天国から来た大投手 八、小さな友人 121 | 六月の虫のブログ

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『アメリカ・ゴーズ・ホーム』、感謝祭の休暇に入った。美盤は、ジュディの実家に厄介になることになった。森次郎も誘われたが、ネイサンとメグと一緒に、七面鳥を食べることにした。ジュディも、それは理解してくれた。

感謝祭前日の水曜日、ネイサンとメグと森次郎の三人で買出しに行った。寮に残っているのは、森次郎一人だ。寮生達は、文字どおり家に帰った。留学生達も、友人や親戚の家に行っている。三人は、予約してあった七面鳥やその他の食材、そして赤ワインを買ってメグとネイサンのアパートに戻った。

感謝祭の朝、森次郎はネイサンのアパートを訪ね、料理の準備を手伝った。下準備ができると、三人で海まで散歩した。ネイサンは海にいるアシカやアザラシを見るのが好きらしい。沖の岩に群れでいる彼らを見て、「ウォウ、ウォウ、ウォウ」と泣き声をまねている。メグは「ネイサンはアシカやアザラシやラッコが大好き。彼らの生命力がネイサンを感動させるのだと思うわ」と言った。森次郎がうなずくと「ねえ、モリ、ここモントレー湾は、海洋資源に恵まれているの。この海には、ジャイアントケルプという何十メートルもある海藻の森があるの。この森にはアシカ達の餌になる魚やカニ、貝がたくさんいるのよ。ラッコは波に流されないように、ケルプに自分のからだを巻きつけて眠るのよ」と続けた。森次郎は、美盤やジュディとモントレー水族館に行った時、ただ漠然と見ただけで、そういったことは考えなかった。

三人は、散歩からの帰りに、スパイグラスヒル・ゴルフリンクスのカフェでサンドウィッチを食べ、冷えたからだをホットチョコレートで温めた。森次郎が、ここのハンバーガーは絶品だとネイサンに言うと、ネイサンは「知っているよ。でも、僕には大き過ぎるんだ」と答えた。




      ジャイアントケルプの森(フリー画像より)