1996年アメリカ。監督:マイケル・ベイ、出演:ショーン・コネリー、ニコラス・ケイジ、エド・ハリス
あらすじはざっくり言うと、脱獄囚と事務屋のタッグが軍のプロたちと渡り合うお話。舞台はザ・ロックと呼ばれるかつての刑務所アルカトラズ島。
80~90年代特有の派手なカーアクションや、ズガガガドキューンドキューンが長い感もあるのだけども、私には好きな要素がいっぱいある映画。
とにかくこの凸凹コンビと敵の大将が好き。
コネリーの絶対的存在感(何せ開始30分出てこない)。悪辣ムキムキだって似合うはずのニコラスのヘナヘナ感。
それからアルカトラズに立てこもって最新の毒ガスをサンフランシスコに撒くと国を脅すのはエド・ハリス。かつて戦死した部下たちの名誉のための脅迫だった。この人がまたハマり役で、国に盾突くほどの気概と知識がある、優秀で情の深い上官が似合いすぎる。「アポロ13」もそうだったな、と思い出す。
それを阻止するその1、アルカトラズの内情に詳しいコネリー。つまりかつて長いことそこに囚役していた囚人。うん、腕っぷしも頭の回転も申し分ない。
阻止するその2、毒ガスの専門家ニコラス。これが戦闘の現場経験のない、いわゆるキャリア。揶揄され「薬屋」と呼ばれているのには吹いた。
でも、何だかんだとこの二人がどうにか毒ガス散布を未然に防ぐ。
まあそのラスト、毒消しの為に超極太の注射針を自らの心臓に突き刺すというのは、……うん、見せ場的には盛り上がるけど、本当にこういうもんなんでしょうかね。序盤に「こんな針、心臓に刺したら死ぬぞ!」と同僚がわめいている伏線もあったけど。(その後の手旗信号は、……ちょっとどこだかの日本映画でパクられていたようにも思う)
そういった、盛り盛りの誇張が結構多かった時代の映画だなあと思いつつ、けれどそれが別にツッコミどころ多数の欠陥、にはなっていないと思う。
主役二人のやりとりが、行き過ぎないジョークが利いていて、深刻な状況なのに息が詰まらずに観ていられる。
最後に友情ともいえるお互いへの思いやりが見られ、後味もよく。
この二人の名優さんを、余すことなく楽しめる映画だと思う。
余談ながら、最近読み直していた古い漫画「スケバン刑事」に、サンフランシスコの長い坂をスケボーで下るシーンが出て来た。昔読んだときには何とも思わなかったけれど、この映画にもその坂でのカーアクションがあって、なるほど名所なんだな、と今更確認した気になったりしている。サンフランシスコには、まだ行ったことがないので。
(了)
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