十六歳のアメリカ ニュー・ファミリー 二二、キーフ家訪問 67 | 六月の虫のブログ

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 次の日は、朝からパットとテニスをして過ごした。パットは学校でテニスのチームに入っているらしく、結構うまい。一時間くらい経つと、クインが自転車でテニスコートまでやって来た。ランチの用意ができたらしい。もう十分程打った後、乗って来た自転車にまたがり、キーフ家に向かった。彼らの自転車は日本で我々が乗っている自転車とは違った。今で言うマウンテン・バイクのような形をした非常に小回りが利く自転車で、タイヤは太く溝が深かった。ハンド・ブレーキは付いておらず、ペダルを逆に回すとブレーキが掛かるようになっていた。変速機は付いていない。クインは、自転車の前を上げたり、くるっと一回転したり自転車を自由自在に操った。彼はパットに比べるとおとなしく、シャイだ。キーフ夫人が彼のことを ”My Baby” と言っているが、まさにマイ・ベイビーと言う感じだった。クインがボクに、「ボクは、パットにテニスで勝った」と言うと、それを聞いたパットは反論し、クインをからかった。クインも反撃するが、どうも分が悪い。でも、彼にはお母さんという強い味方がいた。キーフ夫人がパットを注意して、クインは救われた。年は離れていたが、ボクはパットとクインと非常に仲良くなった。パットとは三才しか違わないが、この年頃での三才差は大きい。しかし、ボクには彼らの遊びや言動が非常に新鮮に見え、彼らと一緒にいても飽きることはなかった。パットと腹ごなしにガレージの前でバスケットをした後、キーフさんが車でウッドストック周辺を案内してくれた。

 カンカキーに帰る日がやってきた。みんなで、スチュワート家と待ち合わせているシカゴの郊外にあるショッピング・モールに向かった。待ち合わせ場所にはチャックもマムもダッドも来ていた。三人とも何か買い物をしたらしく、紙袋を抱えていた。みんなでランチを食べた後、二時間程子供たちだけで、モールを探索した。非常に大きなモールで、とてもこの限られた時間では回り切れない。二時間はあっという間に過ぎ、カンカキーへ帰る時間になった。パットとクインもボクのことを気に入ってくれたらしく、ボクと別れる時は、非常に寂しそうに見えた。別れ際、キーフさん、パット、クインと握手をし、キーフ夫人はボクを抱き締めてくれた。エレンはボクに抱き付き、口にキスをした。パットは、ボクに       ”Ellen loves you.” と言って、からかった。

 数週間後、日本にいるガールフレンドからカセットテープが届いた。二人の女の子とケリーの声が録音されていて、彼女たちは近況を報告してくれた。ケリーはテープの中で、  ”My sister fell in love with you.” と言って、ガールフレンドたちを驚かせていた。

 キーフ家とスチュワート家、家風は全然違うが、両家とも楽しい家庭だ。


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右からパット、キーフさん、クイン。エレンとキーフ夫人の写真はまた後ほど。