マネーボール アメフト編 〔上〕 | 六月の虫のブログ

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『マネーボール』の作者、マイケル・ルイスのアメリカンフットボールを題材にした小説、『ザ・ブラインド・サイド』。この小説は主にほぼホームレス状態にあった黒人少年、マイケル・オアーが金持ちの白人家庭に迎え入れられて、アメフトのスーパースターになっていった過程を描いたノンフィクションです。


また、マイケル・オアーの物語と並行して、アメフトの戦術に関する考え方の変化、そうアメリカンフットボール界の『マネーボール』で野球に起きた事柄に似たイノベーションについても書いています。


最初のイノベーション


1978年、当時23歳のトム・レミングは、アメリカ中を旅して高校生のアメフト有望選手をランク付けしました。ビデオテープが普及していない時代に選手たちの16mmフィルムに収められた映像を見たり、選手たちに直接面談して性格や学業成績、希望の大学などの情報を集めました。全米を回ってそのような情報を収集していたのは、レミング一人だけでした。そして、レミングのこの事業がやっと黒字になったのは7年後でした。


レミングの地道な努力に全米の大学が注目し始めました。1990年代の半ばESPNはレミングのオール・アメリカン・チームを出版し始めました。1995年のオール・アメリカン・チームに選ばれた25選手のうち、14選手が第一巡目でNFLドラフトの指名を受けたのです。


レミングがすごいのは、その情報収集能力だけではありません。彼の情報分析能力、つまり優秀な選手を見つける能力はずば抜けています。


他人がしないことをやりきること、それも高品質で・・・。


レミングの情報収集及び情報分析能力はある種のイノベーションだったのです。


次回は、アメフトの戦略を根底から変えてしまったビル・ウォルシュが起こしたイノベーションについて書きます。



    レミングの大学二年生のオールアメリカンズ。