プチ・ニコラ -Le Petit Nicolas | 仏映画

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個人評価: ♪♪♪♪
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製作年/Sortie: 2009
監督/Réalisation: ローラン・ティラール/Laurent Tirard
脚本/Scénario: ローラン・ティラール/Laurent Tirard
出演/Acteurs: 
マキシム・ゴダール/Maxime Godart 
ヴァレリー・ルメルシェ/Valérie Lemercier
カド・メラッド/Kad Merad
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あらすじ
1960年代のパリ、二コラは優しい両親と個性的な仲間たちと楽しく幸せに暮らしていた。
ある日、両親の会話からもうすぐ弟が生まれると思い込んでしまう。「小さな弟が生まれたら自分は森に捨てられてしまう」と不安になったニコラは仲間に相談する。二コラは自分の存在意義を示そうと、両親の前で頑張るが裏目にでて中々上手く行かない。

せっかく両親を独り占めできたのに、、、

ママ、弟が生まれても僕を捨てないで、、、



「このままでは捨てられてしまう!」
「いや、先に生まれたのは自分だから、弟がいなくなればいい。」
二コラの小さな妄想は犯罪構想へと変化を遂げた。何と、二コラは仲間たちと一緒に生まれてくる弟をギャングに誘拐してもらう計画を思いつく!ギャングへの依頼金が無い二コラたちは、更にとんでも無い事を思いつく!!!




ネタバレ
計画を成功させようと二コラ達は魔法の飲み物を作って違法販売したり、子供達だけで車を運転したり、、、大暴走。
(ここで起きる事件の数々は、御伽噺や漫画の世界)

結局、母親の妊娠は二コラの勘違いだった。ところが、その後母親は妊娠して妹が生まれた。妹じゃ、男同士の話も出来ないし、ギャングごっこも出来ないと残念がる。
でも、そんな二コラ達の顔は幸せに満ちていた。

二コラとちびっこギャング達




原作について
作家ルネ・ゴシニと漫画家ジャン=ジャック・サンペによって執筆され、フランスで50年以上愛され続けている絵本シリーズ。仏語を勉強し始めて1年目、必ず手に取る絵本だ。仏人に限らず、日本人でもこの本を読むと何故か懐かしく、胸の奥がじんわりと温かくなる。仏人であれば、『あの頃/時代は良かった』と想いを馳せる。だが我々の郷愁に満ちた時代とは反し、プチ・二コラの世界は汚物を排除した純・御伽噺だ。

だが絵本の中でプチ・二コラが抱いた気持ちは御伽噺ではない。
「捨てられる前に家出しよう」
子供の小さなプライドから家出するが、行く宛もなく二コラの様に夜道が怖かったり、友達に説得されたり家に戻ってくるものだ。
「弟/妹に両親を取られちゃう、僕なんてもう必要ないんだ。」
母親の妊娠は子供にとって人生の一大事だし、生まれてくる弟妹ヤキモキする経験は当たり前の話だ。多くの子供たちがこの絵本に共感し、大人は自分の記憶を重ね合わせる。




原作の舞台はパリ、映画の撮影も殆どパリで行われたと云う。大人役である二コラのパパとママ、学校の先生は監督が口説き落とし、子役は全てオーディションで配役を決めた。絵本の外見に合った子供を選んだら、絵本そのままのキャラクターが生まれたという。監督曰く、主役には台詞があり物語を誘導する責任があるので演技を指導したが、他の子供たちは自由にさせたという。結果、家族で楽しめる映画が出来上がった。


演技なのか地なのか?

似ているかな?



最後に
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