以前、どこかのテレビの企画で、「大人になるのはいつだと思うか?」といった街頭インタビューがあった。集計結果は「就職した時」に落ち着き、まあ常識的というか、普通にそう思う。
似たようなことが、「笑っていいとも」で取り上げられたこともあった。そのときのお題は「大人になるってどういうこと?」だった気がするが、タモリさんの答えは、「しがらみが増えること」だった。自分が好きなことだけやってはいられない。人間関係が増え、その分あれやこれやのTODO諸事が増えるということだろう。妙に納得した覚えがある。
で、最近聞いたラジオである。「あなたの考える大人」を聞いてみるという企画だった。これがなかなかにうなずける答えばかりで。
「褒め上手」、「行きつけのバーがある」、「字がキレイ」、「お手紙上手」、「時間に余裕を持って行動」等々。
「褒め上手」にはなかなかなれぬ。自分、タイミングとか言葉選びとか笑顔とかが下手くそで、褒めても通じないことが多くて。
「行きつけのバー」、これもない。一人で入って長居できてお店の人に顔を覚えられている喫茶店ならいくつかあるが、さすがにお酒、しかもバーはハードル高し。
「字がキレイ」……これは最近本当に反省している。パソコン、基ワープロを使うようになってからというもの、文字は下書きの殴り書きくらいしか記した覚えがない。いざ書いてみようとすると、筆圧からして加減できず、シャーペンの芯をボキボキ折りまくる始末である。
「お手紙上手」も「字がキレイ」にある意味含まれると思うが、気遣い、タイミングを逃さない、という要素が加わる気がする。その点、ついうっかり忘れる、いつのまにか季節が変わっている、となってしまう自分、大反省である。
そして「時間に余裕」であるが、これはできているゾ、と胸を張って断言。……って、ただの体力の不安である。ギリギリに家を出て走って間に合う自信がないのである。更に、その焦りからどこかに躓いたり転げ落ちたりして大怪我につながる恐れがあるからである。決して妄想ではなく経験値である。
というわけで、アラフィフにもなって全然大人になれていない自分に、愕然とする。
ちなみに、「人はいつ大人になるの?」というテーマの話を作ったことがあるが、心底自分の大人度欠損具合が嫌になったのがきっかけである。
自分が考える大人。それは、「他人のことを心底慮れる人」である。自分はこの年齢になってそれができていない。自己チューを全く卒業できていない。悲しすぎる。そういったオトナ人に出会うたび、「一体いつどうやって、そんな素敵な大人になったの?」と問いかけたくなる。
(了)
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