「寿がきやラーメン」ですね♪

あの白いスープに、フォークとスプーンが合体した特別なスプーンを使ってラーメンを食べるのです。

そうそう。↑これこれ(笑)
食後はソフトクリームを食べるのも、お約束。
山村家では、月に一度、家族で寿がきやラーメンにいくのが定番で、私は楽しみで仕方ありませんでした。
勉強や宿題などをなかなかやらないときには、母親が「そんなことなら、寿がきや連れてかないよ!」
なんて、よく言われたものでした。(苦笑)
あっ。ちなみに、これは「コメダ珈琲」バージョンも存在します。(爆)
さて、そんな、「寿がきやラーメン」も私が大人になってからは、なかなかいく機会もなく、残念な状態でしたが、2年前に娘が生まれて、ついに念願の寿がきやデビューの日がやってまいりました!
最初は三菜子も、「え~」って感じでしたが、実際に食べてみると、「懐かしい~~~い」と上機嫌。
寿がきやラーメンの味は本当に昔の記憶が蘇るそんな味なんですよね♪
さて、本題はここからなんですが、「寿がきやラーメン」。
名古屋の人間にしてみれば、他のラーメンとは比較できない王道の味。
でもでも(笑)
他の地域からきた方が、名古屋人に勧められて、寿がきやラーメンに行った時に、「えっ?」っとなってしまうポイントがあるんです。
それは・・・
「これって、何味なの?とんこつ?」
って、いう質問(笑)
そして、
「いずれにしても、決してまずくはないけど、突出したものが特にないし、そんなに人気がある様にはとてもおもえないんだけど・・・」という評価が、私が今までの統計で調べた結果、もっとも多い回答でした。
そして、逆に、どんな年齢であっても、<子供の頃に寿がきやラーメンを食べたことがある方>と一緒に食べにいくと、ほぼ100%の確率で、
「いやぁ~最高だね。うまいうまい!やっぱ寿がきやだわ。」ということになるのです。
この違いはなんなのか?
一方は、正直、まずくはないけど、そんなにうまくもない。
一方は、プライスレスでうまい。
と言う。
不思議です。
ここで総括してみることにします。
東海地方以外の方は
⑴寿がきやラーメンをそれほど強くおいしいとは感じない。
⑵その強い理由に、「味の特性」を求めている場合が多い。
⑶ラーメン自体の構成(ダシがなんであるか?根本的な味はなんなのか?)にこだわっている。
逆に東海エリアの方は、
⑴寿がきやラーメンの味で、昔の記憶が蘇り、かなりの高確率で昔話で盛りあがれる。
⑵寿がきやの素材がなんであるかどうかなどは、全く重要視していない。
⑶寿がきやラーメンへは、子供の頃に経験した思いを重ね合わせて、自分の子供も連れて行きたいと思っている。
ざっくり言うと、こういう感じ。
これって、重要な事なんですけど
<求めているポイントが違う>ということに気づけますか?
これは飲食だけでなく、医療や、他の業界にもいえることなのですが、顧客がどんなニーズを持っているのかという事を把握していることと、自社の強みがどこにあるのかを認識していること、この2つをわかっているかどうか?実はこれが一番重要な事なんです。
現代は、過剰なほどの「価格競争」「原材料の出処」「サービスの質」などが、「店舗がはやるかどうか?」のファクターを握っているケースが少なくない。
ただ、これは、過剰な演出や、他店に打ち勝つための利益度外視の価格設定などの、「無理な戦略」になっている店も多く、どんどん疲弊してしまう原因にもなる。
お客さんのお店を決める判断基準が「価格」や「サプライズ」などに特化してしまったら、それはとても寂しい話になってしまう。
どんなに流行っていても、すぐ隣に新しい、安い、過剰なサービスのお店ができたら、ひとたまりもなくなってしまうだろう。
しかし、顧客はみんな、すべてにおいて、そういった上記の価値観のみを持って毎日の判断を決定しているのであろうか?
否。
私は、否だとおもう。
それは、寿がきやラーメンのお客さんを見ればわかる。
空腹を満たすだけなら、カップラーメンやそれこそなんでもいいのである。
一番大切なのは、食事をいただいた時に「どれぐらいの安さでだべる事ができた!」かではなく、「どのような気持ちになったのか?」「どんな思い出が残ったのか?」ではないだろうか?
<食事をする>ということは、その場の雰囲気も楽しむということなのである。
その二度と巻き戻すことができない<大切な時間>を心に記憶しておくもの。それが<食事を楽しむ>ということなのです。
しかし、最近は、ただひたすらに「安さ」「便利さ」「過剰なサービス」を追い求めて、互いに疲弊し合っている消耗戦に見えるのです。
何度も言いますが、これは飲食だけの話ではなく、全業態に言える話です。
厳しい言い方になりますが、自分の提供するモノ(人、医療、飲食、技術、etc)が、顧客に対して、「他の店とは比べる事ができない価値のあるもの」を提供していれば、しかも、それには再現性があり、何度体験しても色あせる事の無いものであるならば、どんな競合店も、決して競合にはならないのです。
そこにしか存在しない価値があるのなら、それは勝負にはならないのです。
そういう価値を、見いだせるのかどうか・・・
それが、これからの企業が生き残っていく最大のポイントだとおもいます。
それを寿がきやラーメンから学ぶ事ができるのです。
自分が子供のときに、虜になった味があります。
その味は、子供のときに食べた事が無い人には、理解されないかもしれない。
なぜなら、その味とともに若い頃の自分の両親と笑顔で話をしながら食べた味があるからです。
誰が何を言っても、その空間には、おいしいラーメンと家族の笑顔が溢れていたのです。
その空間は、お金では買えんのです。
どんなに格安ラーメンがでても、それは再現性がないんです。
今でも、このラーメンを食べると、胸がじ~んとします。
ものすごく若かった母親と、一生懸命、僕がラーメンをすすっている姿をタバコを吸いながら見ている父親の姿が、今でも思い出せるから・・・
私の娘にも、この味を、この空気を、伝えたいから・・・
消耗戦は、良い結果を生みません。
誰にも負けないモノが、かならず人にはあります。
それをピカピカに磨き上げること、つまりは、練習をして、勉強をして、努力する事。
それをすることで、状況は必ず打開できる。
まずは、ピカピカに自分の技術を磨く事。
それをする前に、他の事を言い訳にしていたら、いつまでたっても前進しないし、磨かれない。
明日からやろう!ではなく、今からやる。
ピカピカに磨く。
これが一番大事なのですね。
そうすれば、きっとみんな「寿がきやラーメン」になれますよね♪
それは、食事をするだけではなく、孫まで伝えたい空気があります。
それは、お金では買えない。とっても価値のあるものなんです。
ピカピカに磨いた先に、きっとあります!