漫画家さんの業界で、「年末進行」という言葉があると聞いたことがある。
年末年始は出版社も印刷所もお休みになるので、その分早めに原稿をあげなくてはいけないことを指すらしい。
昨年末、私もやってみた。
定期投稿しているコンテストが2週間おきの締め切りを年初に迎えるのと、他1月初めに出したいコンクールがあったので、年末年始の用事が立て込んでいた私は、その分前倒しを計ったのである。
これが……キツかった。
一番作業時間を食うのがベタ書きなので、まとめて時間の取れる日をそれに当てたい。
なのに、その日までにろくなアイディアも出ない、プロットも膨らまない。
せっかくのまとめ空き時間に、ぼやーっとするしかないもったいなさに焦る焦る。
仕方なく、過去作の焼き直しで乗り切ろうと、気に入っていてお蔵入りしている且つテーマが合いそうなストックを引っ張り出した。
で、コンクール規定に合わせて書き直したりしていたのだが……結局制限枚数以内に全く収まらない! と放り投げた。
そうなってから、ようやくどうにか形になりそうな新しいアイディアが出る。もうまとめて取れる時間もあまりなく、ものすごい勢いでとりあえず叩き台のつもりで書き上げた。
もう1本の方は何とか焼き直しで枚数もクリアしたので、計2本、年末休み前に仕上がったことになる。
おお、やればできるじゃないか。
自主年末進行、成功。
この調子で今後も早め早めにベタ書きさえできれば、大分楽にこなしていける。よしよし、……
なんて思ってたけど、その次のお題からしてまた今詰まっている。やっぱり何も出てこない……
またギリギリになるまでそんな状態で、締切直前にアイディアが出て、ものすごい勢いで書かないと間に合わない……予感がプンプンする……。
商業誌に連載をしているわけじゃない。誰かから催促されるわけでも仕事でもないし、マスト事項では全然ない。
でも、何というか、それだからこそ、1回飛ばしてしまうと次ももういいか、となって書けなくなってしまう気がする。それがイヤなのだ。
苦しいし面倒だしキツイとは言いつつ、自分で自分に引いたラインは守りたい、というか。
以前、知り合いのライターさんが言っていたことがある。
彼女はネットに連載を持っていたが、更新は週1回めどと言われていたそうで。でも、毎日更新していた。だからといって報酬が増えるわけではないのに。
何となくわかる。
それをしなくても怒られないし誰も困らないけれど、自分に負けたような気になる……んじゃないだろうかと思う。
というわけで、早くひねり出したい、次のアイディア。
(了)
↓「おめでとう」がお題の新作短編です。7分で読めます。
↓「復活」がお題の短編です。12分で読めます。
↓「走り出す」がお題の短編です。14分で読めます。
↓「もう少しだけ」がお題の短編です。12分で読めます。




