よく道を聞かれる。
自分自身、全然知らない土地で「どこなんだ、ここ?」と思いながら歩いているときでさえ。
他にも歩いている人はいるのに、なぜか私が聞かれることが多い。
むしろ、方向音痴なので私の方が「聞く」パターンがしょっちゅうある。グーグルマップを見ても、どうもよくわからず、「こっちだ!」と理解したつもりで進むと、位置情報がどんどん逆へ動いて行ったりするくらいで。
よく「あなたに似た知り合いがいる」とか「初恋の人を思い出す」だの言われるので、顔が「安心感のある人」という造りなんだろうか?
あるいは「親切そう」に見えるんだろうか? 基本、不愛想な怒り顔だと思っているのだけれど。
そうやって聞かれて、わかるときは教えて差し上げるのだけれど、説明が下手クソで。
あそこのこっちを曲がってまっすぐ行ってどうのこうの。と言いながらどうしよう、と思い始める。いや、いつもカンや慣れで進んでいるので、目印がどんな店だとか、方角が東西南北どっちなんだとか、……聞いてきた人がわかるような優しい説明ができた試しがなく。
その方が行ってしまって大分経ってから「あ、あの説明だと間違って○○へ行ってしまうかも」と気づいて慌てたりする。が、もう遅い。
すみません、決して意地悪でそんな風に教えたのではないんです……しゅーん。
本当に、道を聞くときには私のような者に聞かない方が良いと思う。
ちなみにこのところ、「聞かれる」のは、「誰かに似ている」せいじゃないのでは、と思い始めた。
とある地方都市に一時的に住んでいた頃、よく言われた。
「え、地の人じゃなかったの?」と。
地元の人からである。数年、または数代に渡って住んでいる方からにも、である。
私はそのときまだたぶん引越して1,2年くらいだったかと思う。
なのにそれ。
方言というほどでもないが、イントネーションや言葉尻が割と特徴のあるしゃべり方をする地域だった。そこで普通に標準語をしゃべっていたのにそれ。
何だろうな。
その場所に違和感なく埋まっていくタイプなんだろうか、自分?
だから、どこを歩いていてもそこに詳しそうな、普段から慣れているような、そんな風貌に見えるということなんだろうか。
そういう、お洒落とかしてないどうでもいいカッコで歩いてるのもその一旦なのかも。
そういえば。
道だけじゃない。
銀行のCDコーナーで使い方を尋ねられたことも割にある。
いや、それは銀行員さんに聞いてください。
最近は物騒ですから。
(了)
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