2017年に「定年女子」というドラマが放送されたとき、軽くめまいがした。そういう時代になったのだ、と感慨が大きすぎて。
私が就職したのはバブル期だった。「男女雇用機会均等法」が施行されて数年、期待の女性先輩も多くいた。でも基本的に男社会で対等に進んでいけるのは、やはり特別頭が切れる女性だったように思う。
当時は「想い出にかわるまで」「クリスマスイブ」など、私が尊敬する内館牧子さん脚本のドラマが流行った。基本、ドロドロドラマと言われるけれど、女性の職場における立場がリアルに描写されていたことが人気の一因だったはず。
まだお茶くみ、コピー取りが主な仕事だった時代、その中で年齢を重ねるうちに肩身が狭くなる。結婚が最大の幸せで円満退社が一番の誇り。男性側の「女の子にこんな仕事させたらかわいそうだから」との思いは、決して悪気ではなくあの頃は本気の誠意だった、等々。
仕事をする女性が出てくるドラマもあったが、大体は恋愛ドラマの背景の、例えば不倫相手が会社の同僚といった添え物程度か、医者や弁護士など専門的な職業だった。だから内館さんのドラマに出てくる普通のOLの切なさは強烈だった。
その後、ドラマでの女性の仕事は添え物ではなくなっていく。両立のための「ダブルキッチン」とか、OLとひとくくりにできない曲者ぞろいの「ショムニ」なども面白かった。
最近は、主人公の女性はほぼ普通に仕事する。「獣になれない私たち」しかり「校閲ガール」しかり。
こういった中でドラマシナリオコンクールにはどんなものを出したらいいのか悩む。
会社は男社会で女がどうしても不利を感じる話。普通の女性が普通の男性と同じように何も考えなくても同じに進むのは難しい。そういうものを書きたいと思っている。とすると、時代設定は現代にはできないのかな、と思う。けれどこうした風潮が残っている会社もまだ多く、知り合いから聞く愚痴からは、時代遅れの話でもないという気がしている。
ドラマは現実を先導する立場なので、今なぜそのテーマなのか、が大事という。内館さんの頃はそういったものがなかったので新鮮だった。でも今は「女性のお仕事もの」は氾濫している。つまり、そういったものを応募しても作品としての新しさはない時代になったということだ。
何せ女性の定年退職のドラマが放映される時代。今や仕事を定年まで続ける方も増えた。けれど、バブル期に最善とされた結婚退職をした女性は、それゆえに「自立していない」といった目で見られる不快さもある。
そういった多様化を扱えば新しくて面白いドラマにもなるのかな、と思う。思いつつも、扱い切れるかどうか、まだまだ修行の必要も感じる。
(了)
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