モンゴル戦で14得点というゴールドラッシュでマスコミが賑わっていますが、少年サッカーコーチの視点でゲームを捉えてみました。
史上初という14得点という数字や大迫への依存や吉田や冨安に代わるセンターバックの不在などが話題になったワールドカップアジア2次予選のモンゴル戦。
そもそも14得点出来たことの背景は何か。
日本代表がモンゴルゴールを攻め続けたこと。
勝ち点をとればいいというゲームではなく、90分間ゴールを奪おうとすること。
サッカーではゲーム時間中は常にゴールを奪うことが正しいので、解説の風間さんもどのゴールに対しても素晴らしいとコメントしていましたね。
ゴール前にスペースがあるからシュートを打てるわけですが、それはモンゴルがドン引きして守備したり、ペナルティエリアで11人が集まって守り切るというサッカーをしなかったからですよね。
日本ゴールに向かう姿勢を持ち続けたから後半のコーナーキックを得ることが出来たし、1点をもぎ取ろうという気持ちが
布陣になってあらわれているから、ドン引きの守備にはならない。
日本代表もバリエーションのある攻撃をしかけることが出来たので、モンゴルも的を絞れなかった。
ペナルティエリア正面からひたすらシュートを打ち続けたらモンゴルも守備ブロックを作って防ぐことが出来たのだが日本はそうしなかったし、モンゴルもそうしなかった。
クロスからのシュート、ドリブルシュートと変化のある攻撃とコースを突いたシュートはたしかにキレイ。
強豪相手にあのシュートが打てないのは、プレスの厳しさ、スペースを与えてもらえない、そもそもシュートレンジに入れない。
中盤を制することができない。
ひとりひとりの選手の質の差もあるが、母国のサッカー熱、サッカー環境、サッカーの歴史によるものもありますよね。
U24と日本代表が並行して試合を続けていますが、アルゼンチン戦の後のこのモンゴル戦を見ると、日本はどんだけ選手層が厚いのかと
思わざるを得ません。
ところで、あれ、このシーンって少年サッカーでもあるよね。という場面がいくつかありました。
・日本選手とモンゴル選手がインサイドでボールを同時にバチーンと挟むシーン
これは文字にすると伝わりにくいかもしれませんが、小学生のサッカーではあるあるのシーンです。
2人がボールを蹴れる距離にある場合に、それぞれの利き足のインサイドでほぼ同時に蹴るというものです。
小学生の場合は、相手の足が出てくるのがわかっていて、または、相手の足もとにボールがあっても、力いっぱい蹴れば、ボールが飛んでいくという発想です。
とにかく前にボールが飛べばいい。
気持ちはわかります。しかし、小学生に言うのは、その先に味方がいることがわかっているわけでもなくいわゆる「ただ蹴り」です。
代表戦を見てて、なぜか懐かしさを感じてしまいました。
・モンゴル選手がボールを追うシーン
小学生のサッカーでも強豪チームとうちのチームが試合をすると、ボールを回されて奪えないというシーンがあります。
その時のプレーは、相手3人のパス回しに対して、うちのチームの選手が2人もボールを追ってしまう場面です。
目と体がボールを追っているので、相手のマークをすることもインターセプトも出来ません。
日本代表はボールにくらいつかせようとして横パスを使っているように見えます。
縦パスの出どころや受け手を狙うというプレーもモンゴルに見られますが、いくつかの局面ではボールを追ってしまいます。
ボールを追うというよりパスを追うという表現が正しいのかも知れません。
ただし、どうしてもボールウォッチャーになってしまうのはサッカーのあるあるですね。
大相撲では大活躍のモンゴルですが、サッカー選手もモンゴル相撲を経験していれば1対1の強さに利用できそうですが、そのような場面はなかったな。でも、最後まで全力で戦ってくれたモンゴルに拍手を送りたいです。
少年サッカーでも大勝、大敗はよくありますが、そのほとんどは5点くらい取られたところで戦意喪失というパターンが多いです。
モンゴルはそうではありませんでした。
最後の1分まで相手ゴールを目指す。
少年サッカーもそうありたいものです。
解説の風間八宏さんのDVD。
サッカー協会で配布してもいいんじゃないかなぁというクオリティ。そしてコスパ。
ところで全国のサッカー少年・少女はこんな練習をしているぞ!