2018年6月14日(木)

 

NHKホールで竹原ピストル。

 

野狐禅の頃から気になり続けていながらも、ちゃんとライブを観たのはこれが初めて。席は3階のだいぶ上のほうだったんだが、にも関わらずライブハウスで観てるような感覚的な近さとダイナミズムを味わった。しかも進むにつれてそれがどんどん増していくっていう。あの距離であんななんだから、近くで聴いたらどれだけ深く歌がぶっささることだろう。それ、歌声そのものの力の凄さもあるけど、それを届けるための音響に対する意識の高さも相当大きくあるね。

 

あと、MCなどにおいての腰の低さ。それは威張る人間、オレサマ人間のカッコ悪さをむしろ炙り出しているようで。こういう男がギター1本でひとりでNHKホールに立つというその物語、そりゃやっぱりグっときちゃいますよ。

 

2018年6月10日(日)

 

8日に続いて、この日もビルボードライブでコリーヌ・ベイリー・レイ(1st)。

 

8日は1階ど真ん中の4列目でただただコリーヌに見とれてポワ〜ンとなってたんだけど、この日は上階から距離置いて観てた分、全体が把握できたし、彼女が歌手としてどう優れててどう個性的なのかがだいぶわかった気がした。

 

で、書いたライブ評がこちらです。

http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/64371/2

 

 

2018年6月9日(土)

 

高円寺のJIROKICHIで、「ザ・たこさんのアイアンクロー・シリーズ~ザ・たこさん×pug27」。

 

東京初ライブとなったpug27は、ラテンもジャズもあれもこれもを呑み込んだご機嫌サウンドで盛り上げの上手さと演奏の確かさを関東人たちにしかとアピール。僕が観たのは服部緑地野音の無限大記念日以来だったが、今回観てこのバンドらしさたるものがよくわかった。また来てね。

 

そしてザ・たこさん。初期と中期の名曲に最近の定番曲が混ぜられた嬉しいセトリ(久々に聴くどぶ川が最高にかっこよかった!)、絶好調ぶりが感じられる安藤さんの声の出力、苗場食堂を想起させる凄まじい客の盛り上がりと、全てが相まった最高のライブ。これぞザ・たこさん!  MCキタバヤシもグッジョブ!

 

さらにpugも加わってのアンコール・セッションがとてつもなかった。ナイスミドル、からの監獄ロック。これで終わりと思いきや、我が人生最良の日も。フロアとステージが文字通りひとつになり、まさに興奮と熱狂の渦。やっぱあれだね、国立地球屋とか所沢MOJOとか高円寺JIROKICHIとかで観るザ・たこさんのライブは、クアトロとかで観るライブとはまた別種の凄さ・熱度・喜びがあるやね。結成25年目の真骨頂。いまが一番!

 

2018年6月8日(金)

 

ビルボードライブ東京で、コリーヌ・ベイリー・レイ(2ndショー)。

 

コリーヌをビルボードライブで観ることができる。間近でコリーヌの表情を見て、彼女の息遣いを感じることができる。こんな機会、滅多にない。この先二度とあるかどうかわからない。ならば少しでも近くで観たい。そう思った僕は早々に自由席を予約して、開場の1時間近く前にビルボに着くよう家を出た。その甲斐あって、1階ほぼど真ん中の4列目。席に着いたときからもうドキドキ。そして開演。コリーヌが…こんなにすぐそばで…歌っている。もしかしたら…僕に歌いかけてくれてるんじゃないか。そんな妄想を抱きながら、そんなイメージを持ちながら、彼女の歌を聴いた。ギタリストとキーボーディストのおふたりには申し訳ないが、僕はただただずっと彼女に見とれていた。いままでいろんな人のライブを観てきたが、ここまでその対象に見とれ、一瞬たりとも目を離さず入り込むようにして歌を聴いたことはそんなにない。

 

表情、長い腕と長い脚、指先…。そのひとつひとつの動きが、たぶん魔法なんだと思った。僕は1時間と何分かの間、魔法にかかっていた。途中から自分が溶けてくような感覚。あんな感覚を味わったライブ、いままであったかなぁ。

 

親密な空間でコリーヌを観て聴くということ。そのよさ・特別さは想像していた以上だった。そしてドラムレスのトリオ編成であることは彼女のヴォーカルの魅力を最大限に伝えるものだった。その効果もまた想像以上だった。胸いっぱい。控えめに言っても今年のベストライブ。なんだか夢見てるみたいだったし、夢ならずっとさめなきゃいいなと思った。

 

2018年6月7日(木)

 

プリンス・トークセッションのあとは、ブルーノート東京でメイシオ・パーカー(プリンス繋がり!)。

 

今回はメイシオのアイドルでもあったレイ・チャールズのトリビュート公演「THIS IS RAY CHARLES」。レイのコーラスを務めた女性3人組レイレッツの歌に、日本の凄腕ミュージシャンたちからなるビッグバンド演奏と、見どころ聴きどころが満載。主役のメイシオはサックス以上にヴォーカルをたっぷり聴かせ、レイのようなグラサンかけて歌うその様はまるでレイが憑依したかのよう。渋みありの歌声、たまらんかったです(2ndショー)。

 

繰り返すけど本当に見どころ満載の贅沢なショー(あの曲がどうでとかいろいろ書きたいけどネタバレになるので抑えときます)だし、こんなのこの先なかなか観れないと思うので、ぜひ。日曜まで。

 

↓こちら、アエラスタイルマガジンに書いた公演紹介文です。
https://asm.asahi.com/article/11549311

 

2018年6月7日(木)

 

渋谷の東京カルチャーカルチャーで「プリンスナイト~The Talk Session」。

 

プリンスの誕生日(生きてたら還暦!)を祝う意味も含めてのトーク・セッション。スガシカオさん・浅田祐介さん・TUNAさん・(司会の)テリー植田さんのお話、いろいろ興味深かったです。

 

ハイライトは、プリンスの未発表音源を収めたアルバム『ピアノ&ア・マイクロフォン 1983』(プリンスが自宅スタジオでカセットに録っていたピアノ弾き語り音源)からの1曲を、20時ちょうどの世界解禁タイミングでみんなで一緒にじっと聴いたところ。聴いたあとでスガさんが「エイミー・ワインハウスっぽくてブルースやソウルの要素が混ざってる」みたいなことを言ってたけど、まさにそんな感じ。どなたかもおっしゃってたけど、これまで世に出たプリンスの曲でもっともプライベート感(パーソナル感)があって、しかもそれがとんでもなく高次元で、素晴らしかったです。アルバム全曲聴くのがちょー楽しみ。

 

2018年6月6日(火)

 

新宿ピカデリーで、『デッドプール2』。

 

めっさ無軌道。これ観たあとだと、1がものすごく練られた完成度の高い映画だったと思えてくる。そのくらい行き当たりばったりで、投げやりな脚本。そんでお下劣。つまりどうだったかというと……最高ってことですよおー!

 

女性陣がみんないい。ドミノさん、かっこよくって魅力的(運がいいって、確かにそれ、最強の能力だよなぁ)。あとユキオ役の忽那汐里ちゃんの可愛さたるや。続編あるならもっと出番多くしてね。

 

2018年6月4日(月)

 

下北沢ガーデンで「ジョニー吉長追善七回忌興行~其レハ其レ~」。

 

出演はICHIRO、岡雄三、金子ノブアキ、金子マリ、Kenken、近藤房之助、鮫島秀樹、菅木真知子、高橋Roger和久、Char、坪倉唯子、鳴瀬喜博、西山毅、野村義男、原田喧太、Mac清水、松本照夫、森園勝敏…and more! 進行はKenkenが担当。

 

愛に満ち溢れたライブだった。亡きジョニー吉長への愛と思いがガーデンのなかにグルグル渦巻いてた。金子家、そして友人たち。客席には当時のスタッフや仲間たちもたくさん。なんてステキな家族とその繋がりなんだろう。

 

ざっくりとした構成的には、まず金子マリとCharが出てきてJ,L&Cの「Stories」を“日本語詞で”歌い、Charがジョニーと出会ったときのことをその歌詞で説明。そう、「おでんに冷酒」ね。そのなかでマリさんやあっくんやKenkenのことも歌いこむと、それに合わせて息子ふたりも登場。この4人バンドからスタート。

 

続いて、ジョニーの後期のバンド、サンズオブブルース(後に改名してサンズ)の再集合的な感じで、ICHIROや鮫島秀樹や原田喧太が登場。Kenkenはベースを弾いたあと、ドラムセットへ動いてドラムを担当。このメンバーで「ドライブ・ミー・ナッツ」などPINK CLOUDの曲もやったり、イエロー時代の曲として泉谷の「眠れない夜」もやったりしつつ、途中には坪倉唯子をヴォーカルで迎えたりも。

 

そのあとは森園勝敏が全面参加したジョニーのソロ作『JRSM(ジュラズム)』からの曲を、森園がギターを弾き、Kenkenがドラムを叩いてヴォーカルも。お久しぶりの森園さん、ご病気されたりでちと心配だったけど何の問題もなくバリバリ弾いてた。それとKenkenのドラムが実にいい。ジョニーっぽいアクセントのつけ方がしっかり表れててね。歌声も(声質が違うイメージが今まであったが)意外とジョニーに似ていた。そういえば顔つきも似てきたよう(昨日は特にそう見えたな)。うん、まるでジョニーが憑依したかのような。

 

それからジョニーの親友だった近藤房之助を中心にしたバンドが、ブルーズを数曲。やっぱたまらんねぇ、房之助さんの歌とギターは。

 

そして難波弘之、鳴瀬喜博、金子マリが出てきてのバックスバニー・セットへ。野村義男やMac清水らもそこに参加。前回の再結成時はなるちょが喋り倒してたもんだけど、昨日は意外とおとなしかったですねw

 

で、最後のセットだけど、これが凄かった。Char、あっくん、Kenken、そしてマリさんも加わってのJ,L&C~PINK CLOUD大会。さらにはななななんと、マリさんの「スーパー・ミラクル・めっさ・ゲスト!」の呼び声であの方が登場。まーちゃんこと、ルイズルイス加部!!!!!!!!!!!!!!

 

これにはわたし、興奮してどうかなりそうでした。いや、なんとなく心のどっかで、Charが来るんだからまーちゃんも来ないかしら…とは思っていたけど、まあさすがにそれは叶わないだろなと。思っていたら。来てくれたんですよ。まーちゃんが! もうね、声枯れそうになるほど叫んじゃったわ。

 

曲は「ウェイステッド」やら「オープン・ユア・アイズ」やら「ナチュラル・バイブレーション」やら「アップルジュース」やら「からまわり」やら。Kenkenは初めのうちはまーちゃんの横で一緒にベース弾いてたけど、そのうちドラムにまわって、あっくんとのツイン・ドラム。めっちゃかっこいい。因みにまーちゃんは立って弾くことができずに座って弾いてたけど、音はまさしくまーちゃんのあのブリブリぶっとい音で。Charも始めは心配そうにしてたっぽかったけど、「ウェイステッド」終わってときにボソっとつぶやくように「まーちゃん、すごいじゃん」。ここ、本当にグッときちゃったなぁ。

 

因みに「アップルジュース」のとき、Charは「これがなくちゃ~、生きていけない、そんなオレに~ したのはまーちゃん」と歌ってました。

 

Kenkenがジョニーの思い出話しながら感極まってた場面もあったし、マリさんは何度も何度も丁寧に「こんなに集まってくださって本当にありがとうございます」とお礼の言葉を述べてたし。Charはといえば常に落ち着いて、その様子を温かく見守りながら演奏しているようだったし。なんかもう全部があったかくてあったかくて。

 

最後は出演者全員に加えて鮎川さんも出てきて記念写真。そして鳴りやまないアンコールに応え、マリさんとCharのふたりだけがもう一度ステージに。「ありがとう」歌うかなと思ったら、歌われたのはなんと「ラブチャイルド」。まるでこの日のための歌のようにも聴こえて、ジ~~ン。

 

いやぁ、よかった。全部がよかったけど、とりわけやっぱりCharとまーちゃんとあっくんとKenkenによるPINK CLOUDにしびれた。Charも言ってたけど、「まさかこんな日が来ようとは」。長生きはするもんです。

 

 

 

2018年6月2日~3日

 

長野県木曽郡木祖村「こだまの森」で、TAICO CLUB’18。

 

今年が最後の開催となるタイコクラブ。毎年一緒に行ってるヨメが直前で仕事が入って行けなくなり、今回は初めてひとり参加・ひとりキャンプだったのだが、初めてクルマじゃなくて電車で行ったことも含め(新宿からの特急あずさは早めに指定席をとっておくべし、ということを学びました)、いろいろ新鮮だった。天気はといえば、そりゃもうピーカン。夏日。とはいえ夕方になれば涼しくなって、深夜ともなると相当着こまないと寒いんだけど、それでもまあ例年ほど激寒って感じはなかった。つまり今年は抜群に過ごしやすい天候だったってこと。飲んで踊って大満足。数年前に比べるとメジャーの邦楽アクトが増えた分だけ人の数も多かったけど、それでも先頃のグリーンルームフェスのようなストレスはなく、やっぱ好きだな、楽しいなこのフェスは!という思いを強く持ちながら過ごしたのでした。

 

観た(聴いた)のは以下の通り。

 

(テント立ててビール飲みながらユラユラと)MOODMAN→(ここからがっつりモードで)Alfa Mist→lglooghost→Nai Palm→スチャダラパー(4曲目の途中まで)→Lone→FKJ→Hiatus Kaiyote→EGO-WRAPPIN’→Marcel Dettmann→Nathan Fake(途中まで聴いてテントに戻り就寝)。3時間ほど寝て起きて、Powderの音を遠くに聴きながら撤収。

 

サカナクションを筆頭にネバヤンとかPUNPEEとかDAOKOといったメジャーの邦楽アーティストも数組出てて、若者の多くはそのへんを中心に観てたようだけど、そのあたりはまたどっかの邦楽フェスとかでいつでも観れるだろうし、せっかくタイコに来てんだからタイコでしか観れなさそうな(聴けなさそうな)アーティストやDJを観ないでどうする……という思いが僕にはあって、国外アーティストを集中的に観た。国内アクトでしっかり観たのは深夜のEGO-WRAPPIN’だけで、あとはスチャの前半4曲のみ。

 

Alfa Mist。一昨年のテイラー・マクファーリンもそうだったけど、タイコで夕方に聴くジャズはとてもいい。鍵盤でときにはラップも入れるAlfa Mistと、普段着で愛想笑いひとつしないプレイ態度でありながら途中1曲では森林との相性もよいキレイな歌声を聴かせた女性ベーシスト、それから柔らかな表情でものすごい手捌きをするドラマーのトリオ編成。ヒップホップも消化してのジャズで、グラスパーとかとも共振する美学もあるっぽい感じだけど、UKならではの洗練されたセンスがよく表れてるというか。涼しい顔で変拍子を畳みかけてきて、あとのふたりも涼しい顔でそれに応えるあたり、実にクールでした。

 

続いてそのまま特設ステージで観たIglooghostは、UKの異才でまだ少年のよう(もしかしてまだ10代?)。低音が超強力なバキバキのドラムンベースなんだけど、なんかこう感情に訴えかけてくるものあり。「いじめられっこだったんだろな、子供の頃」って思える見かけで、その復讐として音楽やってんじゃないかなってくらいに激しく首振りながらDJしてて、映像は可愛らしくてセンスよくて、いろいろ引き込まれた。すごい若者がいるもんだ。発見でした。

 

それから今年のタイコはネイパームのソロとハイエイタス・カイヨーテの両方が一度に観れるってのもお得感ありで。まずネイパームのソロライブは、ネイパームと3人のコーラス隊からなるシンプル編成で楽器は彼女のギターだけ。つまり声と声と声と声の合わさりによるものなのだが、女性ひとり男性ふたりからなるコーラス隊がネイパームの主歌に応えるその呼吸の合い方がとてつもないレベルだった。しかも場所はこだまの森の野外音楽堂であるからして、なんかもう声と森とがひとつになったみたいな神秘性感じたな。この人たち、夏前になると森の中から出てきて歌ってんじゃないか、みたいな。絶対、森の動物たちや鳥たちと話せるな、みたいな。で、その環境にとても感動したらしいネイパームさん、「なんて美しい場所なの、長野! 今日、思わず川で泳いじゃった。ちょー冷たかったわ」と。そりゃそうでしょう(笑)

 

因みに特設ステージでのIglooghostが終わって野外音楽堂のネイパームに移動すべく坂道を登ってるとき、ちょうどPUNPEE見終えてサカナクションを観るため降りてくる人たちの数がハンパなくて、波に逆らって進むのがたいへんだった。まさに民族大移動。みんな邦楽好きなんだなー。おかげでネイパームはゆったり観れてよかったです。

 

で、今回もっとも楽しみにしてたのがLoneなんだけど、そのDJはもう最高の上を行く最高さだった。光こそクルクル回ってたものの映像はなんもなしで、ただひたすら4つ打ちの快楽に身を任せるあり方。映像なくても2時間まったく飽きがこず、何度か昇天。ああ、これだよなぁ、これこそタイコクラブでしか味わえない喜びだよなぁと満足しまくりました。

 

続く特設ステージでのFKJ。数曲だけ聴いて野外音楽堂のハイエイタス・カイヨーテに移動するつもりでいたのだが、彼の多種楽器演奏の様に釘付けになって結局終盤まで。ギター、ベース、サックス、キーボードをひとりでプレイして、観客の声もその場でサンプリングして、映像も凝ってて、それと音との同期も芸術的で、彼自身のルックスもよくて、観客と繋がりたい欲求も感じられて、音楽を愛し音楽に愛されてる感じも含め(音楽性は異なれど)プリンスに通じるところありだなとチラと思ったりも。いやぁ、よかった。そして彼のこのライブも月や星がキレイなタイコの環境にぴったりだなと思ったけど、それはそれとして今度はビルボードライブみたいなところで観てみたいとも思ったな。ビルボードさん、呼んでください。

 

FKJのライブがあまりによくて移動するのがだいぶ遅くなり、ハイエイタス・カイヨーテは中盤あたりから観たんだが、先のネイパームのソロステージ同様3人のコーラス隊がまたも大活躍。あれほどの変拍子の連続によくまああんなに幸せそうな表情でカラダ丸ごとノッていけるもんだな、ああいうリズム感って天性のものなのかどっかで訓練されたものなのか……。どっちにしても「凄い」という言葉しか出てこない。そんな3人の活躍も含め、これまで何度か観てるこのバンドのライブのなかで今回が一番よかった。バンドとして一段とスケールアップしたように感じられたし、あとやっぱりこだまの森というあの場所との相性が抜群にいいんだよね。あそこで観ることできてよかった感。

 

そして今回唯一ちゃんと観た邦楽アクトのEGO-WRAPPIN’。 声帯炎でこの数ヵ月の間にいくつかのライブをキャンセルせざるをえなくなった中納良恵の復帰後初となった先週のグリーンルームは涙が出るくらい感動したもんだが、今回の声の迫力はなんとあれの数倍増し。超完全復活。午前2時頃からの出番ということもあって、客を眠らせぬよう、ゆったりめの曲はやらずに完全ロックモードで攻めまくった。凄まじい熱量。グリーンルームのときにも書いたけど、やっぱパッションが観る人を感動させるんだよね。というわけで、最近以前にも増してEGO-WRAPPIN’が大好きになってる僕なのです。

 

そのあとMarcel DettmannからのNathan Fakeあたりで、うっすらと夜が明けてきて、ああ、この景色、この感じも、タイコクラブで味わうひとつの喜びだったよなぁと。タイコクラブならではの時間の流れ方って確かにあったのだ。それ、フジのそれよりも心地よくて、気温の変化を肌で感じられて。アレが好きで毎年行ってたとこもあるかもしれんなあとか思ったりも。

 

ところでタイコクラブは結局何回行っただろうか。本当に楽しい思い出しかないし、このフェスで「ライブが凄い」ことを知ったアーティストもたくさんいる。今年はAlfa Mistとlglooghostを「発見」できたのがよかったし、FKJのライブの素晴らしさもこうして知ることができた。タイコクラブは、発見する喜びをほかのどのフェスよりも実感できるフェスだった。

 

ああ、これが最後なんだよなぁ、と思うとまたいろいろ思い出してきて、アルカとカンダさんのあれは最早伝説だよなとか、ワンオートリックスポイントネヴァーの音圧は地獄ように凄まじかったなとか、店の電気も全部消させて真っ暗闇のなかでやったオウテカは徹底してたなとか、早朝のトロ・イ・モアのチル感たまらなかったなとか……。あの場所のよさあってフジで観るより感動したライブもけっこうたくさんあったものだった。とりわけ自分にとってなんといっても忘れられないのは、2011年のタイコで明け方に野外音楽堂で観たあら恋(あらかじめ決められた恋人たちへ)。震災のあと少しだけ鬱気味になってた僕は、あら恋の演奏を聴きながら気持ちの現われとして自然に両手を高くあげ、そして大泣きした。それでものすごく、本当にものすごく救われたのだ。だからタイコとあら恋には感謝すらしている。

 

ありがとう、タイコクラブ。いや、まじで。何年もにわたって、たくさん飲んで、たくさん踊って、たくさん楽しんだ。大好きなフェスだった。来年からタイコクラブ創設者が同じこだまの森でスタートさせるという新しいフェス「FFKT」にも、とても期待してます。創設者がやるくらいだから、もしかしたら今のようなメジャーの邦楽アーティストはなくしてコアな人たちを集めたフェスになるんじゃないかと僕は読んでるんだけど、どうかな。なんにせよ、フジでは観れないオルタナティヴなアーティストを引き続きたくさん呼んでほしいところ。そのあたりのコンセプトも含めた発表もきっと近々あるのでしょう。楽しみ。

 

 

 

 

 

 

2018年5月30日(水)

 

ビルボードでライブを観たあと、六本木TOHOシネマズへ。これ、最近お気に入りのコース。1stショーはだいたい20時半前後に終わるので、そこから歩きで移動して、ちょうど映画の最終が観れるんです。

 

この夜は『ゲティ家の身代金』を。前知識なしに観たんだが、読めない展開で非常に面白かった。それも、なんとも独特な面白み。誘拐犯よりゲティ爺さんのほうが怖いっていうね。まだこんなパワフルなのを撮れるリドリー・スコット爺さんもまた、底知れない怖さありますなぁ。