背景：
自然は時に完璧な姿を作り出す。それは化学物質の6角形などのような安定性や進化後の淘汰などによって形成されるが、そのような完璧な姿はどれほど一般的なのだろうか。
要約：
ヒマワリやカリフラワー、アーティチョークに含まれる螺旋形は素晴らしい特徴を持っている。時計・反時計周りに配置されている小花は、1枚、1 枚、2枚、3枚、5枚、8枚・・・と並び、それぞれの数は前の2つを合わせたものとなり、フィボナッチ数と呼ばれる。この並びによってヒマワリの小花は最も高い密度を形成することで、効率よく太陽光を吸収している。
しかしこのような完璧なフィボナッチ数の小花の並びは、どのように形成されるのだろうか。小花が成長するときには、葉、花、植物器官の成長を促進させるオーキシンと呼ばれるホルモンがその部分に流れ込むため、この物質が深く関わっていると考えられている。
そこでアリゾナ大学のMatthew Pennybackerらが、数学的なモデルによってオーキシンやタンパク質の動きをシミュレートし、オーキシンの蓄積する部分を予測したところ、実際のヒマワリで起こるようなフィボナッチ数の並びを再現することに成功した。
この結果は、論文誌Physical Review Letters（フィジカル・レビュー・レターズ）にて発表された。この結果は、このようなフィボナッチ数のパターンはこれまで考えられていたよりも、自然界では一般的である可能性を示唆している。そのため注意してみれば、フィボナッチ数が様々な方向で螺旋を描いているかもしれない。
元記事：
ScienceShot: Sunflowers Do the Math
参照：
Matthew Pennybacker and Alan C. Newell, Phyllotaxis. Pushed Pattern-Forming Fronts, and Optimal Packing. Phys. Rev. Lett. Volume 110. Issue 24. (2013). DOI: 10.1103/PhysRevLett.110.248104
『ヒマワリの完璧な小花の配置』
[科学ニュースの森]