最近はガンプラの全塗装に向けてジリジリと準備を進めている天子です。

 

さて、今回はハイエンド系で試聴したものをレビューしてみたいと思います。

 

というのも最近ちょっと質問が活発になっている質問箱に

というご質問を頂いた為です。ありがとうございます。

全部聴いた事がある!しかも最近。

という事で、書けるものは書いちゃおうと思います。

 

その機種の特徴とか、技術に関しては調べれば分かる事だと思うので、

私が聴いた感想を中心にザックリやっていきます。

 

①qdc Anole V14

Anoleのフラグシップ。夜光塗料が光る。

 

【製品概要】

qdcの現行フラッグシップとなります。

お値段36万弱。 と言っても驚かなくなってしまった最近の界隈が恐ろしい。

 

V14の名の通り片側14ドライバーの機種です。ユメが詰まってますね。

内訳は Low*4 / Mid*2 / High*4 の10BAと UltraHigh*4 の4ESTです。

静電型ドライバーも各社だいぶチューニングにこなれて来た印象があります。

 

付属のケーブルが3in1の交換式になっているのが時流に合ってて良いですね。

装着感もさすがのqdcと言った感じで凄くフィット感があります。

 

あとAnoleV14-Sというセミカスタムバージョンもあります。

【音の特徴】 

   <帯域バランス> *主張の強さ
   *低域 >>>>>>>>--  7.8 /10
   *中域 >>>>>>>---  7.1 /10
   *高域 >>>>>>>---  7.4 /10

 

特徴として、V14はスイッチで4wayの各帯域をON/OFFによって調整出来ます。

一応フルONの試聴をメインにしつつ、他の切り替えもちょっとだけ試しました。

 

低域は結構良い量が出ます。NioとかProjectYみたいな「ガツガツ来すぎないけどしっかり主張がある」くらいの感じです。

特に響きが良く、響きが良いというと残響感が長くボヤっと感になりがちですが、そんな事はなく

「空間的に奥に響いて消えていく」感じ。奥行きがあるので耳周辺に居座らないので他の音をマスクする感じはしないです。

全体的に結構ハキハキしたパキッとした音の傾向の中で、低域は残響の無いパキっとした感じとはちょっと違うので印象に残りました。

中域は低域に被らず、しっかりした定位とエッジがあり気持ちよく鳴っています。

高域に関しては、qdcは独特の鳴り方があると思っていて、機種によっては結構チャリチャリして煩いなと思う事があるのですが

Anole V14はキラキラしてて主張こそまぁまぁ強いもののディテールが細かく、単にギラつく感じが無いです。

上質なキラキラ感と言った感じ。刺さりに関しても問題無いです。

上下がやや主張する弱ドンシャリ、っていう感じだと思います。少し低域の方が前目。

 

レバーON/OFFの差ですが、低域をOFFにするとだいぶおとなしくなります。

うちの帯域バランス評価でいうと、だいたい0.4~0.6くらい下がる気がします。

高域に関しても結構遠くに引っ込む感じになるので、だいぶフラット寄りのチューニングに変更する事ができます。

個人的な好みで言えば、UltraHighをOFF、他をONにするとだいぶ気持ちいい感じになると思ってます。


【総評】

<オススメ度> ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆  10 (試聴)

 

個人的にかなりの推し機種です。

鳴り方の質感の良さ、バランス調整のレベルの高さはかなり魅力的です。

中高域がカッチリ系でキラキラしつつ、低域の特徴的な響きと他の帯域とは鳴り方のギャップがある感じが手持ちには無い良さだと思いました。

レバーで帯域が調整できるっていうシステム、中華が上から下までこぞって採用した時期があるので

なんとなく微妙なイメージがあったのですが、Anole V14クラスのイヤホンとなると好みに少しでもアジャストできるのは有り難い機能ですね。

気分によって変えて遊ぶのもいいと思いますし。

と思いつつ、結局U18sもM15から全く変えてない現状を考えると結局一つのチューニングに固定しっぱなしになるような気もしますが…

まぁAPEX変えるの結構めんどくさいので、スイッチだけなら多少は弄る気にもなるかな?

 

 

 

②Acoustune SHO-笙-

 

【製品概要】

HS2000MXとして開発されていたウワサの機種ですね。

Acoustuneらしく1DD、いつものミリンクス…と思いきや、ベリリウム薄膜ドームが使われているとか。

どういう組み合わせで使われてるのか分からないけど、ドーム部分は純粋なベリリウムではないのかな?よくわからん。

10万ちょいの機種がフラッグシップだったのが、一気に20万へ飛んできました。

ネジを外して本体ユニットが取り外せるようですが、コレが今後どう活きるのかは分からないです…

装着感なんですが、付属の変な形のイヤピは微妙でした。普通にAETで良いのに。

ケーブルは安定のAcoustune製でしたね。良いケーブルです。

【音の特徴】 

   <帯域バランス> *主張の強さ
   *低域 >>>>>>>---  7.1 /10
   *中域 >>>>>>>---  6.9 /10
   *高域 >>>>>>>---  7.3 /10

 

フラット寄りのうっすらドンシャリ。傾向としてはいつものAcoustuneって感じです。

HS1697Tiとか、どのイヤホンも基本のバランスに沿って味付けされる所がAcoustuneの良いところですね。

低域はアタック感が特に良く、小気味いいサウンドといった感じです。

量感自体はそれほど特筆する量ではないですが、アタックがキレる為ノリは良いです。

音圧自体はダイナミックドライバということもあり中々出るとこは出ますね。

中域はボーカルの質感は中々良いと思います。キレ、解像度もよし。

高域は中々の伸びの良さで、主張もしっかりして来ます。

刺さる傾向の主張では無いので安心ですね。

 

結構フラットなんですが、薄味なタイプではなく上下に緩急はしっかりあってノリの良い音って感じでした。

高域が少し優勢なおかげか、音場はなかなかの広さを持っています。


【総評】

<オススメ度> ☆☆☆☆☆☆☆☆☆-  9 (試聴)

 

音は安心安全のAcoustuneです。

どの機種を買っても、Acoustuneはいろんなタイプのイヤホンを作るより自分達の基準を軸に変化を付けるタイプのメーカーですね。

それはSHOといえど変わらない方針というか、ある意味その基準の最上級を作ったんじゃないでしょうか。A8000とかそういう感じがしますね。

値段を考えればこの質の良さ、ビルドクオリティも文句は無いですね。

ハイエンドのバランスの良い機種を求めるのであれば、A8000よりオススメです。

とは言え、ある程度の機種を十分手持ちにしている人は差別化が若干難しい機種です。

SHOの問題ではなく、バランスタイプの宿命という感じではありますが…

この機種にバランス以上の特殊な魅力を感じた方は文句なしで買っていいと思います。

 

 

 

③VisionEars PHOENIX

【製品概要】

あのErlkönigを元に仕様を変更し、価格も抑えたリメイク機種です。

価格は、抑えてます。(60万→50万)

 

筐体が純銀製からカーボンブロックの削り出しになってます。AIONみたいな感じ。

またFPは固定になり、モードチェンジもオミットされました。

ドライバ数はErlkönigと同じく13ドライバーです。ここは継承してるんですね。

内訳は Bass*4 / Mid*4 / High*4 / Supertweeter*1 です。

前から思ってたんですが、これって4Wayじゃないんですか?VEは5Wayって言ってますけど…

MidがLowMidとHighMidとかに別れてるみたいな感じなんですかね。

 

ケーブルは新規開発のものになり、バランスプラグが標準装備のようです。

装着感ですが、Erlkönigより筐体が随分軽くなっており非常に良くなってました。

イヤピでしっかり保持できます。

 

【音の特徴】 

   <帯域バランス> *主張の強さ
   *低域 >>>>>>>---  7.3 /10
   *中域 >>>>>>>---  6.8 /10
   *高域 >>>>>>>---  7.0 /10

 

傾向としては結構大人しめだなと思いました。弱ドンシャリ、って感じですね。

ErlkönigのType2モードを軸に作られているという話です。

個人的にはType3にも結構近い印象だったので、Type2.5くらいの印象でしたね。

まぁErlkönig自体を聴いたことがある人があまりいないと思うのでアレですが…

低域は厚みはそれほど無く、量感は比較的普通…ですが、普段低域の多い機種を聴いている事が多いのでそう感じるだけかもしれません。やや抑揚の少ない感じでしょうか。

個人的にはもうちょっと多い方が好みです。

ただベースの振動感や音圧自体はきちんと出ますね。

中域の感触が良く、ストリングス系が映えますね。ボーカルの質感も雰囲気がしっかり伝わってくる感じです。

ボーカルの距離自体は近いわけではなく、程よく離れた感じです。

高域は刺さる帯域が上手く丸めてあって、刺さる傾向は全く無いと思います。

こういう纏め方をすると高域が強くなりにくいのですが、この機種はエッジ感がしっかり残ってます。伸びも十分かと思います。

 

音の定位感が素晴らしく良く、音が点から出ているのがよくわかります。

そのおかげか遠い音を表現する距離の音場ではなく空間描写的な音場が広くなってます。

距離の描写という意味での音場はハイエンドの普通、といった所でしょうか。

 


【総評】

<オススメ度> ☆☆☆☆☆☆☆---  7 (試聴)

 

とにかく、値段。値段がネックですね。

もちろん求める音であればこの機種を買うべきなのですが、特筆した何かを私はあまり感じませんでした。

Erlkönig自体もそうなんですが、他のライバルの実力が凄く高くなってきている背景があり、以前ほどの絶対的な完成度というわけでも無い気がします。

Erlkönigの良さは、Type1モードの音の厚みや深みを強調した低域寄りの音が13ドラのパワーを一番良く感じていたので

Type2.5くらいになると若干フラット過ぎて、他の機種の対抗を許してしまっている気がしなくもないですね。

質感や見た目は唯一なので、そういった点の価値はありますね。

当然一桁万円の機種なんかとは全然別種の音にはなっているんですが、二桁も折り返しのお値段ともなると…

先に紹介したAnoleV14やU18sもいますし、LegendEVOのような超個性と実力を併せ持った機種も居ますから。なんならVE8とかも強いですからね。

一聴の価値はありますが、購入は一度どこかで聴いてからの方が良いと思いますね。

 

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今回はハイエンド祭りということでなかなか購入は気合がいるレビューでしたね。

まぁレビュー通りなんですが、個人的にはAnole V14が一番欲しいです。

リスニング、フラットの調整が効く事や、そもそもの音作りのパキっとハキハキしつつ、低域の質感の濃さを同時に味わえるあの感じは以外と魅力的でした。

 

次回は安価帯もちょっとやりたいですね。

 

 

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