テニススクールに通っている。
運動不足、メタボ対策、ストレス解消……とにかく体のためを思ってのことである。遠い昔の学生時代にテニス部だったし、運動は苦手じゃないので週1回の楽しみになっている。
けれど――こんなだっけ、自分?
すぐに息は切れる、上達はしない、どころか下手になってるとすら思う。
「はいっ、毎回ゼロからやり直し!」とばかりに技が一つも上積みしていかない。
また、毎度毎度違う箇所が痛くなり、痛みが引くのに優に1週間はかかる。……それでも汗かくことに意義がある、はず。体に良い影響がある、はず。
ところで、テニススクールは月4回、前払いの月額制である。都合が悪い日時があれば別のクラスに振り替え可能。ただしそれは翌月いっぱいまでに取ること、というのが決まり。また、所属クラスで皆勤すると、特典としてもう1回どこか好きなコマに参加できる。
さて、仕事とかの都合で振り替えが立て込んでしまうことがある。その前月に皆勤賞の1回分をもらったときに限ってそんなことになる。
筋肉痛の回復を考えて、出来れば中1日は空けたい。そのようにスケジューリングするが、「ご希望日時は満席でして」と断られることもよくある。何とか月曜と水曜と金曜と……なんてギリギリ5回分消化できると安心したところ、急に葬式が入ったりする。仕方なく中1日の法則をあきらめて連チャンにする。
すると、何やら今までとは違う肘の痛みが走ったりして。治らぬうちに連日の猛特訓となる。肘は更に悪化する。
痛い右腕を冷やしながら左手でコーヒーを淹れてぶちまけてしまう。その後始末に結局右手を使わざるを得なくなる。
アイシング用サポーターで引っかけて落とした小物入れから塵やゴミが散る。左手で不器用に掃除機を引っ張り出すと、飛び出してきた筒に足を引っ掛け青アザ出血騒ぎの悲劇も起こる。
耐えられず翌月のレッスンを休もうとしても、そうなると使い切らない振り替え分が消滅する。先払いしたお月謝、1回とてフイにはしたくない。
肘、肩、腰、足首。どんどん痛いところが増え、それでも無理無理密度の高いスクール通い。休むとまた振り替えが詰まるから、鬼の形相で休まない。
……これは運動不足解消どころか運動過多では?
体に良いのか? とてもそうは思えない。
ストレス解消? かえって溜まってる気がするんですけど。
そうしたどん詰まりは、月4回全て欠席の無駄払い。そして長期離脱。
楽しくて体に良いはずのテニスライフで、なぜこんなに追い詰められているのだろう、私。
何かを間違えている。
(了)
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