天国から来た大投手 八、小さな友人 122 | 六月の虫のブログ

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アパートに戻ると、メグは「今年の感謝祭はにぎやかでいいわ。モリがいてくれると、ネイサンも楽しそうだし。七面鳥も立派なのが食べられるしね」と言ってくれた。メグは七面鳥のスタッフィング(ドレッシング)を作り、七面鳥のお腹の中に入れると、七面鳥をオーブンに入れた。三十分毎にオーブンを開けて、中の七面鳥に肉汁をかけるのが、森次郎の仕事になった。メグは、クランベリーソースの味見をネイサンに頼んでいる。森次郎にネイサンが「モリ、たまにはうちで、一緒に食事しようよ」とクランベリーソースを頬張りながら言い、「ママ、いいでしょ」とメグに同意を求めた。メグは「モリさえよければ、いつでも大歓迎よ」と二人に言った。三人は「モノポリー」をしながら、七面鳥が焼き上がるのを待った。

七面鳥が焼き上がると、メグはスタッフィングをお腹から取り出し、お皿に盛ると、残った肉汁でグレービーソースを作った。森次郎とネイサンは、茹で上がったじゃがいもを潰して、マッシュドポテトを作っている。ネイサンがメグにマッシュドポテトに入れる牛乳の量を訊いて、牛乳を入れてよく混ぜて出来上がった。メグは七面鳥と入れ替わりにオーブンにアップルパイを入れた。

三人がテーブルに着くと、メグは赤ワインを開け三つのグラスに注いだ。メグは、森次郎とネイサンにグラスを渡すと、ネイサンに「君は一口だけよ」と言ってウインクした。ネイサンは「一口で十分だよ。こんなまずいもの」と言って二人を笑わせた。「三人の健康に乾杯」と言って、グラスを合わせた。乾杯が終わると「モリ、七面鳥を切ってくれる」とメグが頼んだ。七面鳥は、普通、父親が家族みんなに切り分けて与えるものらしい。ネイサンは「ダディ、僕はダークミートが好き」と森次郎に注文した。森次郎は「息子よ、ホワイトミートも食べろよ」と言い返した。メグは二人の会話を聞きながら涙ぐんでいる。森次郎はメグに「ハニー、君はダークミート、それともホワイトミート」と訊いた。メグは「ダーリン、私もダークミートが好き」と涙を拭いながら答えた。



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