クリスマスが近ずいているんだな。
キャロル流れるコーヒーショップで、10時間ぶりくらいのタバコを楽しんでいる。
最近は本当に喫煙者にとって辛い職場が多い。
あー、タバコ吸いたい。
って気持ちと闘って今勝利。
お世辞にも美味しいとは言えないコーヒーとサンドイッチ片手に家にも戻らず籠城している。
世の中は赤と緑の装飾になっているのに、私の気持ちは1月にこの地へ降り立ったあの日に戻ったままだ。
先日弘前へ1泊で戻ってきた。
友人が病に倒れた。
20センチを超える腫瘍がみつかったと連絡を受けた。
すぐに行きたかったし、気の利いた言葉をかけてあげたかった。
でもできなかった。
彼のほっそりした笑顔と、困った表情の旦那の顔が忘れられない。
何もかも同じなようで、同じじゃない。
確実に皆、時間を過ごしているんだ。
集まった面々の顔を眺め思ったこと…。
そばにいてあげたいと思っても叶わない。
激励だったり、アドバイスしてあげたくても言葉が浮かんでこなかった。
すぐに泣きたくなるのはやっぱり年齢なんだろうか。
気持ちだけ、弘前に残っている。
東京も寒くなった。
やけに実をつけたまま放置されてる木が多い。
そんなことなら分けてくれてもいいのに…と娘がボヤく。
ツーンとした熟成臭と共にグチャっと落ちて朽ちた実を見て思う。
こんなふうに終わる予定じゃなかったのにね、って。
湯気がたつコーヒーは飲めない。
いわゆる猫舌。
程よい温度に下がって一気に頂いた。
忙しい合間のささやかな楽しみ。
ホスピスでバイトを始めて2ヶ月が過ぎた。
こんな生活を始めて10ヶ月。
どれだけの人生とかかわり、どれだけの学びがあっただろうか。
確実に知識や経験は横に広がったはずなのに、幅が広すぎて自分のものにできずにいる。
あとどれだけ頑張ればいいんだろう。
あとどれだけ……
あとどれだけ彼は生きれるんだろう。
後ろを振り返ってしまった。
気持ちはどこまでも落ちた果実のように、形になれずさまよっている。