ベルヴィル・ランデブー - Les Triplettes de Belleville | 仏映画

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個人評価: ♪♪♪♪
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製作年/Sortie: 2003
監督/Réalisation: シルヴァン・ショメ/Sylvain Chomet
脚本/Scénario: シルヴァン・ショメ/Sylvain Chomet
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あらすじ
第二次世界大戦間もないフランス。内気で孤独な孫のシャンピオンを元気づけようと祖母はテレビで人気歌手トリオ"トリプレット"の番組を見せたり、ピアノや犬のブルーノを与えたが、シャンピオンはどれにも興味を示そうとしなかった。

ある日、祖母はシャンピオンのベッドのから自転車の写真や新聞記事がスクラップされたノートを見つけ、が自転車に強い興味を抱いていることを知る。シャンピオンに三輪車を買い与えると、嬉しそうに自転車に乗り込む。


やがてシャンピオンは成長し、一流の自転車選手になるため、祖母と二人三脚で厳しいトレーニングに励むようになる。そしてシャンピオンは自転車レースの頂点“ツール・ド・フランス”に出場するまでに成長した。ところがレースの途中、シャンピオンと二人の選手はマフィアに依って連れ去られてしまう…。

ツールドフランスの様子


マフィアに囚われる


孫の行方を追う祖母は、愛犬のブルーノを連れ、海を越えてはるばる摩天楼そびえる大都会“ベルヴィル”までやって来る。祖母は嘗てのスター三姉妹達の助けを得てシャンピオンの救出に奔走する。

すっかり年老いた三姉妹

三姉妹と祖母



感想・ネタバレ
遂にマフィアに制裁まで加え、“ベルヴィル”を抜け出した。


場所は祖母とシャンピオンが住む家、成長したシャンピオンは“ベルヴィル”を脱出する様子をテレビで見ている。部屋には祖母と犬の写真が飾られている。
シャンピオンがテレビを消して物語は終了、シャンピオンの思い出を視聴者は一緒に鑑賞していた事になる。

年老いたシャンピオン


今までのアニメ映画は子供向けだったが全く異なるものを作成したかったとショメ監督が語るように、画は暗くキャラクターや背景表現も独特で台詞は殆どない。音楽も子供に馴染み深いものでは無く、ジャズなど大人向けだ。

映画の小道具たち
ジャンゴ・ラインハルト: 二本指奏法のギタリスト
ジョセフィン・ベーカー :女性黒人ダンサー
フレッド・アステア :タップダンサー
シャルル・ド・ゴール : ニュースに出演するフランス大統領
ジャック・タチ監督作品 : ベルヴィルの三つ子の部屋に貼られたポスター、深夜テレビ番組など
グレン・グールド : ピアニスト
ファウスト・コッピ : シャンピオンの部屋に貼ってあるサイン入りの写真。ツール・ド・フランスで2度の総合優勝を果たした自転車競技選手




邦及び英題の『Belleville rendez-vous/ベルヴィルの出会い』は映画音楽のタイトルだが、仏原題は『 ベルヴィルの三姉妹/Les Triplettes de Belleville』、原題の持つ意味とは何か?
祖母との美しい想い出を音楽と共にシャンピオンの目線で懐古するのが映画の面白さ、年齢を重ねた人々にしか分からない視点がここにはあるのだ。

本当に愛くるしい祖母

愛に溢れる映画