えたこと。
レンズが向かって右端に出っ張って付いているおよそカメラらしくないデザインで、しかもつるっとしたボディの質感やグリップとボディ側面をぐるっと囲むブルーグレーのプラスチックが嫌いでした。



dsc-s70_1

▲10万円以上したとは思えない軽いデザイン。まあユニークといえばユニーク。


dsc-s70_2
▲銀色の部分は、一見アルミのように見えるが実はプラスチック。高級感は皆無だがそれでもCCDは、当時としてはおそらく最大の1/1.8型で、今でも通用するほど画質は非常に優れていた。

dsc-s70_3
▲いかにもソニーらしく、ビデオ撮影もでき、もちろん録音もできる。電源スイッチボタンなどは、ビデオカメラのスイッチとそっくり。ちゃんとズームと連動したファインダーも付いている。
DSC-S70のプレスリリースはこちら



それでも私は大満足で、いつもカバンに入れて持ち歩いていました。
その後すぐ、他社だけでなく、ソニーそのものからも、同じような解像度と機能を持つもっとコンパクトで低価格のカメラが続々発売されましたが、そのいずれもあまり欲しいとは思いませんでした。

ところが1年後、またもや私を惑わせるカメラが現れるのです。