(*私の大好物、米粉から作られる、南インドのスナック ”ムルック” )
マハラシュトラ州の生活が長くなっても、私の中で ”南インド” がいつも故郷なことは変わりません。
ココナッツ、ミールス、ドーサ、アユルベーダ、豊かな自然。
南インドの形容詞とも言える代表的なものが沢山ありますが、それ以外でも、私が強く引かれ、親しみを覚える理由には、南インドに見られる、温暖な地方ならではのおおらかさの中にある、日本と近い伝統と奥ゆかさなのだと思います。
言わずとも通じ合える、”アウンの呼吸” なるものが、南インド人とは交わすことができます。
コチの道の傍らで、豆の粉から作られる、クラッカーのようなスナック、”パパド”を作る女性。
南インドの定食、”ミールス”。油で揚げたパパドは欠かせません。
ケララの伝統舞踊、”カタカリ”。言うなれば、日本の ”能” に近い舞踏です。
ケララでは、正直心引かれるテキスタイルに出会うことがあまりないのですが、私の心を鷲掴みにしたのが、道端で営まれるアイロン屋さん。
プネのアンティークショップで見かけたアイロンが、今でも普通に使われていました。
電気ではなく、中身はなんとチャコール化したココナッツが焼べられていました。
祖母が使っていた、ずっしりと重い、昭和の古いアイロンを思い出しました。
それでも電気だったので、その昔は日本でも同じようなアイロンが使われていたのでしょうね。
今でも、インドのテイラーでは、足踏みミシンが活躍中です。
まだまだ独自の伝統と、穏やかな時間が息づく南インドです。