監督:前田哲、出演:綾瀬はるか、ファーストサマーウイカ
あらすじ:1989年、会社というものがまだ絶対的に男性社会で、セクハラという言葉もなかった頃。理不尽な性差別からクビになった女性が日本初のハラスメント裁判を起こす。
あの頃、OLをやっていた女性なら誰でも1つ2つ身にしみるだろうという案件山盛り。
そんな時代の肩パット服やソバージュなどの髪形の忠実な再現に懐かしさ120%。
映画の中の、ファーストサマーウィカさんのように色っぽくも仕事ができたわけでもない私でも、あそこまで露骨に受けた嫌がらせや深刻な事態にはならないまでも、軽微なことならいくらだってあった。
例えば、上司のお酌。カラオケのデュエット。
それ自体は別に嫌とも思わなかったが、同じ仕事をしている同期の男性と、職種も給与も違うことにはかなり違和感があった。
女性だけが制服、エレベーターに乗ればボタン前に立ってエレベーターガールと化す。
髪を切れば「失恋したの?」、口紅が変われば「男が変わったの?」。
クリスマスが近づけば「誰とどこへ行くの?」、結婚報告をすれば「いつ退職?」、勤め続ければ「ごはんちゃんと毎日作ってあげてる?」と。
どれもこれも今の時代ではアウトだろうな。
どこかに相談したり訴訟を起こすほどではないが、不快な思いをした出来事を数えるには両手じゃ足りない。それも、映画のように悪意が原因ならまだしも、若い女子を真剣に心配してこそのオジサン言動だったりしたからタチが悪い。
それでも映画の訴訟に至る思いは、全くの自分ごとでしかなく、胸が痛くなった。
昭和の証人としての物語を書く、特に働く女性の環境の変遷を、というのが私のテーマで使命でライフワークかな、とも思っていたので絶対観なくちゃいけない映画だと思った。
多分、物を書かなくても同じ思いをした方が足を運んで観にきていた。それを証拠に観客は私以上の年頃の方ばかりだった。
ただ、年配のカップルはともかく、男性おひとり様もいたのが不思議だったけれど。
あの頃、学生時代は純粋に成績順だったのに、会社へ入るとなぜ女性だけが超えなくちゃいけない壁がいろいろあるのだろうと、ギラギラしないスタンスで男性と同じようにいられないのはなぜなのだろうと何度も思ったっけ。
今時は大分そういった差別・区別は減ったのだと思う。でもなくなってはいないのだろう。
だから、とにかく大勢の働く男女に見てもらいたい映画だと思った。なのに封切り10日で上映映画館は激減。
もっと「踊る」並みに宣伝、公開してほしかったな。
(蛇足)工藤阿須加くん、好きな俳優さんなのだけど、、、
朝ドラでもなかなかにヤな役だったけど、こちらもファンの方は期待しない方がよし。
(了)
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