2025年 監督・脚本:川村元気 出演:二宮和也
昨年すごく話題になったことは知っていた。でも、日本のホラー映画が私はあんまり得意ではなく、ホラーというジャンルでもないけどそういった系統だと思ってスルーしていたのだが。
先日、金曜ロードショーで放映されたのを録画して観始めたら止まらなかった。
出だしはテンポもよくなく思え、地味な感じだし、途中で飽きるパターンかな、と、ながら見の構えだった。
要するに、地下鉄の通路がメビウスの輪のように行っても行っても出られなくなる迷路になった、というだけの話。
それが、「異変」を探す間違い探し的な流れになり、例えばポスターの眼がこちらを追って動いたり、8の文字が上下逆だったり。
謎の不気味なオジサンが無表情に通り過ぎるだけかと思いきや、急にものすごい笑顔で驚かされたり、途中でそのオジサン目線の物語に切り替わったり。
とにかく、地下通路をたどって8番出口を目指すだけ、正解ならば案内の番号が0から増えていき、不正解ならば例え5や6までたどり着いていたとしてもクリア0。
登場人物と共に、ドキドキしながら案内板を見、増えていれば「よっしゃー!」、0に戻っていれば「ちくしょー、ふざけんな!」という気持ちになる。
そんなだけの繰り返しが、次は何が起こる? というアクセントが意外で面白くて飽きさせない。
というより、先が気になって一気見だった。
強引に深読みをすれば、この迷路はハマり込んでしまった人間の「迷い」なのだろう。
状況を様々見極め、行くか戻るか考えながら出口を探す。その8番出口にたどり着いたとしても、正しいかどうかはわからない。
そんな風にも受け取れた。
私がホラーを苦手なのは怖いからではなく、結局「その怖いものは何だったのか」がわからないパターンが多いのが好きじゃなくて。
この話がそうじゃないとは言えないが、異世界での経験が、登場人物たちの直面する現実に根付いているように思え、私としては好みの結末だった。
にしても、登場人物も少ないし、場面もほとんどが地下通路、という……まあ主人公はニノだからそれなりの出演料なのだとしても、かなりの低予算で作られた映画だと思われ、それが95分間ドキドキさせられっぱなしの話になるとは驚き。
元は無限ループ的なゲームが原作だということだけど、なるほど、そういう要素が観る人間を引き込んで離さない、というわけだろうか。
物語を書く時の参考になる点が、多々ありそうな、新鮮な映画だった。
(了)
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