このコロナ禍において、外出が激減。
ウインドウショッピングやら外食やら不要不急っぽいものは取り止め、不要でも不急でもない用事は、ほぼオンラインに置き換わった。
その分移動にかかる時間労力が浮いて、わーい、と物語を書く時間に充てるようになった。
つまり、座ってパソコンに向かっている。興が乗ってキーを叩く手が進めば進むほど座っている。座って座ってほぼ座りっぱなし。トイレに立つときになって初めて○時間も座ったままだった……と気付くことも。
物語を書く以外の時間もほぼそんな調子なもので、これが長期間続いているのが祟ったか、このほどプチぎっくりになってしまった。
飲み物をいい加減に飲み込んだせいで、かなりの勢いで咳込んだ。ちょうどそのとき何かに手を伸ばした中途半端な姿勢だった。ぷちんと音が聞こえた気がした。
そして左の腰にずっと痛みの素が居座っている。こいつが、私が立ったり座ったり寝返りしたりするたび「おーいここにいるぞ」と主張してくるのである。
元々自分、雑でガサツで横着な性格。だから必要でなければ縦のものを横にもしない。立ったり動いたりも最小限にしたいタイプ。
食事を運ぶときも多かろうが重かろうがトレーに乗せまくって一度にすませたい……のに、ちょっとずつ小分けに軽くして何度もマメに運ばないと。
布団から出たくないから、普段は目一杯手を伸ばしてポチッとしていた加湿器やら照明やらのスイッチ。今は一度ベッドから降りてちゃんと側に行ってからオンオフ。
すぐそこの床に落とした物を拾うときも、きっちり一度立って移動してしゃがんで手に取る。間違ってもものぐさに体を伸ばしまくるだけで取ろうとしてはいけない。
雑でガサツで横着な自分、何でも丁寧で細やかに手間暇かけるこんな生活、ストレスフル。
このところキツくなってきた寒さのせいもあるだろうけど、やっぱり運動不足からの腰の衰えか。
今や省略されてしまったコロナ以前の移動労力、少なくとも1日5000歩は下らなかった。それがこのところ百歩単位にしかなっていない。
元々ただ走るだけ、歩くだけ、は嫌いなので、ランニングもウォーキングも続かず。こんな怠け者が1人で日々運動能力や筋力維持のための努力をするのはかなり難しい。
思いっきり書く時間が取れるのに、それはイコール座りっぱなし、つまり運動不足&腰痛との戦いになるわけで。
以前、小説の書き方を習った学校で、「腰痛の持病があるので」と、立ったまま2時間もの講義をしてくれた作家の方がいた。私とそう年齢は変わらなく見えたのですごい体力だと思ったが、作家さんにとっては腰痛とは職業病に近いのかもしれない。
でも、職業でもない自分が、そういう病だけがプロと同じでも、全然嬉しくはない。
(了)
↓「降りつもる」がお題の短編です。8分で読めます。
↓「おめでとう」がお題の短編です。7分で読めます。
↓「復活」がお題の短編です。12分で読めます。
↓「走り出す」がお題の短編です。14分で読めます。