飲酒部アドベントカレンダー 12/23
前置き
SNSは元々Twitterにいましたが、色々と事情がありMisskeyに移行してまして
飲酒部という所でウイスキーの話ばかりさせてもらってるわけですが
アドベントカレンダー企画がありましたので参加させてもらいました。
アナログとは?
タイトルを読んで「ウイスキーは分かるけど、アナログってなんやねん?」
と思われたかもしれませんね。
アナログとは、いわゆるレコードや真空管アンプ等のデジタルではない音響機器の事です。レコードは別名 Vinyl/ヴァイナル(ビニール)とも言われます。
現代人の私たちが考える、「水平な円盤があって音の溝を円周上に刻む」タイプのレコードは、1887年エミール・ベルリナーによって「グラモフォン」として発明されました。
ある意味、CDやDVD等の円盤状のメディアはここから始まったと言えますね。
ただ、今のようなビニール盤ではなくカーボンや酸化アルミニウム等を樹脂で固めたものを、鋼鉄針や竹針で拾うものだったので
盤は瓦のように割れやすく、針は1面聴く度に交換しなければいけないうえに、盤の劣化速度も凄まじいという、なかなか荒々しいものだったようです…
カートリッジのダイヤモンドスタイラスは、肉眼では点にしか見えない程小さいミクロの世界。これは顕微鏡画像です。
その後、今のようなビニール盤にダイヤモンド針という定番のスタイルになり、日本では1950~1980年代に輸入、国産化して爆発的に普及し、世間に音楽を普及させていきました。
ちなみに一年先輩(1950年)に、日本初のテープレコーダーも発売されています。
今の50~60代くらいの人は、聴けば聴くほど劣化してしまう高価なレコードはあまり再生せず、レコードをマルチレコードプレイヤーなどでカセットテープに録音して聴いていたらしい。
現代のアナログオーディオ
アナログ音源とは、音を生の波形としてそのまま記録したものです。
連続的な波形を一切切り取らず、無加工で保存したものなので、音としての情報量は非常に多いです。
デジタル音源の場合、音を極限まで綿密に変換(0か1の断続的な信号)したものなので、音の波形の半端な部分や、ほとんど聞こえない帯域は消えてしまいます。
ただしデータとしての強度は非常に高く、劣化もしなければ情報のコピーも非常に簡単という超革命的な技術なんです。
1982年、ソニーが日本で世界初のCDとプレーヤーを発売します。
デジタル音源の物凄い便利さ、技術の進歩による音質・容量の進化によって
レコード等のアナログ音源は、1986年にCDに生産数で追い抜かれていきました。
その後の歴史は皆さんご存知かと思います。
デジタルの世界は猛烈な速度で進歩を続け、CDもMDも消え…今やネット配信の時代になっていきました。
しかし2020年代、とうに役目を終え永遠の眠りについたと思われていたメディアが、密かに息を吹き返しはじめていました。
そう、今、まさにレコードブームが確実に起きているんです。
Mrs. GREEN APPLEのアルバムもLP盤が同時に発売されるくらいに、現代ではアナログがブームなんですよ
この令和の時代にレコードブームが起きている理由
レコードはあまりに単純な原理で鳴っているのに、全てが物凄い精密な技術で作られている。
理由はいくつかあるのですが、まず「現代でアナログ音源を記録しているほぼ唯一の記録媒体であること」。
先に述べた通り、アナログ音源はデジタル化されていない「生の音」。
ほぼ全てがデジタルに置き換わっている現代において、アナログである、という事はそれだけで今の世代には逆に眩しい存在になったのです。
何も削り取られていない、連続した滑らかな音の波形は現代では貴重な存在なのだ。
そして「アナログ盤時代の古い音楽が再び注目されていること」。
膨大な昭和の名曲たちは、現代の音楽とは明確にその作りが違います。
音楽に使われる楽器や歌い方、歌詞、構成は、その時代の世相と文化を映し出します。
現代に続く音楽の基礎となり、連綿と続く影響の波となっている楽曲達は確かに今聴いても色褪せないものです。
全然世代でもないけど、知ってる曲のレコードは結構ある。
もう一つ挙げるとすれば「レコードという媒体の珍しさ」。
そう、私の世代(30代)はバリバリのデジタル音源CD世代。単純に、アナログ盤という存在が物珍しいのです。
黒くて大きくて、針でなぞって音を出す不思議な媒体。
鮮烈なアートのジャケットが放つ存在感。
明らかにデジタルとは違う独特音質で、どこかで聴いた事のあるような懐かしい音楽が流れる。
ある意味、レコードとは「非日常的で、渋くてカッコいい、オシャレなもの」に進化したと言えるでしょう。
リサイクルショップは宝の山。アナログ盤もあるし、プレーヤーもちゃんと動くものも多いよ。
ウイスキーとアナログの関係
「さっきから何酒に関係ない話を延々としてんだコイツは?」
飲酒部ナメてんのか?こっちは酒の話以外興味ねぇんだ!!!!
という声が聞こえてきそうですが、ご安心下さい。ここからがウイスキーなんです。
・ウイスキーとアナログ
ウイスキーという酒の魅力は
で語らせて頂きましたが、アナログ趣味というのはウイスキーと非常に相性が良いわけです。
・雰囲気が非常に合う
酒にじっくり向き合うには、オシャレな空間とオシャレな音楽が必要だ
まず、ウイスキーの「静かにじっくりゆっくり楽しむ」という点で相性がいい。
別にどんな曲を聴いても楽しいのは楽しいのですが、とりわけしっとりとしたJAZZ、懐かしい歌謡曲、荘厳なクラシックをじっくり聴きながら、合間に一口ウイスキーを含み一緒に味わう。
それだけで、ただの晩酌やながら飲みとは急に雰囲気が変わってきます。
ウイスキーはゆっくり舌で転がしながら、複雑な味と変化を味わう酒。
そのスローな楽しみ方に、独特の雰囲気を足してくれるのがアナログ盤です。
酒は、単にモノだけじゃなく雰囲気も一緒に飲むものだと思っていて、やはりその場の雰囲気をしっかり作るとまた味わいの感じ方も変わってくるものだと思います。
・古き良き文化の共鳴
昔から良いものは、今聴いたって良い。
アナログもウイスキーも共に古い歴史があり、ある意味では「枯れた」ものでもあります。
どちらもその歴史を味わう楽しみがあり、どちらもいずれ無くなっていく。
今この瞬間、自分の手元に長い時間を超えて同時に存在しているという「ロマン」を、「枯れた」音楽達と一緒に楽しむ事で、よりその世界に浸る事ができるでしょう。
そういう観点からすれば、趣深い酒器でお酒を飲む、というのにもまた通じる部分があるかもしれないですね。
ウイスキーは消費してしまうが故に、本当に古いものを味わうのはなかなか大変ですが、アナログ盤は古いものでも比較的容易に手に入ります。
それほどこだわらなくても十分良い物が手に入るので、ちょっとだけ雰囲気を足してくれるアイテムとしてはとても良いと思います。
・コレクション性の高さ
古いものから新しいものまで。
アナログ盤は、CD等に比べてとても大きいため、ジャケットも飾ると非常に映えます。
飾ったり、コレクションして楽しめるという点でも、ウイスキーを楽しむ雰囲気を作ってくれる良い相方になってくれます。
当然ですが現在では廃盤となっているものもほとんどで、中古で良いもの、好きなものを見つけた時の喜びや集める楽しみもまたレコードの醍醐味の一つであると言えます。
レコードとプレーヤーを置くだけで、ちょっとしたJAZZ BARのような感じになって、一気にお酒が美味いオシャレ空間になりますよ。
まぁ、のめり込み過ぎにはどちらも注意ですけど。
オーディオオタクが、カートリッジ沼にハマらないわけがなかった。全部ヤフオク。今もヤフオク巡回してます。
おわりに
まぁ元々オーディオが趣味ではありますが、かつゴリゴリのクラブ系ばかり聴いていたので、JAZZやクラシックなんかはそれほど詳しくはないんですが。
それでもやっぱり聴いたことがある曲っていうのは結構あって。
意外とそういうのを聴いた時の「おっ、これ知ってる!」とか
聴いたことない曲でも「え、こんなええ曲あんの?」っていう、古いものを楽しんでいるはずが、むしろ新鮮さを感じる事もあり。
そういうちょっとしたスパイスでウイスキーを楽しむのも中々良いですよね。
アナログに限らなくても、音楽を肴に1杯だけ飲む、という楽しみ方、いかがでしょうか。












