【番外6】 ツォンツォン、弟を扶養する(Ⅰ) | Silent Separation

Silent Separation

作者:顧漫

中国小説「何以笙箫默」(マイ・サンシャイン)の
日本語解釈文です。
ドラマとは若干異なっています。

Part.54 【番外6】 ツォンツォン、弟を扶養する(Ⅰ)


この日、ウェイウェイとシャオ・ナイが2人の子供を連れて祖母の家に着くと、彼女はいい知らせがあると告げた――ツォンツォンの代理で広告への出演に承諾したというのだ!

親戚からの依頼によるもので、ただの平面な写真にしかすぎず、テレビで放送されるわけではない。しかし、ウェイウェイはまだかなり心配で、帰る道すがらずっと思い迷っている。

「ツォンツォンはまだ小さいのよ。広告撮影なんて、あんまり良くないんじゃないかしら」

シャオ・ナイは息子が世間に顔を晒そうが意に介さない。男の子なんだから、これしきのこと気にする必要はない。

「大したことないさ。好きなようにさせてやろう」 シャオ・ナイは車を運転しながら言う。 「あいつも自分のミルク代くらい稼がないと」

ウェイウェイ 「……」

ウェイウェイは後部座席に座っている2人合わせても6歳にならない子供たちを見て、無言で頭を片方に向ける。

シャオ・ナイはすでに同意しているが、ウェイウェイにしてみればやはり気が気でない。うちの息子はいつだって利口なのだからと、彼女は思い切って小さな大人に意見を聞くかのように、ツォンツォンに一任した。 「ツォンツォンは広告を撮りたい?」

「広告ってなあに?」

「写真を撮って、たくさんの人に見てもらうことよ」

ツォンツォンは小さな眉間に深くシワを寄せて、少し悩む様子を見せる。最後に、彼はぐうぐう熟睡している弟を見て、決心したように言う。 「ツォンツォン、撮る」

撮影の日はあいにく家族全員 用事があり、ウェイウェイはユエユエも撮影現場に連れて行かざるを得なかった。幸いなことにツォンツォンは聞き分けがよくて、あまり気を使う必要がない。小さなぷくぷくした足でウェイウェイのそばを歩き回ったり、または自ら率先して弟の哺乳瓶を持ったりする。

撮影現場に到着すると、可愛らしい坊やたちはたちまち観衆の目を一身に集めた。ウェイウェイは周囲を注視し、その整然とした様子を見て取る。その上、スタッフはみんな思慮深く振る舞い、カメラマンは親しみやすく、決して子供の目を傷つけることはないと繰り返し告げられて、ウェイウェイはようやく安心した。

撮影の合間、ウェイウェイはトイレへ行く際、スタッフに数分間子供の世話を頼んだ。スタッフの中に女生徒が数人いて、かなり前からこの可愛い男の子に萌え死にしそうだったので、母親が離れるやいなや、2人を取り囲んで戯れる。

「ツォンツォンはいくつ?」

ツォンツォンが甘ったれたしゃべり方をする。 「ツォンツォンは4つ、弟は1つ半」

「ツォンツォン、お姉ちゃんに哺乳瓶をちょうだいよ。代わりにお姉ちゃんが弟くんにミルクを飲ませてあげた方がいいんじゃない?」

ツォンツォンは哺乳瓶をしっかり握って、駄目だと意思表示する。

「悶絶級にキュート」

女の子たちは目をキラキラさせた。 「ツォンツォンは広告を撮るのが好き?」

ツォンツォンはそっぽを向く。 「好きじゃない」

スタッフは互いに顔を見合わせる。 「何でツォンツォンは撮影しに来たんだ?」

ツォンツォンは彼女たちの視線に少々気後れしたため、弟の哺乳瓶を握り、ベビーカーを引っ張りながら、頭を垂れて言う。 「ツォンツォンはね、ミルク代を稼がなきゃ。それで僕を養って、弟も養うの」

ウェイウェイがトイレから戻って来ると、みんなのこちらを見る目つきが異様なことに気づく。その継母を見るような目つきは一体どういうこと?

ウェイウェイはひどく困惑する。どうして私がトイレを終えた後には、いつも世界が千変万化しちゃうのよ……

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